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金利上昇の二面性


金利と為替の相関は高いです。
そのため日米金利差や米独の金利差のみの単純な法則で為替を予想しようとする為替市場の関係者をロイターの解説などでよくみかけます。
もっとも、高い金利の通貨にマネーのフローが引き寄せられ、その結果として為替が動くというほど、為替は単純なものではありません。
相関があるからといって因果関係があるわけではありません。為替の動きが原因で金利が結果として動いているというようにベクトルが逆かもしれませんし、相互にフィートバックしあっているかもしれません。また、どちらも原因ではなく、別の原因があり、それで金利や為替の双方が動いていることもあります。本当の原因がわからないと、原因の変化で相関が崩れたときに大損する危険があります。
また、金利上昇には、期待成長率の上昇(インフレ期待を伴う)といういい金利上昇と、リスクプレミアムの上昇という悪い金利上昇があります。この違いがわからないと、同じ金利差上昇でも為替がまったく逆の動きをすることもあります。また、実質金利(TIPS)の動きで金の価格を予想して180度予想を外すことになります。悪い金利上昇は安全資産としての金の価格上昇につながります。
アメリカの金利があがり、その金利目当てにマネーのフローが動き、それで為替が動くという図式は確かに単純明快で一見説得力があります。しかし、金利差で為替市場に反応するのは短期の投機家であり、長期投資のインカムゲイン(利子)狙いの投資家ではなく、キャピタルゲイン狙いです。したがって先の図式は裏付けの弱いものです。
金利差で売買しているような投機家は為替相場のメインプレーヤーで売買金額は巨大です。そのため大きくボラを作ります。しかし、短期に反対売買するので結局中長期的なトレンドは作りません。それよりずっと少額の経常収支の差などのマネーフローのほうが中期的なトレンドにとって重要だと思います。また通貨の担保(政府の累積債務や税収の基になる成長率、金保有量)と通貨価値の保存性(通貨発行スピードやインフレ率)が究極長期的なトレンドを作ります。そのため、ドルはユーロや人民元などほぼすべての主要通貨や新興国通貨に対して下落していくはずです。
ドル安になれば、輸出の多い先進国や新興国では、自国通貨高による輸出競争力低下を嫌がり為替介入します。介入で買ったドルは金利のつくドル債に交換されます。政府はリスクを嫌うので、ドル資産として、株や民間の銀行預金ではなく、米国債を選ばざるをえません。
このため、ドル安(円高)になれば、介入による米国債買いを期待して金利は下がります。逆にドル高(円安)になれば、介入による買いが期待できず金利は上がります。
つまり、金利差が原因となって為替が動いているわけではなく、為替が動くことが先で金利が動いているともいえます。その場合、為替の動きが先行しますから金利差は予想としてはあまり使えません。
また、金利差でドル円が動くのは、金利目当てのマネーフローの動きというよりは、アメリカの金利があがったからドルキャリーのうまみが減り、円キャリーが選好され、それで円がうられている側面も強いと思います。
この図式の場合、アメリカの不況や地政学的リスクに市場が警戒してリスクオフになると円キャリーは巻き戻されます。この条件下では、アメリカの金利が上昇したからといっても円キャリーが活発にはなりません。
アメリカの金利上昇とともに円キャリーは巻き戻されて円高になります。
円高になると、円安のときに円キャリーで日本の株を買っていた海外投資家は日本の株を売ります。円高で為替益により株のドル建ての価格があがるので利益確定をするためです。

今のアメリカの金利上昇は期待インフレ率が横ばいで、GDP成長率が下落している状態での金利上昇なのでリスクプレミアムの上昇です。成長期待をコントロールしたいFRBや株式市場関係者は期待成長率が上がっているからだと強弁していますが説得力がありません。
その証拠にマーケットでは金利上昇とともに、株もドルも軟調です。
アメリカは、金融資本が支配するマスメディアを総動員することでで、FRB議長をスター・システムにのせました。かれをショーアップしてカリスマ性を与えることで、その発言の大衆への影響力を強化しました。実体経済の弱さを補うために中央銀行に与えられた金融政策に限界があります。その限界を超えるための議長の口先介入のアナウンスメント効果により市場の合理的期待を形成させようとしていたのです。FRBはバブルが弾けない程度のスピードでバブルをつくりあげ、それで景況感を演出することに成功しました。もっとも、市場の予想をコントロールしバブルをつくることは比較的容易でしたが、それを縮ませるソフトランディングには過去一度も成功していません。そもそも大衆心理のような複雑系の期待や予想を形成をすることは極めて困難であり予想は難しいです。そういったものに一国の明暗を預けるようなアメリカや日本の金融政策はおかしいです。やっている人は奇策で一発逆転を狙う英雄気取りでドーパミンやアドレナリンが出まくっているでしょうが、その犠牲になるかもしれない多くの一般大衆はたまったものではありません。自国民だけでなく世界中の人が被害を受けます。日本でも過去、児玉源太郎、石原莞爾、辻政信、山本五十六、源田実、牟田口廉也など先を見通す戦略眼のない博奕打ちの無能な軍人が、無謀な作戦をして多くの犠牲を出しました。軍事面での戦略的失敗のみならず、日本の国全体を亡国に導き国益を大きく損ねました。太平洋戦争は歴史上まれに見るワンサイドゲームです。資源や生産力や技術力に大きな差がありましたが、指揮官などの能力の格差が一番大きく、そのため被害差が拡大しました。
アメリカや日本の今やっている量的緩和政策はそれと同じです。
バーナンキはレームダックと化し、市場のコントロール能力は低下しています。市場に対するFRBの影響力は低下しつつあります。
市場はFRBのいうことを信じず、アメリカの実体経済の弱さに気づき始めたようです。
今は、そのための悪い金利上昇です。
アメリカは、米西戦争のメイン号事件、第一次大戦のルシタニア号事件、第二次大戦の真珠湾、ベトナム戦争のトンキン湾、中東戦争のリバティー号事件、イラク戦争など、自作自演のマッチポンプで自国民を犠牲にして、それで国民の戦意を煽り、他国の人命を救う大義で戦争に参加しました。相手国はアメリカと戦争する気はありませんし、アメリカ国民も自国と関係のない国での戦争で自国民に犠牲がでる参戦には猛反対であったにもかかわらずです。結局、アメリカが参戦することで、戦争が拡大し、最初スケープゴートにした自国民の死者、相手国がそれまで殺した人を合わせた何十倍、何百倍もの犠牲が生じることになります。アメリカが他国の戦争に参戦するタイミングは、アメリカの企業の景気がわるいときに公共事業としておこなわれることが多いようです。
今現在もアメリカとイギリスの悪の枢軸が海軍をシリア近海に集結しつつあります。軍需産業を支持母体にする共和党やアメリカ・ユダヤロビーがオバマに戦争をしかけるように圧力をかけまくっています。
戦争をすればユダヤ金融資本や軍需産業は儲かりますが、アメリカの財政難は更に悪化します。それは長期的には経済成長率を落します。アメリカの凋落の大きな原因のひとつです。
国連の化学兵器の査察団がシリアに入国したそのタイミングで、シリア政府が、軍に命令を下し、化学兵器を用いてシリア国民を多数殺害するというのはおかしいという指摘がされています。
政府軍は軍事的に勝利を収めつつあり、今このタイミングで他国の介入を招きかねない毒ガスを使う戦略的な利益はありません。
そのため、またアメリカがいつものマッチポンプをしているのではといわれています。イスラエルももちろん絡んでいる可能性があります。
シリアは中東の大国です。人口もエジプトと同様に比較的多い国です。ここで多くの命が失われれば、その憎しみで大量のテロリストが新たに生み出されます。その怒りはイスラエルやサウジなどのアメリカの犬の湾岸諸国やアメリカ(イギリス)に向かいます。中東は不安定になり原油価格が上昇します。
中東が不安定になれば、イスラエル防衛のためアメリカは軍事介入せざるを得なくなり、ますますアメリカの財政は悪化します。
アメリカの財政の悪化は米国債金利を上昇させます。3%や4%では止まらなくなるでしょう。リスクプレミアムがあがると、債券は安全資産になりえません。もちろん、ドルや円も安全ではありません。
こういうときは金の保険としての価値が再び見直されると思います。


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[ 2013/08/26 10:57 ] おすすめ | TB(0) | CM(2)
激しく同意
「諸悪の根源はやっぱり・・・・」とよく分かりました。

極東より中東でのほうが事を起こしやすいのでしょう。

その地で暮らしている人たちはたまったものでない。

このブログは毎日楽しみにしています。
ありがとうございます。
[ 2013/08/26 12:24 ] [ 編集 ]
taiyal さま
長文でありながら時間を割いて読んでいただいいたことに感謝します。
ありがとうございました。
これからもよろしくお願いします。
[ 2013/08/26 15:53 ] [ 編集 ]
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