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インドは金輸入規制よりイラン産原油の輸入増加を


インド=イラン原油の輸入で苦境に立つインド
アメリカの不況の深刻化に伴う金利上昇は新興国にも大きな影響を与えています。
アメリカは所得収支を増やし、それで貿易赤字を相殺して少しでも経常赤字を減らそうとい必死です。経常収支の赤字増加はGDP成長率を抑えることになるので、政府債務の利払いがこのままでは不可能になります。そのため、経常赤字の縮小はアメリカにとっては国家破綻回避のための死活問題です。
所得収支を増やすために、低い金利と新興国の成長率で利ざやを稼ぐドルキャリートレードがつかわれてきました。ドルを大量に刷って新興国に投資してきました。もっとも、マネーを印刷するにはその担保として国債の発行が必要になります。労せず安易に刷れるからといっても国債には金利が発生し利払いが必要ですので、いつかは大きな壁にぶつかります。アメリカの経済モデルには限界がきています。その証拠が今現在の金利の上昇です。GDP成長率とインフレ率が低下しているなかでの金利上昇ですから明らかにリスクプレミアムの上昇です。

金利上昇によりドルキャリートレードが持続不可能になりました。
そのため、その巻き戻しがおこり新興国は苦労しています。
それに便乗した投資銀行などの欧米の投機筋が新興国に通貨アタックをかけています。
これに対抗するには、為替介入で外貨準備のドルを売っても効果はすくないです。
反対売買のある投機筋の売買と違って長期的にはトレンドをつくりますが、目先でいえば投機筋はレバレッジを先物で使ってきますので額が違いすぎて焼け石に水です。
また、金輸入規制は、金の需要を減らすことにも、為替のルピー安を抑えることにも効果がないのは今までの経緯であきらです。これ以上の規制は大衆の政府への不満が増して、それが景気を妨げることになるので逆効果です。
一番効果がある策は、イランからの原油輸入を増やすことです。インドの輸入は金輸入よりも原油輸入のほうが多く、これがインドの経常赤字の一番の原因になっています。
イランとならドルを介さず決済できますので、ルピー安になりません。アメリカとイスラエルによって経済制裁されているイランにとってもこれは歓迎すべきことだと思われます。
アメリカの圧力があって難しいでしょうが、インドはこれを無視すべきでしょう。
インドも日本もアメリカとの関係を弱めていくことが、国益にとって正しい選択になると思われます。

さらに、中国とブラジルの二国間のようなスワップ協定をBRICS間のマルチのスワップ協定に拡大することです。今年3月のBRICS財務相・中央銀行総裁会議では、世界的な金融危機のような突発的な異常事態による流動性不足の危機に備えるため、1000億ドル規模の危険準備金(CFA)を創設することで合意されました。これを早期に実現すべきです。

また、先日決定したインド準備銀行による長期債購入と銀行に義務付けている債券保有水準の緩和はこれから地味に効いてくると思います。

ドルキャリーの巻き戻しはいつまでも続きません。
新興国通貨安も一時的な減少であり、そのうちリバウンドすると思われます。
そうなれば今まで抑圧されてきたインドの金需要は爆発的なものになることが予想できます。


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[ 2013/08/22 10:56 ] おすすめ | TB(0) | CM(0)
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