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円とドル生き残りをかけた戦い。


フィスカル・ドミナンス(財政による金融政策の従属化)という言葉が注目を集めるようになってきています。

一度決まった消費増税に反対する目先の景気回復しか考えない刹那主義者のために日本の財政規律が緩んできています。
エール大学名誉教授という肩書だけは立派ですが、専門外のことに口を挟むトンデモ学者が消費増税に反対しています。増税前の駆け込み需要と増税後の反動で結局はプラスマイナスゼロです。増税が景気低迷させそのためかえって税収減になるという理論に対する実証データの裏付けはありません。
財政規律がしっかりすることで、国民は将来が安心できるようになり、貯蓄にまわすぶんを消費にまわすことができるようになります。北欧の経済的成長はそれが大きな原因です。
小幡氏らが主張する1%ずつの段階的な消費増加は、導入コストもそうですが、吉本佳生氏が指摘するように価格転嫁することができない中小企業にダメージを与えます。賃金所得は更に下がり、格差が拡大することで総個人消費は低迷して景気減速に拍車をかけます。
先進国の消費税の平均は20%です。
日本の累積債務と高齢化を考えると、毎年5%ずつで25%まで上げるぐらい大胆な増税をしないと財政破綻は回避できないと思います。もちろん、努力や才能に関係のない運だけのレントシーキングに対する増税は公平上必要です。キャピタルゲインや金利収入などの不労所得に対する思い切った累進課税、相続税、法人税などの増税もセットにする必要があります。所得税も年収1000万以上の所得に対しては累進課税を最低でも75%まで引き上げるべきでしょう。

生活保護など福祉のバラマキで個人消費させたほうが、土建中心の公共事業のバラマキよりも景気に貢献します。日本の子供に対する補助金は先進国中最悪です。儒教の影響が強く、女性蔑視で家族制度に固執する韓国にすら負けています。
日本の民主党の子供手当が叩かれましたが、フランスのそれに比べるとしょぼすぎる額でした。フランスは先進国のなかでは出生率が高い国で高齢化がすすんでいませんが、これは子供手当のばらまきの力が大きいです。日本ではようやく民法の非嫡出差別の判例変更がされましたが、フランスでは婚外子が当たり前です。
そして、子供手当や非嫡出子の問題は、単なる人権的な問題だけでなく人口動態の問題で、将来的な国力の違いにつながります。このあたりを大局観がなく、感情論ばかりの日本の保守派はわかっていないようです。

プライマリーバランスを少しでも早く改善しないと駄目です。欧州は多くの国でプライマリーバランスが改善されています。ユーロは安泰です。アメリカはドルの価値を守るためにユーロ危機を煽りましたが、結果、それはユーロを逆に強くしてしまいました。
そうなるとアメリカがドルの崩壊を先延ばしにするために円を売り崩しにくる可能性が高くなってきています。

日本は五輪が決まったことで累積政府債務がさらに増加しそうです。また、経常収支が悪化しています。そのため、円安圧力が強いのですが、アメリカの政府財務の増加スピードや経常収支の赤字はもっと酷いので相対的にドル円は売られる圧力のほうが強いです。
それに、アメリカの財政はシリア介入で更に悪化することは確実です。
シリア軍事介入はイスラエルの制空権を確保するためのシリアの対空ミサイル破壊が目的ですが、少なくとも300発以上のトマホークが必要とされています。これに燃料を食いまくるB2などを投入すれば相当な金がかかります。効果がなければ空母打撃群の艦艇の巡航ミサイルも投入する必要ができてます。アメリカの当局の見積もるシリア介入の費用は甘すぎると指摘されています。

アメリカはドル安防止のためQE3縮小に迫られていますが、株安やドル債のバブルをはじけさせないために急な縮小はできないという板挟み状態です。
そのため、9月から小出しにQEを縮小するという落とし所の折衷策をする可能性が高いとされています。しかし、いまさら小幅な縮小をしたところで膨れ上がったマネタリーベースの前には焼け石の前に水滴状態です。大海からストローで水をひくようなものです。少しぐらい消費増税したところで累積政府債務と高齢化の前に焼け石に水な日本と同じです。
結局は市場に対して努力しているフリをするだけのものにすぎません。
しかし、そういう印象操作だけで、市場の心理をコントロールするのはそろそろ厳しくなってきています。

リスクオフのドルキャリーの巻き戻しがそろそろ一巡して、ドル安圧力がさらにつよくなります。
インドなどの新興国がスワップ協定を強化して、外貨準備のドルを一斉に売ってくるのは短期的だけでなく長期的なドル安要因になります。外貨準備としてのドルの需要が減るからです。これはドル債売りの圧力にもなります。
アメリカの金利上昇を受けて、見直されてきた円キャリー・トレードですが、シリア情勢によるリスクオフでこれから本格的な巻き戻しがあると思います。円は今後買い戻される可能性が高そうです。95円あたりを中心として、90円~100円あたりのレンジで今後、推移すると今の時点では予想します。

円売りがおさまったことで円債売りによる早期の日本破綻の可能性は少し低下したと思います。
シリア問題などでドルが先に逝く可能性が高くなってきました。


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[ 2013/09/09 13:47 ] 市況 | TB(0) | CM(0)
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