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現代の兌換紙幣、金ETF(update2)


金ETF「SPDRゴールド・シェア」現物保有高 大幅増加
21.08トン
金ETF現物保有高
金価格の決定権を握っているのは流動性に劣る現物市場ではなく先物市場になっていますが、最近では金ETFも無視できなくなってきています。先物はどうしても値動きが激しいですが、中期で金価格のトレンドをつくっているのは金ETFだと思います。
一般には利子がつかないとされる金ですが、貸し出せばリース料がつきます。その金リースレートはいまや、米国債よりも高利回りです。個人投資などが利子を得るのは難しいですが、中銀、鉱山会社などは金を貸しだして利子を得ることができます。このゴールドリースレートがついた金融商品もあるそうです。低金利の今、そういう商品はこれから普及し、機関投資家などが利用するようになるでしょう。
金はコモディティの側面もありますが、その本質は通貨です。
中銀の金融緩和政策によってじゃぶじゃぶに生み出されたマネーによるサヤ取りの裁定取引が今の金融市場の中核です。
国債の利回りがマイナス金利に突入し、社債や株式市場の危険が増すなか、イールドハンターが金を買うのは当然の動きだと思います。
それを牽引するのがETFだと思います。
よく、ありがちな金にある誤解は、金は株や債券とちがって利子や配当を生み出さないとかいうのがあります。それは上記のように違う。バフェットのようなタレブのいうまぐれな人がそれを広めたのでしょう。
それと金は、ただの石ころで、石油や農産品や鉄鉱石のように経済的効用がないという勘違いがあります。
しかし、金には貨幣という経済的効用があります。社会的動物である人類はまず、交換というアイデアを生み出しました。そして、単なるサービスや物の物々交換から、貨幣を介した交換である売買というアイデアに進化させました。それにより専業分業が可能となり、市場の規模効率性がアップしました。これで人類の文明は爆発的に進化しました。
貨幣には、価値尺度、交換手段、価値貯蔵の3機能があります。
金はプラチナほども採れる場所に偏りはなく銀よりは希少、発掘に手間と労力がかかり、腐食しにくい。以上の特性から、価値貯蔵に適しています。さらに、石油や農産品などの有機物と異なり均質なので価値尺度として適しています。また、少量で貴重でかつ硬貨などに加工しやすいので流動手段としてもいい。
地球上に存在する物質で金がもっとも貨幣として適しているのです。そのコンセンサスは何千年も続いています。金ピカの見た目も大きかったと思います。プラチナや銀も同じような特性をもつ元素ですが、分布に差があるため貨幣にはなれなかった。効用が違うので、金よりプラチナが希少だから価格は高くあるべきとか、上昇相場では金より銀が上昇するというナラティブは最近では通用しにくくなっています。
銀やプラチナはコモディティとしての側面が強く、金とも相関しているが他のメタルなどのコモディティや株・景気との相関もあり、その下げが金価格の上昇ぶんを相殺している。もっとその要素が強いのが金鉱株でしょう。インデックス投資全盛の今、金鉱株も株価指数下落の渦に巻き込まれるのは避けられない。

金はこのように貨幣として使われうようになりましたが、金を持ち歩くのは危険なので、昔は銀が代替品として使われ、その後、金の預り証という兌換紙幣が編み出されました。
しかし、ブレトンウッド体制崩壊後、金はドルとのリンクが切れ兌換紙幣がなくなりました。ドルは原油や米国債券の預かり証となりました。
金の預り証がなくなり利便性がなくなったため、人々は金から離れました。しかし、金ETFというアイデアが生み出されました。
金の保管には一定の場所をとります。火事には強いですが盗難や自然災害に対するリスクもある。大会社が経営する金ETFが保有する現物の保管場所は相対的に安全でコストが安い。
現代では金で日用品などを買う場合、いったん、紙幣と交換しなければいけませんが、現物よりも金ETFはこれが容易。そのため現物より流動性が高い。
なにかワーストシナリオの政治的・経済的危機が発生した場合、金の保管所、交換所が閉鎖されれば現物も闇市にアクセスできる人でなければ換金はできません。取り付け騒ぎ状態で田中金属みたいな金交換所にいっても手遅れかもしれない。田中貴金属など大手でもそこまで紙幣はもっていないでしょう。預金封鎖に弱いのは現物も同じです。
その点、金ETFのほうがフットワークがいい。家にいてボタンひとつで換金できる。換金した紙幣で生活品を買えばいい。後生大事に現物をもってても生き残れません。
それでも米国の中央銀行が本当に金を持っているのかという疑惑同様、金ETFを運用する会社が本当に金をもっているのか疑心暗鬼の人は現物を家で保管していればいいでしょう。
金ETFは現代の兌換紙幣といえます。中国などが金を裏付けにしたデジタル人民元を発行すれば、金ETFを買うメリットはなくなりますが、それまでは金ETFが金市場を牽引すると思います。
私個人のポートフォリオは円建て金ETF(1540)が7、キャッシュが2、新興国債券が1です。円建て金ETFは円高により相殺されますが、日本に住んでいる以上、円高はそれ以外の資産や所得の上昇になるので問題はないです。それよりも、将来の円安通貨危機リスクを担保したほうがいいです。


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[ 2020/03/07 14:01 ] 未分類 | TB(0) | CM(0)
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