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人類社会の進化を妨げるリバタリアン(新自由主義者)


アメリカ大統領選挙が始まりました。
注目は、もちろん、バーニー・サンダース・レボリューションです。
アメリカが「社会民主主義」に変わる?! バーニー・サンダース民主党大統領候補ってどんな人?
キリギリスのように投資を怠り、借金を積み上げ、ツケを後回しにして過剰消費(消費の先取り・前倒し)してきたアメリカは、今、問題が山積しています。債務の膨張は中国などの新興国を凌駕していますが、成長率では大きく下回っています。これは持続できる経済モデルではありません。
債務膨張、格差拡大、少子高齢化、保険医療・教育など福祉の崩壊、低下する労働生産性の低下、そして治安の悪化。
程度の差こそあれ同じ問題をかかえる斜陽の先進国のなかでも、アメリカの凋落はもっとも深刻です。
オプティミズムとポジティブマインドがアングロサクソンを中心とするアメリカンのステレオタイプですが、その彼らもさすがに、最近では、その将来に不安になってきているようです。マーケットも株・ドル売り&金・債券買い相場のリスクオフ・ベア相場にトレンド転換しつつあります。相場がクラッシュすれば、短期的には換金売りで金が売られる可能性もあります。しかし、最終的に金は勝ち組になります。
その一方、債券は最初のうちは資金の避難先に選好されますが、米国債や日本国債はその債務者である国自体の信用が高いわけでもありませんし、QEによって流動性も低下していますので、安全資産というわけではありません。
最終的にドルや円が暴落して円債やドル債の利回りも高騰して、財政破綻を引き起こすと思われます。

オバマはそのアメリカを変えるリーダーと期待されて大統領になりましたが、諸々のしがらみや既得権益を保守しようとする右翼富裕層などの抵抗で満足な結果を残すことはできなかったと思います。よくはやりましたが、これが限界でしょう。
今度の大統領選は沈みゆく大国アメリカ再生のラストチャンスになります。

アメリカではウォール街のユダヤ資本家たちを敵に回すと選挙で勝てないといわれています。オバマはその軋轢に苦しみました。
選挙は多数決ですから、理論的には多数派が勝利するはずです。
それなのになぜ、アメリカの人口の2%弱のユダヤ人がなぜ、選挙に強いのでしょうか?
ユダヤ資本家が寡占するマスコミによるプロパガンダによって、選挙で多数を占めるはずの大衆は簡単に扇動されるからです。いわゆるメディア・コントロールです。
ゲリマンダーなどの恣意的な選挙制度変更も金の力がものをいいます。
選挙に勝てなくても、富裕層や大企業の有利な立法をするように、巨大な政治献金のよるロビー活動が行われています。スーパーPACでヒラリーなども多額の政治献金をGSなどウォール街からもらっています。ヒラリーが反ウォール街のポーズをとっているのは選挙対策のための口先だけの可能性大です。
選挙に負けて、富裕層に都合のいい法案を通せない場合でも、行政の主要な役職を富裕層の子息が独占しているので(高額な私立大学と連携)、富裕層に有利になるように、法の運用ができます。
政治問題を司法の場にもちこんでも、資本家は守銭奴の弁護士を多数雇えます。これにより都合よく法律を解釈できます。事実上の立法です。
三権分立も機能していません。

このように、一部の富裕層の自己保存・種の保存(相続の強化)という動物的・右翼的・利己的本能はいくら贅沢な生活をおくっていてもキリがないようです。これは理性や知能不足による潜在的な恐怖心が原因です。
こういう富裕層で、有名なのは、ミーゼスやハイエク、フリードマンらを教祖とする新自由主義者(ネオリベラリズム)というカルト教の熱狂的な信者である大富豪のコーク兄弟です。彼らはアメリカのティーパーティなどの新自由主義右翼のパトロンです。

アメリカの民主主義は、頭割りの1人一票の多数決ではなく、資本多数決的民主主義です実質的に資本額が大きい人ほど多くの票をもっていることになっています。
資本家は自己に有利な候補を勝たせて、累進課税強化、資本課税増加、相続税増税を阻止することを再重視します。民主主義の最重要機能の一つである富の再分配機能がこれで害されています。
アメリカでは、上位1%が持つ資産が、下位90%の資産を超え、全米の資産の40%近くを占めています。下位50%のアメリカ人が持つ総資産が全米の総資産に占める割合は、たったの2.5%です。
普通の選挙で合理的な選択がなされているのなら、下位50%が頭数で半数を占めているわけですから普通に勝てるはずです。しかし、資本多数決になれば、2.5% VS 90%で勝利になりません。わずか2%弱のユダヤ人が選挙に強いのはこのためです。かれらはNYやロス、サンフランシスコ、ワシントンといった主要都市に住み、正官民の主要ポストを独占しています。医者や弁護士もユダヤ人だらけですし、ハーバードなどの超高額の学費の大学の学生もユダヤ人だらけです。こういうところでのユダヤ人のシェアは2%弱から50%程度に跳ね上がります。

そのユダヤ人たち、ウォール街が勝たせたい候補はだれでしょうか?
やはり、それはヒラリー・クリントンでしょう。
本音をいえば、富裕層の既得権益を保守する共和党の候補が大統領になるのが理想ですが、現実的ではありません。格差の拡大が広がって社会不満が高まり、ヒスパニック人口が増加しているなかで、保守政党である共和党が勝てる確率が低下していることは彼らも認識しています。
そのため、表面上は、多少の社会保障拡充などのリベラル政策を主張しながら(選挙対策に必要)も、富裕層にとって絶対譲歩できない既得権益を保守してくれる政治家が望まれます。
かれらが守りたいのは税制でしょう。多少は社会保障の点で妥協しても、累進課税、資本課税、相続税、金融取引税などの強化には絶対反対でしょう。
ユダヤ資本家は、昔から両建てする手法を好みます。どちらかにこけても利益がでるように保険をかけているのです。戦争では当事国双方に融資します。日露戦争のときも日本とロシア双方に融資していましたし、第二次大戦ではナチスにも融資したといわれています。また、最近でも戦後、一貫して米国が、中国に軍事支援してきたことが明らかになっています。
GSなどは、共和党の候補だけでなくヒラリーも支援しています。なお、悪の権化のジョージ・ソロスは当然、ヒラリーに献金しています。
逆にウォール街は共和党でも、ウォール街を敵視する発言をしているトランプは避けたいところです。トランプは、欧州のフランスやデンマークなどの極右、日本の安部や橋下、石原などと同じ右翼ポピュリストで、ズバズバいうしゃべりが多数である大衆の知的情報弱者に受けがいいです。テレビバラエティ時代の政治家でしょう。
その前の時代でもポピュリストといえばヒットラーが有名です。
現代のポピュリストもヒットラーと同じで、大衆の怒りを向けるべき敵を設定して、敵見方の二元論の対立を煽るのが得意です。この二元論は、反骨的な左派の階級闘争や陰謀論と異なり、社会的弱者が敵として設定されるところに特徴があります。
ポピュリストは、選挙のときだけは、大衆受けのいいリベラル的な成約をかかげますが、結局は、富裕層の既得権益が有利になる小さな政府をめざすリバタリアン(その悪化強化版であるネオリベラル)であるところが共通しています。
トランプも結局、資本家です。トランプがもし勝利したら、かれに投票した、典型的な知的弱者であるマッチョな白人労働者たちは自分たちの首をしめることになるでしょう。

アメリカは、戦後、家電の普及によって主婦の労働時間が減少しました。その女性を労働市場に投入して資本収益率を高めようとしたユダヤ資本家によって、フェミニズム思想が教育の場で刷り込まれてきました。そのため、年配の女性の間ではまだまだヒラリーは人気があると思われます。オバマのときは、初の黒人大統領というコンセプトで大衆にアピールしたのが成功しましたが、今度は初の女性大統領という点でアピールできます。
逆をいえば、ヒラリーが女性ではなく、クリントンの妻でなければ候補にあがることすらなかったと思います。
ヒラリーは、対中国など外交面ではタカ派に傾倒しています。このため、共和党支持者のなかでも、保守的な資本家、軍産複合体のネオコン・シオニストたちにも受けがいいと思います。
ヒラリーは夫のクリントンと同じで、赤いリベラルの皮を被った右翼といえます。

今回の有力な大統領候補のなかで、一番、過激な政治思想をもつのは、ティーパーティのテッド・クルーズでしょう。
彼は、生粋の新自由主義者(ネオリベラリズム)です。新自由主義者は、リバタリアン(古典的自由主義者)のNEWタイプですが、その思想はほとんど同じです。
経済的自由権を絶対視し、小さな政府の夜警国家を理想とし、市場の放任(レッセフェール)の当然の帰結である富の集中・格差拡大(ウィナーテイクオール)を才能と努力の結果(本当はほとんど相続と運)として全面肯定するのがリバタリアンです。
右翼は、利己的な自己とその子孫の権利利益の防衛本能からスタートして、その防衛本能を血縁から地縁(その究極が国民国家)や宗教という自己と同一視できるものにまで拡大した思想です。古典的な右翼は、王族や貴族や組織的宗教家が自らの権益を保守するものでしたが、近代になって、新興して力をつけてきた資本家が、古典的な右翼勢力の既得権益の一部を、革命などによって経済的自由権などの私的保有権を認めさせることで奪うことになります。そほ後、資本家たちはその獲得した資本を保守するために、かつては利害が対立していた右翼陣営に新たに加わることになりました。これがリバタリアンです。
かれらは国の介入を嫌います。そのため、国よる金融政策や財政政策を否定します。
中途半端に頭のいい人がリバタリアンになったりしますが(本当にかしこい人はリベラルに最終的に変節しますが)、かれらは財政政策や金融政策の批判は得意です。それには説得力もあります。しかし、それがダメだからリバタリアン的な思想が正しいと主張するところに論理的飛躍があります。人は合理的でもなけれな市場は効率的でもありません。神の見えざる手や創造的破壊というのも、ブラックボックスのマジックですべてうまくいっているというにすぎず、その理論的、実証的な証明はなされていないのでその主張に説得力はありません。
このリバタリアン思想は、戦後、知的論戦に破れて下火になっていましたが、1970年代保守革命としてソンビのように復活してきました。それがネオリベラルです。
従来のリバタリアンのように市場の自由放任にまかせず、富裕層が支配する政治による市場介入を強化して市場による富の集中機能を更に強化し、そのために、自由市場競争をグローバルに拡大して、資本主義の成長の利潤をひたすら求めながら、自分たちの既得権益への脅威である左派に対して敵対心をむき出しにし、価値観の多様化を認める左派へのアンチテーゼとして対抗文化批判と伝統的文化の強調するのがネオリベラルです。
もっとも、ネオリベラルは、チリでの失敗、その後のアメリカとイギリスの産業の空洞化とバブル崩壊の繰り返しを通じた衰退をみればわかるようにうまくはいっていないようです。同じ時期に不況に陥った北欧諸国は米英の保守革命とは180度逆の社会福祉国家を目指しましたが、一人あたり時間あたりのGDP成長率で米英を上回った成功をみせています。

新自由主義は、自由という言葉がついていますが経済的自由権を絶対視する点で、社会共通の利益である社会権や精神的自由権に経済的自由権が劣後するというダブルスタンダードをとることが通説の立憲民主主義的思想に反しています。憲法学の世界では、新自由主義が間違いであることは決着がついています。消極的自由権から積極的社会的自由権への人権の拡張、自由主義的国家から社会福祉国家への発展は人類社会の進化です。その事実を否定することは、過去の歴史で流された多く人の血と汗をないがしろにすることになります。この社会進化(ミームの進化)は、多くの先人の知恵の集約です。新自由主義はその後退です。
経済学からみても、新自由主義は、倫理面や理念の点だけでなく経済的合理性の点からも問題が多く、今ではブードゥー経済学と化しています。その創始者であるハイエク(オーストリア学派)や、ミルトン・フリードマン(シカゴ学派)は、規制緩和、民営化、金融化を推進し、ユダヤ資本家たちの財布をふくらませてきたご褒美としてノーベル物理学賞を受賞しましたが、いまでは珍説扱いといっていいでしょう。格差拡大は、過小消費理論により個人消費を減少させて経済全体の成長を阻害し、そのパイを縮小させます。
リバタリアンは私的所有権を最重要な権利に位置づけていますが、ブッダは、人間はその身体も含めてありとあらゆるものを所有していないと指摘しています。それは悟りを開いた人がたどり着く真理のようです。ブッダの教えによれば、所有権は執着を生み、人を不幸にします。最近ブームの断捨離やミニマリストなどはその思想の現れといえます。
また、リバタリアンは、市場の自由競争を重視して、報酬や競争のインセンティブを過大評価しがちですが、アルフィ・コーンらが指摘するように、そういうインセンティブは刹那的には効果があっても中長期的には、結局、社会全体のマイナスになる点も無視できません。ゲーム理論的にみても競争よりも協力が正しい選択であることは世の中多々あるのです。
実際、小さい政府のアメリカよりも、大きな政府の北欧などのほうが一人当たりの時間当たりの生産性が高く、また、最近では起業が多くなっています。
大きな政府を採用した社会福祉国家ほど、社会保障がしっかりしてセーフティネット(安全網)が整っているので、個人は失敗したあとの心配がなく積極的にチャレンジできるわけですから当然といえるでしょう。成功するのはごくわずかの運がいい人だけです。成功した人と同じかそれ以上の才能があり努力した人で成功しなかった人は、スポットライトがあたらないので少なく感じますが、実際は成功した人とは比べられないだけいます。
それはポジティブなオプティミストの墓場です。
イメージと異なり、アメリカの起業は最近では減少して中小企業の数も減ってきているようです。この点でもルードヴィッヒ・ミーゼスの仮説は間違っていたようです。
投資銀行、シリコンバレー、MBA、コンサルといった言葉はそろそろ胡散臭い言葉の代名詞のようになってきました。
さらに、スティグッツらが指摘するように、人類に大きな効用をもたらしたイノベーションの多くは、刹那的な利益を求める民間ではなく、公の機関の基礎研究から誕生していることも指摘できます。アップルやマイクロソフト、FBなどは、ビジネス的には成功し、既存のアイデアを組み合わせた(パクリともいう)という点でクリエィティブであったと評価することはできますが、なんら特段のイノベーションはなく、人類社会の効用の付加には寄与はなかったと思います。アップルがなければ他の会社がやっていただけです。その場合はもっといいものを消費者は手にできていたかもしれません。

ハイエクが、「市場は競争的な知識の発見・伝達・利用のメカニズム」であると指摘したことは正しいですが、政府の介入、民主的コントールなしにはそのメカニズムが効率的に機能しないことを理解していない点で間違っていました。

民主主義や市場は多数の意見を集約する手段ですが、それは万能ではありません。市場は選挙制度に基づく人の決定や市場での売買は利己的かつ不合理であって不完全だからです。
弊害があって批判が多いもののペーパー試験などの知性・知識の淘汰集約に基づいたエリート官僚制などがそれを補います。
利己的(自己保存、種の保存)な自己防衛本能が右翼の自己決定の基準となるヒューリスティックですが、その利己的な自己決定も、ダニエル・カーネマンらが指摘するように必ずしも合理的でも効率的とはいえません。そのため、自分の権利や利益を保守する判断をしたつもりが、かえって自分の利益を害することもあります。ゲーム理論や人間万事塞翁が馬です。因果関係も複雑系であり、個人の合理的期待に基づく決定はあてになりません。それを自己責任で片付けることはできません。
人が合理的であることを前提に、その判断の集約である市場原理に絶大なる信頼を置く点でもリバタリアンは間違っています。

テッドクルーズは以上の様々な欠点を持つリバタリアンの典型です。ちなみに彼の嫁はGSに勤務しています。
かれの政策は、小さな政府と新自由主義を支持、米国愛国者法の再法制化、銃規制に反対、進化論を否定、国民皆保険制度に反対、逆進的な均等税の導入、イスラエルとの同盟強化などです。
すべての政策判断が、時代と逆行しており合理性のかけらもありません。
問題外の候補といえますが、もしアメリカ人が彼を選んだら、アメリカの衰退は100%確定でしょう。民主主義は終わりです。
なお、クルーズは、FRBを批判し、金本位制度への移行を訴えています。このブログは金投資を推奨していますが、クルーズのように中銀を廃して、昔のような金本位制度を採用すればうまくいくとは思っていませせん。
各国中銀は国有化してその存在は維持すべきだと思います。
その上で、将来的にはドル崩壊後、世界の新基軸通貨としてのバスケット通貨(SDRやバンコールの強化版)が必要となってきますが、その一部に金を組み込む一部金本制度は妥当だと思います。
そのため、世界全体を統合した中銀が新たに必要になってきます。それは当然FRBではありませんし、IMFでもBISでもありません。

共和党は消去法でルビオ氏が候補になる可能性が高いようです。かれは移民の子供なのでヒスパニック票を得ることも期待できます。もっとも一般的に貧しい移民とは異なり、彼は大富豪です。かれは、共和党の保守本流で、戦争と金持が大好きな典型的なネオコンですが、他の共和党の候補のなかでは穏当であることは、他の候補が過激で異常なだけにそれだけで個性となり武器となります。民主党としては一番やりたくない相手でしょう。
共和党の候補がルビオになった場合、民主党はヒラリーでは勝てないと思います。
党内では圧倒的な支持をうけるヒラリーですが、民主党は勝ちたければバーニー・サンダースを推すべきだと思います。

ユダヤ人でありながら、ユダヤ資本家に抵抗する唯一のリベラル候補がバーニー・サンダースです。名前はアメコミのヒーローですが、見かけは普通の白髪のじいさんです。
議会制民主主義の欠点のひとつは、見かけのいい候補者が圧倒的に有利ということもあげられます。
アメリカではJFケネディのように育ちのよさそうな若々しいナイスガイが理想とされています。身長が高く、ルックスのいい候補者が圧倒的に有利です。
政策の内容や演説の内容よりも、しゃべり方とかいうノンバーバルコミュニケーションが重視されます。
米歴代大統領のなかでIQの低さが歴代最下位レベルにあるとみられているレーガンや子ブッシュも長身ですし、ルックスはマッチョなジョックで悪くありません。
中国でも、政治家は精力と若さを示すために、髪を真っ黒に染めるようです。
日本でも安部総理などが同じことをしています。
小沢一郎に「担ぐみこしは軽くてパーがいい」と評され、安倍晋三とならんで戦後もっとも日本の国力を損ねた最悪な総理大臣である中曽根康弘も、頭こそ薄いものの日本人の政治家にしては背が高く、精力が強そうなルックスをしていました。

その一方で、白髪のサンダース爺さんは見栄えはぱっとしません。
しかし、若者に圧倒的な支持を得ています。
アメリカの50代以上の世代は、戦後のレッドパージ教育で洗脳されて、共産主義や社会主義に対してアレルギーがあります。しかし、インターネット世代で正しい情報にアクセスできる若者はそうでもないようです。ケネディらの時代のテレビ討論ではノンバーバルコミュニケーションが重要ですが、ネット社会では活字の情報がより重要になります。
その一方で、ヒラリーは年配者に圧倒的支持があります。
アメリカの民主党は共和党に比べると左寄りというだけで決してリベラルではありません。アメリカの2大政党には、左派政党は存在しないのです。これは日本の民主党が純粋なリベラル政党でないのと同じです。イギリスもそうですが、小選挙区を採用して2大政党になると、2大政党のうち相対的に左派の政党は右傾化します。既存の純粋な左派政党は、二大正当化したことで弱小化します。そうなると国全体が右傾化します。
以前は自民党内にも左派がいましたは、河野や加藤の乱の失敗、小泉による抵抗勢力のレッテルばりなどでほぼ淘汰されました。政治の世界ではどうしてもマッチョでテストステロンが強く攻撃的な右派が権力・政局闘争で強いのです。
その右傾化しているアメリカの民主党のなかでも、絶滅危惧種であるリベラル派がバーニー・サンダースです。逆にヒラリーは逆に共和党の穏健派以上に右派です。
年配者が富裕層であるという世代間の断絶≒階級闘争という構図は、世界中の先進国でみられます。将来の消費を先取りして債務のツケを将来に先送りし、贅沢三昧の過剰消費をしてきた年寄り世代は、自分たちが、ためこんだ資産を再分配されるのではという恐怖からリベラルを嫌います。実際、世代間の断絶というのは幻想で、同じ世代の間でも格差が拡大しています。
老人が若者にすべてを奪われるという恐怖に煽られて保守政党に投票するのは、情報へのアクセスを阻害されてただしい政治判断ができないからです。彼らが情報にアクセスできるために馴染んでいる既存のマスメディアは右翼資本家によって寡占状態にあります。
また、国務長官などを歴任したヒラリーの過去の実績を年配者は支持しているという意見もありますが、彼女はイラク戦争に賛成して無辜のイラク人を何百万も殺したA級戦犯の1人です。
さらに、年配者は、フェニズムを刷り込まれた世代という点で、女性であるヒラリーを好意的にみているようです。

アメリカにとって一番、重要な政治テーマは格差問題です。
これに対しては、バーニーは累進課税の強化をあげています。ピケティが実証してみせたように、リバタリアンが理想とする資本主義・市場経済の自由放任の帰結は格差拡大です。
これを修正するには、ハードな革命かソフトな税制改革しかありません。
つぎにアメリカで重要な問題は、格差問題に付随するものですが保険医療の問題です。
国民皆保険の導入がなければ、アメリカ社会は暴動や内乱で、近いうちに崩壊するでしょう。貧困のために病気の治療が受けられないのは悲劇としかいいようがありません。患者だけでなく、その家族を不幸のどん底に落とします。それは怒りを膨張させて、社会を不安定にします。肥満大国のアメリカの健康指標は欧州や日本など他の先進国に比べて著しく劣っています。これからこの理療費が高騰していきます。しかし、それを減らすことはできないのです。アメリカは、弁護士もたくさんいますが、医者や看護婦も日本に比べて(日本は逆に少なすぎる?)、患者一人あたり5倍近い数がいるそうです。市場原理からすれば株が増えれば人件費が下がるはずですが、彼らの報酬は高いままです。そうしないと投資した巨額の学費をペイできないからです。
ロビー活動によって手厚く、賃金体系は守られていると思います。新自由主義者のいう、規制緩和、構造改革、市場開放は、弱者から搾取する場合だけ肯定され、逆の場合は、規制は守られることになります。
また、医療費高騰の原因は人権費だけでなく、ロビー活動によって整備された知的財産法で守られた製薬会社や医療機器メーカーのレントもあります。
いずれ、この医療費バブルもはじけて、それが不動産バブル崩壊による家賃や帰属家賃低下とあいまって、サービス業全体のデフレ圧力になると思いますが、それでも高齢化によって増える医療費負担を相殺できません。社会不安をおこさないためにも増税は不可避になると思います。
オバマケアは一歩前進したといえますが、多くの譲歩を強いられて不完全なものです。
バーニーはこれをさらに進めて、他の先進国と同じような保険制度を導入することを公約に掲げています。これには財源として富裕層に対する増税が必要です。アメリカの富裕層の所有する民間財産は膨れ上がっています。ヒラリーはこれに手をつけることは非現実的だといいますが、今のごく少数の富裕層の巨額な資産を守り続けるほうが非現実的といえるでしょう。
代表なくして課税なしといいますが、バーニーが選挙で勝って代表になればそれが可能です。手続き的・技術的な障壁はまったくありません。
アメリカのもうひとつの課題は、これも格差問題に付随する問題ですが、教育格差の問題です。
アメリカは、新自由主義の帰結として、大学の学費が異常に高騰して、大金持ちの子息しか大学に進学できなくなっています。
アメリカはチャンスの国、アメリカンドーリームの国といわれていたのはもはや都市伝説です。
いまではアメリカは先進国でももっとも成り上がりが困難で、階層が固定している国です。
アメリカ社会は才能や努力で階層移動するにはどうすることもできない壁があります。スタートラインが違うのです。結果の平等だけでなく機会の平等すらもはや存在しません。
機会の平等を結果の平等より重視し、才能や努力を過大評価するリバタリアンですが、かれらのいうように市場に自由放任させた結果がこれです。
バーニー・サンダースは、公立大学の無料化を公約に掲げています。
欧米諸国では高等教育が無料なところが多いですが、それにあわせた形です。
これが実現すれば、下降し続けるアメリカの労働生産性に多少はブレーキをかけることができると思います。
また、外交面では、バーニーは、ロシアが米国の最大の脅威であるとは考えないと述べています。この点が共和党の候補やオバマらと異なります。
バーニーは、最大の脅威は北朝鮮だと認識しています。
アメリカの軍産複合代にとって北朝鮮は、東アジアでのアメリカのプレゼンスを維持するために貴重な存在でした。それで日本や韓国の占領を継続する口実になりますし、日本に型落ちのモンキーモデルの武器をぼったくり価格で売りつけることにも寄与します。
PAC3やイージスなんかで迎撃できるミサイルは、旧来型の弾道ミサイルに限定されています。しかも、その命中率は低いものです。ミサイルは安価ですが、その迎撃は高くつきます。
その北朝鮮のロケット技術は米国が供与しているとも言われています。
軍産複合体やネオコン、シオニストの巣窟である共和党にとって、北朝鮮は生かさず殺さずの状態を維持しておきたいところです。民主党も程度の差こそあれ、同じでしょう。
しかし、イランやシリア、イラクが米国本土を攻撃する能力がないのと異なり、北朝鮮はそれが可能です。
米国民の安全にとって最大の脅威が北朝鮮であるというバーニー・サンダースの認識は正しいものです。
そのためには、ロシアや中国と連携する必要があります。
中国やロシアと喧嘩腰で外交音痴の平和ボケしたヒラリーでは北朝鮮問題に対処できないでしょう。

日本の戦国時代、ユーゴスラビア崩壊後のバルカンなどをみればわかるように、小国の国民国家の支配者が、愛国主義、民族主義といった保守的な利己主義に走ると、戦争ばかりになって経済は成長せず、民衆は不幸になります。
理想は、世界中の国民国家を解体して一つの統一国家を樹立することです。
欧州は小国にばらばらにわかれていますから、世界でもっとも戦争が激しい地域でした。
そのために近代では、武器の技術が他の地域よりも早く進化して、それが新大陸の侵略に一定の寄与をしました。しかし、欧州は結局、二回の大戦で廃土となりました。その反省で統一政府を志向したのが、EUでありユーロです。
一方、中国とインドは、もっと早い段階で統一に成功しています。そのために言語も統一化されて、民族の細分化を避けることができています。
世界人口のうち、これだけ多数の人口が、ひとつの政府形態のもとで統一できているのは奇跡的でしょう。
もっとも、これだけ多数の人口になると、いわゆる議会制民主主義での政治運営は困難になるようです。
先の大戦が終わり、内戦を経て、同じ時期に植民地支配から脱した、インドと中国ですが、その後、数十年間で大きな差がついています。
議会制民主主義を採用したインドは、資本家に対する税率が低く、そのため、保険医療・教育に対する国からの支援は脆弱です。生産性も低いままです。
一方、民主主義を採用せず、共産党一頭独裁、エリート寡頭制(個人の独裁ではないので実質的な合議制)を採用した中国では、インドよりも、社会福祉に厚く、最近までは成長率も大きく上回っていました。
人口の多い中国では、多数派の民衆は、統治者に対して、不満がたまると蜂起して内乱を起こす歴史を繰り返してきたので、中国では、選挙制代議制民主主義を採用する欧米諸国よりも、もっと民意に忠実でそれを代表しないと政治を安定化させることができません。
チャーチルの「民主主義は最悪の政治形態と言うことが出来る。これまでに試みられてきた民主主義以外のあらゆる政治形態を除けばだが」というセリフは有名ですが、消去法ですら民主主義が相対的にマシといえるかは、最近の、世襲資本主義に支配された資本多数決的議会制民主主義のもとではわからなくなってきました。
こんどの、米大統領選は、アメリカ再生の最後のチャンスになるだけでなく、民主主義復権の最後のチャンスになるかもしれません。
これは、暴力による革命(階級闘争)ではなく、選挙による革命です。
この革命に失敗すれば、あとは暴力による革命がいずれおこることになります。


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[ 2016/02/08 00:07 ] おすすめ | TB(0) | CM(0)
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