FC2ブログ

BullionVault

金先物と金ETFの関係


金先物取引は、反対売買が予定されています。満期には売ったものは買い戻さないといけません。
もっとも先物取引は短期の投機目的で行われますので、実際は期日前に買い戻すことが多いようです。
2013年第二四半期の金暴落を主導したのは先物取引です。
もっとも先物で売ったものは買い戻す必要がありますから、だれかが売ってくれる必要があります。売ってくれる人のほうが買ってくれる人より少なくなると価格が上がり、売り値より高くなってしまう危険があります。
この金先物の買戻しに応じて金を売ってくれたのは、提灯をつけて遅れて売りに参戦した先物売りもいますが、金ETFホルダーが大きかったと思われます。金ETFは仕組み上、価格が下がれば、金が倉庫から流出する仕組みになっています。また、ファンドは、価格が下がると解約が殺到するので精算のために売りを迫られます。株を組み込んだファンドの成績が圧倒的によかったので、マイナスパフォーマンスの金ETFファンドは解約が殺到したと思われます。ファンドは他のファンドと成績を競っています。ファンドに投資する個人は短期間での結果を求めています。自分ではなく他人を介して間接的に投資しているため、ファンドマネージャーのせいにして見切りを早くしやすいということもあります。サンク・コスト効果が働きにくいのです。
そして、価格が下がれば需要が増えるように、価格低下は供給減になるのが通常なのですが、ETFの場合、その流出分が新たな供給増につながります。
このため、需給を緩め、更なる価格の下落の悪循環を生みました(もっとも価格弾力性の高い現物金への投資がこれを吸収しました)。
金先物の売り仕掛けで価格を下がることで、金ETFのホルダーは売りたくなくても無理やり売らされる形になりました。
第二四半期における金暴落は、ETFの構造的な弱点を狙った売り仕掛けだったと思います。
もっとも、金ETFはヘッジファンドなどの短期の投機目的のみならず、年金基金をはじめとする中長期目的での購入も多いと思います。マンキュー指摘しているように、長期投資ではポートフォリオのバランスが重要ですから、株や債券との相関が相対的に低い金は、ポートフォリオに組み込むことでリスクヘッジの役割を果たします。
現物ではなかなか保有しづらかった金がETFの登場によって年金基金なども取り扱えるようになりました。もちろん、ETFで恩恵をもっとも受けたのは個人投資家で、長期目的で金ETFを買っている人が多数いると思われます。一人ひとりの額は小さいですが、まとまれば大きな額です。

金ETFの保有者の構成割合は今回の下落で大きく変ったと思われます。
短期の投機目的のファンドや個人投資家が振り落とされ、中長期投資家の割合が増えたはずです。
さらに、金先物の売りが投機的な金ETFホルダーから買い戻した金を買ったのがインドや中国の消費者です。現物の形で一度保有されると、金ETFのようにはなかなか売りにはでてきません。先物の売り仕掛けで急降下したチャートみて恐怖にかられ、家のPCのボタン一つで売りにだすようなこともありません。
現物が再度市場に出てくるスクラップ供給はもともとそれほど多くないです。スクラップ供給はセオリー通りに普通に価格が上がれば増えますが、価格が下れば金ETFと違い供給が減るからです。
今回の金暴落は金の長期目的の保有者を増やしました。これはピーター・シフが指摘するように売りへの耐性ができたことを意味します。
ETFのホルダーは長期投資家に絞られ、投機目的の金ETFから流出した金は、長期保有を前提とする中国やインドの投資家・消費者の手にわたりました。
これは、次に先物が売りを仕掛けたとき、買い戻すときに以前ほどの数の売り手がいなくなったことを意味します。
産金コストを下回るところまで売り込むことに成功した先物ですが、第二次攻撃は金の保有者の構成が大きく変った以上厳しくなったと思われます。
投資銀行が率先して売り煽り、メディアもアナリストなどの市場関係者も金に総悲観であったため、それを信じて、遅れて先物の売り仕掛けをして、逃げ遅れた人が結構残っていると思われます。そういう人たちは、GSなどの第二次攻撃の援軍があると信じて、それを待っているようです。しかし、それを待って耐えている間にショートスクィーズの燃料にされてしまう危険がそろそろ出てきました。
金価格は今、疑心暗鬼で恐る恐る上げている段階ですが、急に上にワープする可能性もありますので売り方は注意です。


にほんブログ村 経済ブログへ
にほんブログ村

社会・経済 ブログランキングへ
[ 2013/08/19 11:37 ] おすすめ | TB(0) | CM(0)
コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
この記事のトラックバックURL

リンク
カウンター
相互RSS
検索フォーム
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

ブロとも申請フォーム
QRコード
QR


ロキソニン