FC2ブログ

BullionVault

インド中国の金需要回復


インドと中国は世界の金需要の約5分の2を占めています。
コロナ過でこの需要は減少しました。
しかし、コロナ過の初動では金価格は高騰しました。
それを牽引したのが欧米のETF需要です。
しかし、ETFを買った短期投機筋の逃げは早く、その流出が金価格をピーク時から大きく押し下げました。
しかし、ここにきてインドや中国の金需要が回復しています。
インドでは3月に160トンもの記録的な金輸入がありました。
中国の金輸入は2019年は平均して約75トンでしたが、コロナ過の2020年は月に約10トンまで輸入量が減少していました。
しかし、今年の4月には約150トンの金が輸入される可能性が高いと一部では報道されています。
金需要の半分は宝飾品需要です、
中国の金と銀の宝飾品の今年第1四半期の小売売上高は前年同期比83%増加しました。これはベース効果を差し引かないといけませんが、2019年第1四半期と比べても18.7%増加しています。
3月の上海黄金交易所の金の引き出し量は168トンで、2月から75トン増加しています。2020年比では85トン増加です。
コロナ過で低下していた上海プレミアムもここきに上昇し2019年の平均値に近づいてきました。
中国の金ETFは欧米のそれに比べるとまだまだ規模は小さいですが、そのポジション総額は72.4トンで、2月から5.3トン増加しています。金ETF保有総額は今月新記録を樹立し、資産運用規模は史上2番目に高い水準に達したそうです。
バイデンが誕生しても米中関係は改善がみられずむしろ悪化しています。
米ロの対立も激しさを増してきました。
このタイミングで中国人民銀行(PBOC)は、商業銀行の金輸入量の割り当てを増やしています。
コロナ過初動の金ETFバブルのとき、中国は金の売買の規制を強めていましたが、今は一斉にそれを解除してきているようです。インドの規制も同じく緩和されています。
中国は金に裏付けされた人民元建ての原油先物市場やデジタル人民元などのローンチでドル支配から離脱しようとしてます。
ロシア、サウジ、イラン、UAE、トルコ、ASEAN諸国などと事実上ドルを介せず貿易ができるような協定を結んでいます。
このような地政学的リスクもあって国自体が金投資に積極的なところもあるのでしょうが、それは当事国の一般国民にとってはあまり利害を実感できるものではないでしょう。
切実なものはやはりインフレです。
中国やインドはインフレ上昇率が高く、コロナ過で落ち着いた物価がまた高騰しはじめています。
中国やインドのふつうの市民は、インフレに対する購買力価値保存のため、すなわち生活水準をまもるために金を買う。
インドは個人で銀行口座をもっている人は地方では少ない。また、社会保障などのセーフティネットも先進国に比べると整備されていない。
女性の地位も先進国のものさしでみれば低い。
インドの金宝飾品はいざというときのセーフティネットである。
インドの村にはATMはないが、金交換所はある。
いざというときのために身につけておくのが金宝飾品である。
中国は伝統的に国が金融抑圧をおこなっているので金利は低く、キャッシュはインフレに勝てない。
かといって米国と異なり、金融市場の変動や金融取引による損失を嫌うので株などのリスク資産への投機には消極的な国民性。
そこで金の需要がある。
今の金市場はもっぱら米国債の利回り、正確には実質金利の動きに左右されているが、これは欧米的な金市場に対するコンセンサスがプログラムにインプットされ自動取引のアルゴリズム取引で使われているからです。
しかし、中国やインドの一般市民にとっては米国の金利などどうでもいい。
国内のインフレ率がより重要です。
今は価格決定権は米国側が握っていますが、いずれインドや中国の消費者が金価格を決定する時代がくると思います。
世界の貴金属の取引所のシェアで上海黄金交易所のそれは28%と増加してきました。COMEXの58%と逆転すれば中国が金の価格決定権を握るでしょう。


[ 2021/04/18 01:46 ] | TB(0) | CM(0)
コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
この記事のトラックバックURL

リンク
カウンター
検索フォーム
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:



ロキソニン