FC2ブログ

BullionVault

世界を不幸にするドル高


Dollar-Index.png
Source: Federal Reserve Bank of St. Louis, Bawerk.net
12月利上げ強行のためのインチキ雇用統計発表後、米国のマクロ指標はあいかわらずさえません。
それでも当局関係者のアナウンスは米国経済絶好調とのことですから、もはや利上げに指標は関係ないというスタンスのようです。
しかし、その強気の白々しいアナウンスメントを市場は訝り、ここにきて、12月の利上げ観測ややや後退し、ドルが売られ、株も売られはじめました。
しかし、その救世主になったのがイスラーム国のパリ攻撃でした。市場が崩れそうになった絶妙のタイミングでの攻撃でした。
市場へのインパクト大です。
「なぜパリばかり注目」=アラブ世界に違和感―仏同時テロ
これでユーロは売られドルは息を吹き返しました。
また、有事の際は安全資産といわれる円やフラン(*本当は安全でもなんでもなく、低金利のためにキャリー・トレードの調達通貨とされているのが、リスクオフになると巻き戻されるだけ)が高くなることを、ユダヤ資本家が所有するFRBの実質子会社である日銀とスイス中銀が全力で強調介入して防いだようです。フラン売り円売り、ドル買い介入です。これは強力でした。
スイス中銀は金準備を増やすことには猛反対していましたたが、アップル株などはどんどん買っています。そのため、ドル安になって株バブルがはじけると大きな批判を受けることになるので必死です。もちろん、アメリカとしても年末商戦直前で株バブル崩壊は避けたいところでした。
とにかく、各国中銀&財務省の協調介入とみられる動きにによって、全面ドル高になりました。これにユダヤ系のマクロ系ファンドが歩調を合わせ株価も釣り上げました。もちろんGSなどは事前に日本株先物を大幅に買い越しています。
アメリカ以外の国の地政学的危機は、アメリカにとって漁夫の利となって、金融市場にとってリスクオフにはならないようです。

双子の赤字に加えて、潜在成長率が低下してきた米国からは資本の流出が問題になっていました。成長力が低下して税収が減って、国債のファイナンスの半分を世界に依存する米国はこれでは財政を維持できません。
成熟し、資本収益率の低下した先進国から資本が流出し、成長余地のある新興国にマネーが集まるのは、市場による最適な資源配分からして当然の流れです。しかし、その市場の効率化機能によるマネーフローを、FRBは、金利操作によって、強引に逆流させました。
実際、利上げはまだはじまっておらず、QEによって巨大化したFRBバランスシートもほとんどそのままの状態なのですが、QEのテーパーリング、利上げするする詐欺で、ドルをここまで釣り上げてきました。
嘘も百回言えば真実となるといいますが、米国の御用学者や金融マスメディアは、米国経済がさも一人勝ちで景気は好調なのかのように装い、利上げは近いと、繰り返し喧伝してきました。もちろん、米国のデッドコピーである日本の市場関係者も同じです。
エコノミストの95%が9月に利上げがあると予想していました。
この利上げの煽りで通貨のファンダメンタルズに反したドル高を誘導してきたのです。
今の金融市場はドルと株&不動産(アメリカとその同盟国の株と不動産)が買われ、それ以外のありとあらゆる金融商品が売られています。米国以外の通貨、債券、石油や銅などのコモディティ、金などは徹底的に売られています。
アメリカのGDPが世界に占める割合は5分の1程度ですが、米国株の時価総額が世界の株式市場の時価総額に占める割合は半分程度にもなります。
米国の株が上がれば、その利益のトリクルダウンで、日本や欧州などのアメリカの同盟国の株も上がります。
円安やユーロ安が株高につながるのは、なにも輸出企業の輸出量が増えたり為替差益が増えたりするというファンダメンタルズに沿ったものではありません。単なる投機的なフローの問題です。
円やユーロを切り下げることでドルを釣り上げて、米国株式市場に資本呼び込めば、おこぼれで自国株式市場も上昇するという仕組みです。
実際、ドル高でアメリカの企業の収益は悪化します。
ドル高で恩恵を受ける企業は、GSなどの大手金融機関ぐらいです。金利上昇によって恩恵を受けるのも同じく大手銀行ぐらいです。銀行は、長期金利が上昇して、イールド・カーブをスィープさせることができれば利ざやが得られます。
米国全体でみても、目先、ドル高は経済成長を押し下げます。
ニューヨーク連銀のあるアナリストの試算では、15%のドル高は0.6%ポイントの米GDP押し下げ効果があるそうです(よくこの発表を上司の反対もなくできたと思いますが)。米国の企業はたいてい、ドル建で輸出していますから、ドル高は輸出量減に直結します。もちろん、グローバル企業の所得収支も減ります。
こうして経常赤字がさらに悪化すればGDP成長を押し下げます。
また、ドル高は世界にデフレを輸出して世界のGDPを押し下げます。
ピクテによると、25%の原油下落とドル高が世界の物価を-0.6%押し下げる効果があるそうです。
ドル高は、世界経済の成長も当然、押し下げます。
ドルの実質実効レートが上昇すると、世界の実質GDP 成長率は低下します。
その相関係数は-0.62と有意です。
ドルと世界経済

ドル安になって、アメリカを中心とした富裕国の金融資産が傷んでも、彼らの生活水準はほとんど低下しないでしょう。
しかし、ギリギリのところで生活している世界の何億もの貧困層にとって、ドル高による成長減速は、その暮らしを直撃します。労働集約型産業であるコモディティや農作物の産出に関わっているのは、発展途上国や新興国の多数の貧しい労働者なのです。
先進国でも中間層から貧困層に没落して生活水準は低下する人が増えるでしょう。アメリカも例外ではなく、ユダヤバンカーを代表とする一部の富裕層を除く大多数の人の生活水準はドル高で圧迫されるでしょう。
ドル円ロングや、株高で利益を上げている日本の個人投資家の今の喜びは他人の不幸の上にあるということを忘れてはいけません。


にほんブログ村 経済ブログへ
にほんブログ村

社会・経済 ブログランキングへ
[ 2015/11/18 15:25 ] おすすめ | TB(0) | CM(0)
コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
この記事のトラックバックURL

リンク
カウンター
相互RSS
検索フォーム
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

ブロとも申請フォーム
QRコード
QR


ロキソニン