市場コンセンサスどおり。
バイデンは、ブレイナードの上院承認は無理と判断。
もっともそのバーターとしてブレイナードがヒラの理事から副議長に昇格した。
投機筋は今はパウエル再任に安堵してリスクオンになっているが、時間がたてばブレイナードによるウォール街規制を意識するようになるだろう。
FRB議長といっても、他の常任で投票権をもつ理事と、名目上で大きな力の差があるわけではない。一人一票である。
しかし、実際、FOMCは全開一致が望ましいとされるのが慣例。議長は造反者がでるのをさけて妥協しないといけないし、造反者は出世できない。
かつてパウエルはバーナンキに造反しないことを条件にテーパリングを迫った。
バーナンキは造反者を出さないために、これを飲んでテーパリングを発表した。
市場は荒れた。
パウエルは、そのときの反省か。その後はおとなしくなり、イエレンに忠実に使えた。
イエレンが利上げをすすめたときは全部賛成に回った。
トランプが利下げを要求しても、他の理事の反対を恐れて拒否した。
ブレイナードが力を得たことで、バウエルはある程度、ブレイナードの意見を飲まなくならないようにはなったと思う。
バイデンは共和党にパウエル再任を譲歩した。
そのかわりとして、ブレイナードだけでなく、指名した通貨監督庁(OCC)長官のソーレ・オマロバの承認も飲ませたと思う。
通貨監督庁長官は日本の金融庁長官に該当する。
銀行に対する広範な監督権限を持つ。
ソーレはアジア系女性民主党員であり、当然のように、急進左派で、銀行や仮想通貨規制に前向き。
また、3つの空席理事にハト派の民主党員を送りこむのも狙っている。12月に発表とのこと。
パウエル再任が決まったが、市場が安堵するのはまだ早いと思う。
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