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中国はグローバリズムに勝利し、アメリカは敗北した(UPDATE1)


中国
ポールクレイグロバーツ
Paul Craig Roberts
翻訳↓

中国
ポールクレイグロバーツ

アメリカ合衆国という国は敵なしでは成り立ちません。
敵はアメリカ最大の産業である軍事産業に資金を供給します。また、敵は国内の政治的対立を一時休戦させ、国内を一致団結させる国家安全保障上の目標を提供します。

オバマ政権の間、ロシアが再び仮想敵国と設定されました。
しかし、その後、ロシアとの関係を正常化しようとしたトランプの意図は、軍産複合体を怒らせた。 CIA局長はトランプを裏切り者として非難した。トランプに敗北した民主党は、軍産複合体が反トランプで結束をするののに便乗し、ロシアゲートを作り上げた。
トランプは生き残ったが、最初の任期の3年間は何もできなかった。

しかし、4年目、トランプは軍産複合体と和解した。そして、敵はロシアから中国に変更されました。
いくつかの進展が敵を中国に変えることを可能としました。
まず、中国が、ワシントンの挑発にのり反論する姿勢を見せるようになったことです。l
次に、膨大な貿易赤字を誰かのせいにしなければいけない必要性です。
さらに、中国の製造業と産業の実力を認めざるをえなくなったことです。5Gの分野でファーウェイに先行を許したように、今では中国がハイテク分野を先導している。
トランプの対中国の強硬姿勢転換は、焦る米国のIT企業、中国を封じ込めぼ軍事予算を増やし覇権を維持したいネオコンのロビー活動を正当化しました。
このような米国と中国の対立は、ここにきて新型コロナウイルスの流行によりなすます激しくなることになりました。

米国上院議員と右翼のラジオは、中国が持つ米国債を踏み倒すことで、中国に新型ウイルス過の損害補償をさせればいいと語っています。しかし、これ以上、愚かで信じられないような考えを想像するのはむずかしい。
中国は単に国債を市場で売ることができるからです。米国が中国に元本と利息を支払わないためには、中国が持つ証券の識別番号のリストを必要とします。
もっとも、米国債は市場で売買されているため、米国債は、誰がどの債券を保有しているかが明確ではありません。

中国がもつ証券の識別番号が特定できると仮定したとしても、問題が発生します。
対外債務踏み倒しは、第三世界の国々の慣行です。 米国がこの慣行を採用した場合、中国以外の他の国々も次は自分たちの債権が踏み倒されるのではと疑問に思うでしょう。
米国債の市場の買い手は消滅し、FRBが唯一の買い手となってしまう。
そうなれば国債の発行は意味がなくなる。財政赤字を補うために単にドルが発行されることになる。
これは、次に、株式や社債などのドル建て資産を他国が保有する意欲をそぐことになりかねない。
これは株式市場に悪影響を及ぼします。米ドルは準備通貨としての役割を失う可能性があります。
それは米国がもはやドルを印刷することによって、貿易赤字を補うことができなくなることを意味します。

さらに、中国にはさまざまな報復手段があります。
アップルなど米国の多くの企業の工場は中国にあります。中国は、米国多国籍企業のアウトソーシングで好まれている場所です。中国はこの米国企業の工場を接収し国有化することができます。 多くの場合、工場そのものは米国企業の所有ではありません。米国企業は中国企業に生産を委託しているのです。中国は、米国企業向けの製品の生産を停止したり、特許権やブランドの商標を盗んだり、単に生産を継続して中国製品として再ブランド化したりできます。
米国は他の国の知財法や国際法を尊重していないため、中国が米国の法律を遵守する理由はありません。
もっとも、中国は米国内のいくつかの資産を購入しています。これらの資産の価値が中国にある米国の資産と同等かそれを超える場合、報復は割に合いません。

米国は法を守りません。ワシントンは、ファーウエイをブラックリストに載せ、NATOの同盟国に5Gなどのファーウエイの技術製品を拒否するよう圧力をかけることにより、ファーウエイを攻撃しようとしました。この政策は、米国の半導体企業のファーウエイへのチップ販売を困難にし、中国よりも米国の半導体企業に多くの害を及ぼしています。

ファーウエイの国際ビジネスを制限する米国の取り組みには、世界の製造業のサプライチェーンへの攻撃も含まれ、これは多国籍企業を苛立たせている。それは企業の利潤を最大化するという自由貿易主義を否定するものです。

米国と中国の貿易赤字は中国のせいではない。生産を中国にオフショアしたのは、米国多国籍企業のせいです。 アップルのPCやiPhoneなどの製品は、輸入品としてカウントされます。
米国の貿易赤字の責任は、アップル、ナイキ、リーバイスなどの米国多国籍企業にあります。自由貿易というグローバリズムを推奨し先進国の労働者を犠牲にしてきたネオリベの学者にも連帯責任があります。

グローバリズムは中国を世界の工場にしました。中国はこの基盤を利用して、大規模な消費市場を開拓する必要があります。もはや中国の利益に役立つのはグローバリズムではない。世界最大の消費市場を持つ中国は、輸出よりも内需にシフトすべきです。
国内市場が非常に巨大であるため、輸出は中国にとって重要ではないはずです。
米ドル債というドル準備が有り余っている中国は、輸出による外貨準備を得る必要がありません。中国の強みは国内消費市場です。内需こそを強化すべきです。 中国の取るべき道は、新自由主義のジャンク経済学を捨て、国内経済を発展させることです。

私の前半生記のアメリカのやり方がまさにそれでした。当時、米国国内消費市場は非常に大きかったので、米国企業は海外への輸出に頼らずに十分な利益を得ていました。
企業が国内消費向けに国内生産することで、高付加価値かつ生産性の高い仕事が米国に留まりました。
これが、実質所得の成長を後押しし、総需要の増加を保証しました。そして、経済成長とアメリカンドリームを可能としました。
オフショアリングが始まると、これらの成長の階段は外されました。現在では、経済成長に必要な消費者の収入の成長がなくなりました。

中国はグローバリズムに勝利し、アメリカは敗北した。
もっとも、今後は、アメリカのような衰退を回避するために、中国はグローバリズムから脱却し、国内経済を構築する必要があります。
これは中国にとって非常に有利であるだけでなく、米国と中国の間の紛争の争点を減らすことになるので、平和にもたらす利益にもなるでしょう。

↑翻訳

米国と中国のどちらを重視すべきかという、NHKの最近の世論調査によると、日本の半数以上の人は、米国と中国の両方を重視すべきと考えています。
もっとも、中国より米国を重視すべきと考えている人が3人に1人もいます。
中国を米国より重視すべきという考えの人は3%しかいません。10分の1です。

その一方で、ドイツ人の対米感情が新型コロナを契機に悪化しています。
新型コロナをきっかけに中国に対する感情が悪化したとの回答が36%なのに対して、73%が対米感情が悪化したと回答しています。対米感情の悪化は中国のそれの倍以上です。
3人に1人が中国に対する感情が悪化したとする一方、4人に1人が中国に対する感情が改善したと回答しています。
米国との関係を強化したいと考えていた回答者の割合は37%で、昨年9月の前回調査時の50%から大きく低下しています。中国との関係を強化したいは36%で拮抗しています。ドイツでは半々に意見がわれていますが、日本では中庸派を除けば10対1の割合で対米重視になっており極端です。
ドイツの意見がまっぷたつにわかれているのは、親米右派タブロイドのビルト(日本のフジサンケイや米国のFOXと同じ)に洗脳されているB層と米国と決別し中国との経済関係を強化したいA層との乖離がすすんでいるためと推測します。
富裕層を中心に反米感情が高まっているのは、完成直前だったノルド・ストリーム2への制裁、シェールガスの押し売り、マスクの横取り、ワクチン独占のための米政府主導のドイツバイオ企業の買収、領空開放条約離脱などが嫌気されているためでしょう。もちろん、ドイツではトランプは嫌われています。

ドイツ連合議会は米国には新型コロナで中国に賠償請求する法的根拠も理由もないと報告しています。
報告書によると、現状では、誰がウイルス感染に責任を負うべきかはっきりしていない。米国が国連安全保障理事会を通して中国に制裁を加えようと考えても、中国が否決権を持っているため不可能だとしています。
また、一方的に中国に制裁を加えようとすれば、相応の報いを受けることになる。法的手段での制裁も困難。なぜなら、米国内の裁判所では他国の主権行為を審理できないことになっているから。国際法廷に訴えても、職権不足により裁くことはできない」と指摘しているそうです。
報告の提出を依頼したディーター・デーム連邦議員は「ドイツ政府には、米政府の乱暴な政策に対して断固抵抗する責任がある」と述べたという。
ドイツ政府も、4月末にトランプからの対中賠償請求の要求を「政府として、中国への賠償請求問題は存在しないと認識している」と拒否しています。
ドイツ  中国警戒論よりは、高まるアメリカへの不信感

第二次世界大戦に破れ、対米貿易黒字を抱え、安全保障で米国と軍事同盟を結んでいる点で日本とドイツは類似点があります。ドイツにとっても日本にとっても中国が最大の貿易相手国であることも共通します。また、世論調査での嫌トランプが際立つ国同士です。さらに、イングルハート-ヴェルツェル図によると、ドイツと日本はもっとも宗教の影響の少ない国同士です。
しかし、中国と米国のどちらを重視するべきかという国民の世論では大きな差があります。
ドイツのほうがリアリズムに徹しているのに対して、日本には根強い反中というステレオタイプのイデオロギーバイアスがあるためだと思います。より市場競争における敗者が多い日本人のほうに、SNSを中心としたネトウヨビジネスがそのルサンチマンに刺さったのでしょう。
しかし、米国と中国の覇権戦争は中国側が間違いなく勝利するでしょう。
レイ・ダリオは「米国が今はそれほど強力な帝国ではなく、相対的に衰退しつつある一方、中国が急速に台頭しており、他国を寄せ付けていない」との認識を示しています。
レイ・ダリオ氏が描く世界秩序-中国が台頭し米国は相対的衰退始まる
The Big Cycles Over The Last 500 Years
私個人はあまり参考にしてはいませんが、まだまだ、一部の人には人気と影響力のあるジム・ロジャーズも中国がアメリカに代わる覇権国になることを疑っていないと述べています。
ジム・ロジャーズ大予測 ポストコロナ、私ならこれに投資する

日本はこのまま沈みゆく泥舟である米国に乗ったままでいいのでしょうか?
つまらないナショナリズムのようなプライドはお家を滅ぼします。
日本が中国市場で失ったシェアはドイツや韓国が奪うでしょう。日本は1人あたりのGDPで韓国に抜かれましたが、今後はその差が開いていく。右翼の認知的不協和はさらに増しますが、彼らはそろそろ現実を直視する必要があります。
ウォルター・リップマンは、安易な「世論」民主主義を批判し、エリートの知性の活用を重視していました。
彼が問題視したのは、外界の真の姿と人間が頭の中で描く世界との乖離でした。
一般大衆は、マスメディアやSNSを通して得た断片的な情報に基づき、ステレオタイプというヒューリスティックを脳内に形成しています。
そのヒューリスティックを頼りに、政治的判断をしています。
そのヒューリスティックは思考経済に資するものですが、時に致命的な過ちを生みます。
ナチス、米国のテロへの戦いなどへの世論の全面支持などがそうでしょう。
日本でも、戦前の日本の一般大衆の好戦論、土井たか子旋風、田中真紀子・小泉親子・今なら吉村人気など、時代に応じて世論の政治ブームがおこりますが、結果論でみればその時の世論は間違っていた。
マスメディアやSNSの情報が飽和するなかで、各人のリテラシーを高める教育や扇動家が今こそ必要になっています。


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[ 2020/05/22 13:03 ] おすすめ | TB(0) | CM(0)
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