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マイナス金利がもたらす金利生活者(不労所得者・金持ち父さん)の安楽死、株式200年の歴史の終焉


株式市場やドル市場などリスク資産市場に底なしの危険が蔓延してきました。
株バブルが終われば、欧州の銀行だけでなく米国の銀行、そして米国経済も終わりです。
もちろん、米経済と一蓮托生の日本も終わりです。安部と黒田は売国奴として歴史に名前を刻むことになります。
エスタブリッシュメントたちは、株価を支えるためならなんでもやってきます。サンクコストを取り戻す自己保身のためです。
ドラギの追加緩和示唆、黒田のサプライズのマイナス金利導入、イエレンの議会証言でのマイナス金利検討でも、下げ止まらず中銀の市場コントロールに翳りがみえていますが、まだ手はあります。
日銀は覆面介入でドルの買い支えをしているようです。普段はNY時間にやっているようですが、危なくなった欧州時間に前倒しに仕掛けてきました。
ドイツ銀行も6070億円相当の債券買い戻しの計画を発表しました。これで、当面は下げ止まった感じです。
もっとも、銀行信用の低下の本質は、デレバレッジによる収益力の低下です。債券買い戻しは、これに対する抜本的な解決にはつながらないでしょう。信用危機、銀行危機、システミックリスクはこれからも続きます。
ナシーム・ニコラス・タレブは、ヴォルフガング・ショイブレがドイツ銀行には心配がないと発言するまでは、ドイツ銀行に心配がなかったと発言しています。
さらに、米小売売上も極端な季節調整で、下駄を履かせてきたようです。
The Curious Case Of The "Strong" January Retail Sales: It Was All In The Seasonal Adjustment

米経済指標は中国のそれ以上に信用できません。最近ではなんでもありになってきているようです。

NY市場は引けにかけても、いつものように自社株買いの弾幕が厚いようです。
もっとも、この株式PKOはいつまでも続かないと思います。
巨大な債務の縮小、投機のデレバレッジ、資本収益力の低下の圧力の前には、焼け石に水でしょう。

株式のイノベーションは人類にとって両刃の剣でした。
株式は、社会に散財する少額資本を集結して大規模な事業を可能にすることに成功しましたが、その一方で、富の集中・独占を生み、それが市場を歪ませました。市場の価格発見力は失われ、公正な競争が行われなくなりました。
富の集中は、社会不安、戦争を引き起こしました。このように、株式は、急激な成長を可能にしましたが、その反動も大きくなっています。
株式による富の集約は、大量の不労所得者である資本家を生みだしてきましたが、この富の集中(格差の拡大)も今現在飽和状態(資本貯蓄の黄金率の上限)にあります。ケインズは、大量の資本を貯蓄してその閾値を超えると収益率が消え、金利生活者は安楽死するとしています。膨張した資本の収益力が落ちるのは、需給法則からして当然の帰結でしょう。
最終的には富は飽和させるので、資本収益力はゼロになります。それが今の流れです。そうして株式は死にます、

確かに、ジェレミー・シーゲルなどが引用する長期チャートでは、株式のパフォーマンスは債券やキャッシュ、金のそれを大幅に上回っています。
しかし、これはインデックス全体にいえることで、個別の企業の株には該当しません。株式会社の盛衰は激しく、その寿命は人間より短いものです。10年、20年先、アップルやFB、マイクロソフトなどの企業が生き残っているとは限りません。個別の株の超長期ホールドはむしろ失敗する可能性のほうが高いといえます。
それなら手数料などの安いETFによる長期インデックス投資がいいかといればそうでもありません。
ジェレミー・シーゲルの引用するチャートで右肩あがりに株の利回りが上昇しているのは、95%が配当によるインカムゲインによる寄与で、株価値上がりによるキャピタルゲインではないのです。
この配当利回りは、資本収益力の低下に伴い、今後低下することが予想されます。

中銀のマイナス金利導入は資本利潤率が低下する資本主義の当然の帰結といえるでしょう。
確かに、黒田の狙いは、ドル高誘導して株価を釣り上げ資本主義を延命させるというもので、これは低下する資本収益力という流れに逆らうものでした(結局、銀行の信用不安を上昇させて、ドル売り株売りになり黒田の狙いとは今のところ逆効果)。
しかし、中長期的には世界経済にとってプラスになると思います(それは黒田の本当の狙いではありませんが)。それは低下する資本利潤率という流れにそったものであるからです。

右翼やリフレ派は確証バイアスで安部や黒田などのやることならなんでも褒めます。
今回のマイナス金利も、当座預金の付利という補助金をもらって貸出をしないというストーリーで銀行を悪者扱いして、黒田絶賛です。
しかし、当座預金の超過準備への付利は、リフレ派が絶賛している量的緩和と表裏一体のものです。
量的緩和は、国債を、政府から直接ではなく、銀行(市場)という藁人形から、間接的に購入するから、マネタイゼーション・財政ファイナンスではないという建前(屁理屈、脱法手段)をとる必要があるためです。
付利がなければ、銀行は日銀の買いオペに応じず、札割れになってしまいます。
また、銀行同士の当座預金の間の資本の流通速度が上がらず、マネタリーベースが死蔵、退蔵しているのも銀行が悪いわけではありません。銀行は目一杯、貸出金利を下げていますが、借り手がいないのです。
かといって借り手が不合理なわけでもありません。
趨勢的に低下する労働生産性と人口動態からして、日本はこの先の成長は期待できません。成長がない以上、投資先がないのです。なんとなく不透明な将来不安のために、投資に慎重になっているというわけではありません。
当座預金がマイナス金利になって、融資先もないとすれば、金融機関は運用のために資金を動かさざるを得なくなります。
国債の金利は短期から長期にかけて、順番にマイナス圏に沈んでいきます。
債券の利回りが低下していくと、電力や通信、医薬品などの、定期的なキャッシュが見込める高配当の内需系、ディフェンシブ株にマネーが集まっていきます。
そうして、そういう銘柄の配当も少なくなっていきます。
国内で投資先がなくなると、まだまだ金利が下がる余地のある米国債に流入していきます。米株の利回りが低下すれば、米国の高配当株にマネーが流入するでしょう。
でも、結局、米国も日本と同じで今後成長のポテンシャルがありません。先進国の中銀が供給したジャブジャブのマネーはいずれ飽和して、先進国の債券市場や株式市場からのリターンをゼロにします。不動産やREITも同じでしょう。
潜在成長力を上回る、株式や債券、そして不動産のバブルは、一定の資産効果を生みましたが、いずれ、資本の利払い負担の増加(個別の資産の利回り自体は低下していくが、利払い額全体の規模は膨張する)に、成長から得られる所得が追いつかなくなります。
たとえば、今現在、S&P500種採用企業の利益成長率はマイナスになっていますが、それで配当がでるというのはいつまでも続きません。
その限界のミンスキー・モーメントの閾値に今現在達しています。これからはデレバレッジとバブル崩壊のリバースがあります。
バブルによる資産効果の恩恵を受けていたのは一部の資産家でしたが、逆資産効果は社会全体、GDP成長に大きなダメージを与えます。
結局、先進国のバブル崩壊で、先進国のじゃぶじゃぶ資本(マネー)は、先進国内では、実体経済市場でも金融市場でも、どこにも行き場をなくします。結局、労働生産性と人口動態の点で成長ののびしろのある新興国に流れ出さざるをえなくなるとおもいます。
中国が主導するAIIBの狙いはそこです。新興国や途上国ではまだまだインフラのための資金需要があります。本来ならそこにマネーが集まるべきなのに、中銀が市場に介入して、成長がとまった米国を筆頭とする先進国経済の延命のための資産バブルにマネーが流入していたのです。
アベノミクスの狙いは、円安誘導して、米株、米債券を買い支え、そのトリクルダウン効果で日本の株式市場をささえようとするものですが、これは間違いです。
しかし、結局、そこで失敗した結果、日本の円が新興国にながれるようになれば、資本収益は確保できます。そのためには、それまでできるだけ円高、デフレを維持するのが望ましいです。
日本は年老いた国ですから、これから、無茶なチャレンジをして無理な成長をめざすよりも、これ以上の成長がないことを自覚し、これを前提として戦略が必要です。いままで貯めてきた資本の有益な利用が必要です。無理な成長をめざせばハードランディングでさらに成長の減速を加速させるだけでしょう。

200年間、右肩上がりに利回りが上昇してきた株式ですが、資本収益率がゼロに近づけば終焉です。
一方、収益を生まない金は、人や社会、支配者や会社、制度は変われど、6000年、淘汰されず生き残ってきています。
支配者がころころ変わる国民国家が発行する債券や、人よりも寿命の短い会社が発行する社債や株式とは違います。
資本収益力があった資産(株や債券)は、その収益力が低下すれば、その価格も下がります。金はもともと収益力がないのでそのおそれはありません。
不動産も過去の歴史をみればその価値は普遍ではありません。都市部のバブルもいずれはじけます。また、先進国は今後人口が減少していくことを考えると土地の価格が維持できるとは思えません。土地からの資本収益率も下がっていくからです。
個人の移ろいやすい評価に依存する美術品や、宝飾品、骨董品、コインといった実物資産も価値を保存しないでしょう。そういった嗜好品は、不景気になれば真っ先に売られるものです。
資産の価値(労働の対価、購買力)価値を保存できるのは、金だけです。
他の貴金属もありますが、金以外を買うメリットはそうないと思います。
プラチナよりはパラジウム
パラジウムよりは銀
銀よりは金です。
金投資はできるだけ、まじりっけのない純金に近いもの、人に対する債権を介さない直接の所有権に近いものに投資するのが望ましいと思います。
稀少金貨よりは、鉱山株
鉱山株よりは鉱山株ETF
鉱山株ETFよりは、金先物
金先物よりは、金CFD
金CFDよりは金ETN
金ETNよりは金ETF
金ETFよりは金地金や金貨などの現物です。
もっとも、現物はいよいよ経済が末期症状になって雲行きが怪しくなってからでいいと思います。
手数料や流動性を考えると、その一歩手前の金ETFが手頃だと思います。今のところまだETFで大丈夫だと思います。


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[ 2016/02/13 21:07 ] おすすめ | TB(0) | CM(1)
金本位制というのはオーストリア学派の伝統的主張ですね。
主流派経済学でも主張する人は一定数いますが
[ 2016/02/20 00:53 ] [ 編集 ]
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