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BullionVault

本当の危機はドローン攻撃第二派


サウジへのミサイル攻撃の影響の市場への反応は、初動では原油市場が過去最大の大幅な上昇をみせたものの今は沈静化しています。
市場の正常性バイアスでしょう。
大騒ぎせずなんとかなるという保守的な心理です。
市場でも保守的イデオロギーをもつ市場関係者はそういう典型的な反応をみせています。

基本、上がったら売り。大騒ぎする必要なし。サウジ、意図的に再開遅らせないよな…。
小菅 努 @kosuge_

一週間もあれば復旧すると思うよ。アラムコは世界に備蓄ターミナル持っているのだし。WTIがちょっと跳ねる程度でオシマイじゃない?広瀬隆雄@hirosetakao


将来を予想し判断することが求められる投資家や政治家には右派イデオロギーの強い人は向かないと思われます。
フィリップ・E・テトロックらの実証研究がそれを裏付けています。
左派は危機を煽っているだけと右派からの批判がありますが、実際、左派の原発の危険性の主張を右派が無視してきた結果が今の莫大な廃炉費用負担です。
ポジティブな楽観論は大衆に歓迎され、危機を訴える悲観論者は狼少年扱いされますが、危機の被害が甚大なことが予想される場合、大げさな悲観論や陰謀論のリスクヘッジは、たとえその危機が実現しないとしても正当性があると思います。

全復旧は数週間かかるとみられていますが、実際の炎上シーンをみると被害は軽微ではなくどうなるかはわかりません。
サウジ側はいままでも被害を軽微にみせようとしてきてますし、日本も東日本の震災のとき製油施設の復旧には1年かかりました。
サウジ側の備蓄は1ヶ月はありますし、多少の増産は可能でしょう。もっとも生産減少分を補う余裕は他国にはありません。いまの情勢ではイランやベネズエラの原油生産がそれを補うこともむずかしいでしょう。もちろん、油田がピークアウトしたシェールにその余裕はありません。利下げをして設備投資すれば多少は増産できるかもしれませんが。
米国や日本の戦略備蓄もいつまでも持ちません。

問題は、今回の被害ではなく、次の攻撃の結果でしょう。
シーア派勢力のドローン技術は、米国やイスラエルが多数の民間人を殺害してきたドローンのリバースエンジニアリングに基づいています。
フーシ派のドローン攻撃は、精度・航続距離といった質の面だけでなく、量の面でもここにきて増加してきています。
いまでは攻撃は3日に2日程度ですが、ドローンの量産体制がさらに軌道にのれば、さらに増加することが予想されます。
フーシ派は最近の攻撃を、300カ所の重要施設に対する攻撃の始まりに過ぎないとしています。フーシ派以外のイラクやシリア、レバノン、イランのシーア派勢力も同調するでしょう。
UAEがイエメンから撤退した今、フーシ派は勢いをましています。
シリア以上の世界最悪の人道被害といわれたイエメンですが、アメリカやサウジと湾岸諸国、イスラエルはシリア同様、イエメンでの作戦に失敗しています。
レーダー兵器などの防衛手段が実用化するのは、まだまだ先でしょう。PAC3などの高価なミサイルがドローン防衛に有効的でないことを考えると、当面は対空機銃やファランクス などのアナログな火器で立ち向かうしかないのでしょうか?
次の攻撃が成功すれば、正常性バイアスで歪んだ市場の楽観主義も終わり、今度は逆の過剰反応をみせると思います。
企業の設備投資、消費者の心理も悪化して実体経済に影響がでてきます。
中東情勢は貿易戦争以上にインパクトがあります。
その場合、ドルは安全資産にならないでしょう。米国の軍事費増加を嫌気して米国債も売られるかもしれません。
安全資産は金、人民元あたりでしょう。


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[ 2019/09/16 11:56 ] 未分類 | TB(0) | CM(0)
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