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第三次世界大戦、阻止限界点、2つの決戦


シリア北部、トルコ国境に近いシリア第二の都市、アレッポは長い地上戦で疲弊しています。
第二次世界大戦で、ロシアやウクライナ、ポーランド、ドイツ、中国、フィリピンなどとの相対比較でいうと、日本の犠牲者が、大幅に限定されたのは地上戦の舞台にならなかったからです(沖縄は除く)。
地上戦でも、特に人口の密集した市街戦は悲惨です。
アメリカ、イスラエル、トルコ、サウジらが支援する反政府軍がアレッポに侵攻後、アレッポでの戦いは、長期にわたっています。
住人の多くは街を捨てて難民となっています。
かといってものけの空というわけでもなく、まだ、民間人が(半軍人?)いくらか残っているようです。
もともと、ここの戦いは、アメリカ(ネオコン、シオニスト、軍産複合体)、トルコ、イスラエル、サウジなどの湾岸諸国に支援されたアルカイダ系の反政府軍(ヌスラ戦線と自由シリア軍連合の傭兵部隊)と、イラン、ロシアに支援されたシリア・アサド正規軍の戦いでした。
途中、イスラーム国も戦いに加わり、三つ巴(実質はアルカイダ反政府軍とイスラーム国は同盟関係にある)の戦いになっていましたが、イスラーム国がロシア旅客機を撃墜し、ロシアが本格的に空爆を開始してからは、イスラーム国はアレッポ周辺からは駆逐されています。
いま現在、アレッポの戦いは、元通り、アメリカを盟主とするアルカイダ反政府軍VSロシアが支援するシリア・アサド正規軍の戦いになっています。

ここにきて、ロシアが制空権を確保したことで、シリア・アサド正規軍はアレッポ奪回に向けて攻勢に転じています。
これに対して、トルコはロシア攻撃機を撃墜しました。これは計画的な攻撃であったことがすでにウィキリークスによって暴露されています。わずか数秒の領空侵犯は攻撃理由になりません。一定期間、とどまり軍事行動などの敵対行動を示す必要があります。それが国際慣行です。
オバマも、マケインなどのネオコンに煽られて、南沙諸島周辺で中国やベトナムやフィリピンが支配を主張する海域に駆逐艦を派遣する「航行の自由」作戦をしぶしぶ実行しましたが、これは、単なる直進ですから問題がありません。一隻の駆逐艦でどういう軍事作戦を実行できるというのでしょう。一瞬で撃沈されておわりです。
中国も一応、自国の右翼がうるさいのでく当該駆逐艦を追尾しましたがこれもポーズです。
トルコのロシア機攻撃は、領空侵犯のわずかなタイミングを狙ったまちぶせ攻撃です。ロシアがトルコに軍事行動を示してたわけではないので攻撃理由になりません。

アメリカ側は、アレッポ包囲で民間人に多くの死者がでている、ロシア軍が民間の病院を攻撃しているなどのプロパガンダを展開。
これに対して、ロシアはアメリカの無人機やA10がアレッポを空爆していると主張。
どっちも大儀は対イスラーム国攻撃のはずですが、彼らはもうすでに、ボコボコにやられてこの地域から徹底しています。アメリカやロシアが空爆しているのは、それ以外の部隊です。
このカオスの戦いに、イスラーム国をコバニの激戦でやぶったクルド軍が参戦。北部から南下して、アメリカが支援する反政府アルカイダ軍に攻撃を開始しました。
北からクルド軍、南からシリア・アサド正規軍に挟撃されて、北クルド地域一帯を支配している反政府アルカイダ軍は補強線が絶たれて絶体絶命の状況です。
ここをとられると、トルコから、アレッポの反政府アルカイダ軍、そして、そこからイスラーム国への兵站線が遮断されます。
アメリカ、サウジ、カタール、イスラエルから反政府アルカイダ&イスラーム国への支援はおもにトルコからなされています。
アレッポが陥落すれば、その主要なルートが失われます。さすがにイスラエル経由のルートは、体裁上、トルコや湾岸諸国は利用しづらいのです。
アレッポは昔から、交通、軍事、政治、経済の要衝です。
ここを奪回できれば、シリア戦線は一気に政府軍が有利になります。アレッポ奪還が既成事実化してしまえば、それを再度奪いかえすような大規模な介入はさすがに厳しくなります。これは地域の安定化、ひいては、大国間の戦いがエスカレートすることにブレーキをかけることに寄与します。
ここにきて、追い詰められたトルコとサウジアラビアは、連携してシリアに地上軍投入の準備を開始。
トルコ軍は国境に、機甲旅団、機械歩兵旅団を集結。制空権に劣るトルコを支援するためにサウジは空軍をトルコの航空基地に派遣。
そして、ついに、トルコ軍は、アレッポ北部のクルド軍に砲撃開始。

トルコの背後にはNATOがいます。NATOの盟主はもちろんアメリカ軍です。
アメリカはアジア太平洋シフト(リバランス戦略)するとかいっていますが、やはり重要なのは西です。
極東などはぶっちゃけどうでもいいのです。配備している戦力が違います。これは第二次大戦のときから変わりません。
日本は見捨てても、同じ白人である欧州はかれらの既得権益の故郷ですから守りぬこうとするのでしょう。
一方、ロシアが安全保障上恐れるのは、NATOと海上封鎖です。
ソ連は、NATOの拡大をしないことを条件に冷戦集結に合意しましたが、アメリカはこれを反故しました。NATOの米軍は今後、3倍に増強される予定です。ポーランド、バルト3国、そして、ウクライナ…、NATOはどんどん、東に勢力を拡大していています。
米海軍による海上封鎖を恐れるのはロシアも中国と同じです。
不凍港のあるクリミアは絶対譲れません。中国やロシアは広大な陸地と多くの人口をもっていますので、米軍の地上侵攻に対しては天然の要害といえますが、中国は国土に比して海岸線が短く、また、ロシアは不凍港をもたないので、海軍力のある米国からの海上封鎖をおそれています(もっとも、対艦巡航ミサイルの技術的優位によって米海軍のアドバンテージはすでに消滅しつつありますが)。
ロシアがシリアアサド政府軍を支持するのは、同盟国であるシリアにロシアが港を持つからです。ロシアはアゼルバイジャンや、イイラン、イラクと親密な関係あるのでここを経由してシリア、そして、地中海への補強線を確保したいのです。
これに対して、サウジやカタールは、シリアのアサドを倒して、自分たちの有利な傀儡政権をつくり、シリアを経由して地中海から欧州に繋がるガスパイプラインをとおしたいのです。
西洋文明の発祥地であるものの、石油がとれないシリアに、多くの国の軍隊が集結して戦いを繰り広げているのは、シリアが地中海に面しているという地理的優位性にあります。
イスラエルが海岸線を抑えていることがシリアの悲劇でした。
そして、イスラエルは、パレスチナを支援するアサドが邪魔です。

ロシアにとって、トルコと関係が悪化してボスポラス海峡が封鎖されることを考えると、いまでは、ウクライナのクリミアやオデッサの港よりもシリアのタルトゥースやラタキアといった港のほうが重要です。
プーチンは、海上封鎖に対抗するため、絶対にシリアで妥協することはないといえます。南下政策、不凍港の確保は昔からロシアの絶対生命線だからです。
アメリカのネオコンや軍産複合体は、地政学リスクが高くなればなるほど、利益や権力を得ることができます。彼らの既得権益を維持するには、戦争の脅威がいつだって必要です。
だから、ロシアが絶対譲れない部分をあえて脅かすことでロシアを挑発しているのでしょう。

もっとも、軍産複合体やネオコンとは一定の距離を置くオバマは、これは本格的にやばくなってきたということで、プーチンに電話。
休戦を模索したところ、プーチンもやぶさかでないようです。今現在はこの状態です。
もっとも、オバマが退陣したあとは、もうブレーキがかからないかもしれません。
そうなるとプチ第三次世界大戦になりかねません。
ヒラリーや、テッド・クルーズ、マルコ・ルビオの三人は、シオニスト、ネオコン、軍産複合体の権益の代弁者です。ジェフリー・サックスやポール・クレイグ・ロバーツは名指しでヒラリーを戦争屋と批判しています。
Hillary Is the Candidate of the War Machine
Hillary Clinton and the Syrian Bloodbath
アメリカ人は生き残るには無頓着すぎるのだろうか?
この三人が大統領になれば、戦争になります。この三人が勝つぐらいなら、まだトランプのほうがマシでしょう。
もちろん、サンダースが勝てばそういうことないでしょうが、これからエスタブリッシュメントたちはありとあらゆる手をつかってサンダースを引きずりおとそうとするでしょう。もし、彼が勝った場合は、暗殺の危険があります。

ここ数年、続いてきたシリアの内戦はついに佳境をむかえています。
日本の世論の注目は、年始から、芸能ニュースと荒ぶるカジノ市場に集まっていますが、それはもう瑣末な問題でしょう。遅かれ、早かれ、株式市場は崩壊します。
人々の有限な認知ソースはもっと重要なテーマに注がれるべきでしょう。
今、世界は、今後の歴史を変えることになる、大きな転機になりうる決戦に近づいています。
それがアレッポの戦いと、アメリカ大統領選戦です。


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[ 2016/02/15 05:37 ] その他 | TB(0) | CM(0)
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