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QE出口論は、米国からの資本流出を食い止めることができるのか?


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FRED
ドルが強いか弱いかの議論は論者によって異なります。
ユーロなどの主要国通貨ベースのドル指数や、日本人基準のドル円ではドルの強さは正確には判断できません。
対象となる全ての通貨間為替レートを貿易額等でウエイト付けして算出した一国の通貨の対外競争力を実効為替レートといいます。
この実効為替レートが相対的なドルの実力を評価する基準として優れているようです。
ドルの実効為替レートは、変動相場制がはじまっていらい、一貫して下降トレンドでした。そして、2001年に中国がWTOに加入して以降は、その下落トレンドは角度を増しているようです。

アメリカは、貯蓄率が低いので、国債のファイナンスの半分を日本や中国などの海外に依存しています。
そのため、海外からの資本流入が政府債務を持続させるためにどうしても必要です。
アメリカはリーマンショックで銀行の借金を国が肩代わりしました。
実体経済が弱く将来成長が見込めないアメリカの膨れ上がった国債を海外投資家に更に買ってもらおうとするためには担保が必要です。
そこで、FRBが保証人になりました。QEによってFRBが国債を買い入れる、財政ファイナンスをすることで、債券価格が値下がりしない安心感を海外投資家に与えました。
しかし、その債券利回りの低下は行き過ぎでした。
名目金利からインフレ率をひいた実質金利はマイナス圏です。
そのためもあるのか、QE1~QE2、ツイスト・オペあたりまでは低下していた金利は、QE3の途中から低下しなくなりました。
そこで、アメリカが助けを求めたのが日本です。
日本のアベノミクスによって、米国債をファイナンスしてもらうことを期待したのです。
ところが、日本の金融機関のポートフォリオ・リバランスはいまのところ観測されていません。
〔外為マーケットアイ〕ドル100円後半で軟調、国内勢は外債1兆円超の売り越し

対米証券投資(米ネットTIC長期フロー)は、米国が購入する海外の長期証券額と海外からの米長期証券購入額の1月の差額を測定する指標です。
最近ではアメリカからからは3ヶ月間連続でマネーが流出しています。
対米証券投資(ネット長期TICフロー)グラフ
為替こうみる:米国からの資金流出、出口論に影響も=東海東京証 斎藤氏

アメリカからのマネー流出でドル安が進んでいます。
アメリカはQEによる過剰流動性のマネーを新興国に投資してました。このホットマネーを国内に還流させることで、ドルやダウやドル債を支えようとしているようです。
また、新興国を介して自国の国債を買っていた側面もあるようです。アメリカ国債を大きく売り越しているのは東南アジアです。新興市場のドルマネーの流出は実はアメリカ債券からのマネーの流出とみることもできそうです。
The Gold Clock Goes TIC-Tock On SE Asia

しかし、ドルキャリートレードの巻き戻しで自国内にじゃぶじゃぶのマネーを戻すということは、国外に輸出していたインフレを逆輸入させることになります。また、国内で危険度を増しているジャンク債、住宅市場、株式市場などの資産バブルを加速させることになります。
次にバブルが崩壊して金融機関が危機に陥れば、それを救うだけの余力が再三のバブル処理で政府債務が膨れ上がったアメリカにはありません。次のバブル崩壊はいままでとは違います。アメリカの国家破綻を意味します。国家破綻も高インフレでのソフトランディングではなく、デフォルトやハイパーインフレなどのハードランディングのシナリオの可能性が高いです。

暗喩を好んだグリーンスパンと違い、市場の混乱を避けるために、バーナンキは事前に明確なメッセージを市場に送ります。
市場でQE3があるのかないのかが話題の中心であったときに、バーナンキはジャクソンホールで、ハッキリとしたメッセージを送りました。もちろん、QE3を決定するのはFOMCであり、バーナンキ個人ではないので、直接的な表現ではないのですがはっきりわかる内容といえました。
今回もバーナンキはハッキリとしたメッセージを送っています。

要点は、
・QE3の縮小はやる
・時期は経済指標次第
・雇用関係の指標が強ければ早期縮小もあり
・縮小は少しずつ細めていくだけだけ、利上げ開始時期の前倒しでもないので過敏に反応しないように

今回は市場を落ち着かせるために新たな基準を提示してくる可能性もあります。

もっとも、バーナンキは自身の進退についてはいつも質問をはぐらかしています。
しかし、どうやら留任は無さそうです。
バーナンキ氏、議長自身が考えた以上の期間在任している=オバマ米大統領

次の議長に困難なQEの出口戦略を押し付けることはしないで、一定の撤退ルートの道筋をつけようとしています。
金利の上昇とドルの減価を食い止めるためには、株式市場は多少犠牲になっても仕方ないと考えている可能性もあります。
もっとも株価が大暴落してしまうと、今の弱い実体経済は底抜けしてしまいます。かといってさらに株価バブルが進展すると、それが破裂したときのダメージはさらに大きくなります。
株価バブルを少しずつ空気を抜いてソフトランディングさせながら、金利を低下させる。そのために、出口論のメッセージを小出しにマーケットに送る。
この困難な駆け引きがバーナンキ最後の仕事になりそうです。




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[ 2013/06/18 15:59 ] 経済全般 | TB(0) | CM(0)
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