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米株バブルはいつ弾けるか?(UPDATE1)


そのバリエーションから米株がバブルというのは否定できない事実です。
それは本音でいえば市場コンセンサスだと思います。
しかし、そのバブルがいつ弾けるかはわからない。
それが予想できれば苦労しない。
わかるのはその可能性が上がったかぐらい。
一つの材料がトリガーになって急に弾けるというののもありそうにない。
複合的な理由でジワジワさがったあと、急落するというのが現実的。
個人投資家が最後にババをつかんでいるような今の相場だと、大衆心理が大きい。
とはいっても最近ではバブルが弾けるようなマイナス材料が増えてきたのも事実。
それを適当に列挙すると。

・9月半ば以降は、シーズナリティ的に株の下げトレンドの始まりになりやすい。
・米株バブルを牽引してきたFAAMGなどの巨大ハイテク企業に逆風
米株バブルの象徴であるアップルが独禁法違反訴訟で一部敗訴。「独占企業」の認定は回避 ・課金ルール「反競争的」で見直し命令。アプリ内課金時に第三者の決済機能を制限できない判決が下る。
アイフォン依存の収益モデルから抜け出そうとするアップルにとってはこれは大きな打撃。
もちろん、命綱のブランディング戦略にも影響。
スマホはコモディティ化が進んでおり、アイフォンの売上に伸びしろはない。
FAAMGは、欧州など海外からだけでなく、民主党政権下で、国内からもその独占に批判が高まる。
グーグルは、音声アシスタント機能でEUの独禁法調査に直面
ワシントン司法長官は、独禁法違反でアマゾン社を追及へ。
Microsoft社長は巨大IT規制は「不可避」と自虐的。

・法人増税。富の再配分の流れは止められない。それは健全な民意。法人増税は不可避。下院は21%から26.5%引き上げで調整。米国企業の国外所得に対する最低税率は10.5%から16.5%へ。これはアップルなどに逆風。キャピタルゲイン税の最高税率は、23.8%から28.8%に引き上げ。

同じ新自由主義陣営のイギリスは大企業の法人税を19%から25%まで引き上げ。


・今まで株バブルを煽ってきた大手金融機関が株のレーティングを引き下げ。
モーガンスタンレー、シティーグループ等が米株の投資判断を「アンダーウェイト」に引き下げ。
モルガン・スタンレーは、年内に10~15%の調整を想定
クレディ・スイス・グループも慎重な見方。
ドイツ銀行は、ほぼ全ての基準から見て、米株のバリュエーションは歴史的な異常水準にあると言えると発言。
ゴールドマンは、市場は景気回復がほぼ順調であることをコンセンサスにしているためボラが小さく、コンセンサスを揺るがすニュース対して脆弱と発言。


・FRBメンバーが株を売却。
利益相反の疑いで、カプランやローゼングレンなど、メンバーたちの株の売却が進んでいる。
エコノミスト出身ではなく投資家であるパウエルなどFRBの幹部たちも株を大量に保有している。
これは究極のインサイダー。いままで持っていたのが不思議なぐらい。
ウォーレンなど民主党左派は、金融取引を認めるべきではないと発言。
メンバーの株売買がニュースで取り上げられるようになって売却したが、その理由を倫理的なものと自己弁護しているが、叩けば違法になる可能性も。
これは短期的には他の個人投資家の不安を煽るだけでなく、長期的にみてもFRBへの信用、株価が下がってもFRBが助けていくれるという市場の安心感を蝕む。

・パウエル再任の不透明感
当初、レーバーデー前後に発表されると言われていたパウエルの再任が決まらない。民主党内では反対論が根強い。
ウォーレンどは銀行規制に消極的な今の共和党幹部の再任に反対している。

・FRBメンバーが株のバブルを警戒
ウィリアムは米株のバリエーションを非常に高いと警告。

・SP800の配当利回りは20年間で最低レベル。
株式投資家がバブルといわれたときの反論でありがちな債券よりはマシという主張も厳しくなってきた。

・米個人消費に逆風
政府支援を受けている米国人は1200万人を下回ったものもまだまだ多い。
しかし、一時給付金、失業保険申請の上乗せの、家賃・奨学金のモラトリアムが9月移行終了。
パンデミック関連の増額給付金を失う人が700万人から900万人に上ると予想されている。
全米主要都市でアパート賃貸料上昇、ガソリン代、食糧費、医療費、教育費などの高騰で、消費者の可処分所得は減っている。
実質所得はマイナス。米家計は急速に悪化。
「後払い」'(BNPL)を利用している米消費者の三分の一が支払い滞納。

・実質所得の減速により、景気は鈍化。アトランタ連邦GDPNowモデルは、過去数週間にわたって大幅に下方修正。
WEIも下落傾向。

・インフレが加速。
原油や食料品などのコモデティ価格が消費者物価に反映されるのは、タイムラグがあるがそろそろそれが反映されてくる。
同じく消費者物価指数の先行指標である中国の生産者物価指数、米国の生産者物価指数は大幅上昇を継続。
半導体や運輸などの供給制限は長期化が予想。
賃金や賃料などの遅効性のインフレ圧力がかかるのはこれから。
NY連銀の8月の消費者予想調査によると、インフレ予想は10か月連続で増加し、8月の中央値は5.2%になりました。今後3年間のインフレ期待は中央値4.0%に上昇しました。どちらの指標も、2013年に開始以降最高の数字。ちなみに金の価格予想も1年後、5.0%とじわじわ上昇。一方の市場のインフレ予想は2%を超えた程度で乖離が大きい。消費者(労働者)の予測が正しいか、資本家やその代表であるFRBの市場が正しいかはこれからわかる。市場が間違えていれば、株価は修正を迫られる。

コストプッシュインフレは、企業の収益率を下げ、個人の実質所得を下げる。購買力は低下する。
SP500はグローバル企業が多いもののの、その収益の7割程度を北米市場に依存している。
メキシコやカナダ経済は米国経済に依存している。バリエーションはさらに悪くなる。

・ジョー・マンチン上院議員の抵抗で財政出動決議に暗雲。
インフラ投資、社会福祉の投資法案は簡単には通らない。

・債務上限
議会の対立は債務上限引き上げも簡単にクリアできないことを意味している。

・新型コロナ
米国ではイデオロギーの対立がコロナ感染抑止の妨げになっている。
いち早く、ワクチン接種を始めながら、今は接種率が伸び悩んでいる。
日本などに抜かれるのは時間の問題。
しかし、問題はワクチンよりもむしろマスク。
フロリダなどでは学校でのマスク着用が禁止された。
米国のコロナ被害は、第2波を超えて第1波レベル。
第3波レベルに達してはいないが、第3波移行に導入されたワクチンでコロナ被害を抑えれることを過大に期待していた株式市場は修正を迫られている。

・中央銀行の金融緩和の限界
FRB自体の年内テーパリング開始自体は厳しくなってきたが、世界はそうではない。他国は先行して引き締めを開始している。
FRBがいくら金融緩和を継続してもFRBだけでは株価を支えきれない。
世界の中央銀行による購入のペースは、2022年第4四半期にマイナスになると予想されている。

・仮想通貨バブルの終了
仮想通貨バブルは先行してバブルがはじけかけている。今の株式市場はロビンフッターなど個人投資家が多い。株と仮想通貨の両方を買って踊っている人ばかり。仮想通貨のバブルがはじければ当然に株式市場も影響を受ける。

・アフガンでの敗戦。
強い米国のイメージが毀損した。ベトナム敗戦後は株価も低迷。今はその既視感が強い。

・日本・中国の左傾化
日本の次期総理大臣は岸田が濃厚。富の再配分に力をいれることは確実。習近平も鄧小平以降続いてきた、新自由主義的経済政策を転換。無理な成長よりも再配分という社会主義的政策をより重視へ。大企業や株式市場、不動産市場などの規制強化。少子化対策で教育企業やゲーム会社にも逆風。
米金融バブルを支えてきた日本と米国の方向が変われば、米国市場も無傷ではすまない。



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[ 2021/09/13 23:47 ] 雑感 | TB(0) | CM(0)
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