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格差の拡大で低迷するアメリカ経済。


物理的にその消費に限界がある高所得者と異なり、低所得者は可処分所得を貯蓄より消費に多く回す傾向(消費性向)があります(過小消費理論・シスモンディ、マルサス、C.H.ダグラス、ジョン・A・ホブソン)。
アメリカでは上層の人々は所得の15~25%を貯蓄にまわすが、下層の人々はほぼ全額を消費にあてるそうです(世界の99%を貧困にする経済・スティグリッツ著・参照)。
日本でも、所得の上から2割の世帯か可処分所得の7割弱を消費に回し、下から2割の世界が8割強を消費に回すようです(日本の景気は賃金が決める。吉本佳生著・参照)。
結局、競争社会で、それぞれの労働者が競争に勝つべく生産性向上の努力をしても、合成の誤謬でマクロでは経済のパイが縮小してしまうことになります。実証的研究によって格差が拡大すればその国の景気は低迷することが明らかになっています。トリクルダウン効果はいっけん、理論的には説得力があるように思えますが、効果は実証的に否定されているのです。
同じ時期に金融危機のあった、北欧とイギリス、日本では大きな差がつきました。小さい政府の新自由主義をとったアメリカ、日本、イギリスは敗北しました。市場に自由にやらせることは決して効率的でも合理的でもなんでもありませんでした。そして、スティグリッツが指摘するように世の中を変えるようなイノベーションは結局、政府の援助や政府機関によって生まれているのです。目先の利益が重視される民間からは、人々の生活を一新するような高い付加価値を生み出すイノベーションはほとんど生まれていないようです。アップルが成功したのはデザインとブランドなどのイメージ戦略です。技術的なイノベーションは借り物で特筆すべき点はありません。

アメリカでは住宅市場の動向が重視されます。
それは、資産効果によりアメリカのGDPの7割を占める個人消費増につながるとされているからです。
製造業が低迷して賃金の増えないアメリカでは賃金所得の上昇は望めないので、資産所得をあげようとします。そのためにバブルに頼ります。
そこまでして、成長のラットレースをするのは、累積した莫大な政府債務残高や対外負債の支払いがあるからです。

サブプライムローンバブルでは、多くの低所得者がマイホームを手にしました。彼らの賃金所得は低かったのですが、住宅価格の上昇による資産所得によって可処分所得が増えました。低賃金者の消費増によってアメリカは偽りの好景気にわきました。その恩恵で日本も好景気になり、自民党は自分の手柄のようにいっていました。
そのバブルが弾けて、今住宅バブルの第二弾が始まっています。
FRBによるMBS買い取りや緩和政策で住宅ローン金利が低下がそれを後押ししています。
多くのファンドが、安い金利で住宅を購入して転売して利益を上げています。日本のバブルと同じで住宅転がしです。使用されない空き家が増産されているようです。
一方、堅実に集合住宅をつくり、賃貸でインカムゲインを狙っているファンドもあります。
もっとも、どちらにしろ、個人の持ち家比率は低下しています。今の住宅価格の上昇は、富裕層がマネーゲームや家賃収入、セカンドハウスの別荘で買っているだけです。その価格の上昇はサブプライムバブルのときのように貧民層の個人消費につながりません。
むしろ、住宅価格の上昇は、家賃の上昇を生みます。低所得者の過小分所得はますます減ります。もちろん、それはインフレにつながります。
住宅市場でも格差の拡大が広がっていますので、ますまず経済全体の個人消費は低下していくと思われます。
米・持ち家比率18年ぶりの低水準に低下。
US Rents Hit Record Highs As Homeownership Plunges To 18 Year Lows

住宅価格と同じく、雇用統計が重視されるのは、それが個人消費に直結するからです。
形式的な頭数では雇用は回復しているようにみえます。
しかし、それは、フルタイム労働者を雇用する企業に対し、医療保険を提供することを義務づけオバマケアが開始されることになって、企業がフルタイムの雇用を嫌がり、パートタイムを増やしているからです、よくいえば、ワークシェアですが、格差の拡大が広がります。仕事がないよりはあったほうがマシだと短絡的にはいえますが、経済全体でみれば消費のパイが縮小し、結局、失業者が将来的に拡大することになります。
フルタイムの仕事を2人でパートタイムで割れば、単純に雇用者数は倍に増えますが、賃金所得はトータルで上がらず、個人消費は増えません。ワークシェアは、中所得者や高額所得者の場合は別にして、もともと可処分所得のほぼすべてを消費に回すようなキツキツの生活をしている、低所得者にとっては意味がありません。法人税のおもいきった増税や、富裕層への大胆な累進課税をかけて、再配分することがマクロ経済の成長にとって必要となります。安定した税収のためには消費税の大幅な上昇が日本にも求められる。
日本の高齢化や政府債務残高は、先進国のなかで特に酷いので、先進国平均の20%を超える25%の消費税が必要だと思います。
貧民層から一律に税をとるのは結果の不平等になるから反対とする意見もおおいですが、それは再配分で調整すべきです。安定した税収が優先されます。
将来不安が軽減すれば、貯蓄よりも消費に国民は金を回すようになります。
努力と才能で金持ちになる人など統計的にみれば、ほとんどいません。外部環境がそれを決めるので、ほぼ運で説明がつきます(まぐれ タレブ 競争社会を超えて Aコーン参照)。マクロ経済に悪弊害をもたらすことが多い、インセンティブのための減税は経済成長に効果がないのでやめたほうがいいようです。


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[ 2013/07/31 11:37 ] おすすめ | TB(0) | CM(0)
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