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ハイブリッド・バブルー日本経済を追い込む国債暴落シナリオー 小幡績 慶應義塾大学准教授


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【小幡績】*敬称略
前書「リフレはヤバい」で一躍有名になった反リフレ派の急先鋒で新進気鋭の論客です。
東大主席 大蔵省 ハーバード博士号 慶應准教授。
経歴だけみるとスーパーエリートですが、それを感じさせないチャーミングさとムラッ気の多さとニヒルさのギャップがある御仁のようです。
大蔵省の先輩の榊原氏を彷彿させるようなところがあります。
二浪して若いころに挫折をあじわっている影響もあるのか純粋培養のエリートとは少し違うようです。視点が反骨・在野です。
残念ながら金の価値には懐疑的なようです。

アベノミクスやクロダノミクスの金融政策は前例がないものですから、その是非の判断はもっぱら理論経済学によります
行動経済学の視点や需給分析からアベノミクスに切り込んでいます。
投資家の属性や投資家の行動パターンをモデル化し、複雑系にあたる市場の動きのシミュレーションを試みています。
民主的統制より市場統制のほうが効率的という前提や、安倍政権の早期終了などによる金融政策の大幅な転換の可能性とキャピタルフライトを変数としてあまり言及していないのが気になりますが、わかりやすく説得力のある論理を展開していると思います。

【POINT】
日本国債はファンダメンタルからは合理的な説明できないバブルである。
しかし、普通のバブルとは異なり、属性の異なる投資家たちの均衡による安定したハイブリッドバブルである。
投資家は①海外の投資銀行やファンドなどの投機家、②日本の大手銀行等のファンダメンタルを重視する投資家、③中小金融機関、保険、ゆうちょ かんぽに大別できる。
③の投資家は運用難で他に運用手段がないことから、国家破綻というリスクに目をつぶって国債を買わないといけない。
②はそのことがわかっているから①の売りしかけに乗って、あわてて追随売りしない。同じ国内銀行同士なのであうんの呼吸で共倒れにつながりなかねない抜け駆けでの売りをしない。
追随売りがないのがわかっているから①も空売りをしかけない。
このような相互作用による均衡からハイブリッドバブルは安定している。したがって国債の暴落の可能性は低い。
しかし、暴落しないからといって国債の大量発行は正当化されない。
日銀の国債買い取りで、価格付け、リスクの配分、そして、資本の配分といった市場の調整機能が歪められている。
資本配分機能が失われ、国債に過度に資本配分が集中すると、もっとも付加価値(GDP)を生み出さない非効率な政府部門に資本が無駄に使われることになる。
この安定していたハイブリッドバブルが、クロダノミクス以降、普通の不安定なバブルにかわりつつある。
日銀の国債買い取りにより利回りがさらに低下し、インカムゲインでは運用できなくなる。
そこで②や③の投資家が日銀の国債買い取りを期待してキャピタルゲインを狙って投資するようになる。
②や③の投資家が①の投機家に変質がすすみ、今までの均衡が失われ、日本の国債市場もいつかは破裂するふつうのバブルになる

【HOW TO】 *この本の情報から得られる行動指針
日本の個人投資家は、過去なんどもバブル崩壊で痛い目をみてきているので保守的です。
そのために安全資産として定期や積立の保険を好んでいます。以前は個人向け国債も人気でした。
国は個人向け国債の人気回復のために12月から毎月発行するようです。
しかし、国債は安全な金融資産ともはやいえないですし、リターンも低いため投資対象としてはもはや利点がないと思われます。
国債がだめになると、定期預金も終わりです。円は国債を担保に発行されています。日本国債とキャッシュの円は、同じカゴの卵です。
国債を多数保有する保険会社も危険です。
日本の個人投資家は資産防衛のために外貨預金や金をポートフォリオに一部組みこむことなどでリスク分散することがこれから必要になると思われます。






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[ 2013/05/30 11:53 ] 書評 | TB(0) | CM(2)
読みました。 

ご本人も書いてますが、今回のは「黒田緩和」以前の日本国債の奇妙な安定を中心に考察していたものなので、既に物足りない物となっているように思います。 
次回に期待します。
[ 2013/05/30 20:23 ] [ 編集 ]
しんさんこんにちは。
たしかに継ぎ接ぎ感はありますね。肝心の後半部よりも前半のページ数が多いのは当初書いていた分だけあって仕方ありませんが。
黒田緩和以前が第一ステージ
直後の乱高下と金利低下が第二ステージだとすると
国債の利回りの上昇が開始している今は第三ステージですね。
第三ステージ移行の展開の分析を次回に期待したいです。
[ 2013/05/31 01:11 ] [ 編集 ]
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