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シリア情勢はWinWin?


オバマ米大統領はシリア問題で国民に演説を行いました。
外交手段を追求する間、議会に対シリア行動に関する採決を延期するよう要請したようです。これでしばらく攻撃はありません。これで市場には安心感がただよい、安全資産の金はうられています。
採決はFOMCの後になるかもしれません。採決がでるまでは、まだマーケットが安心できず不安定な状態だからです。出来高も縮小しています。そのため投機筋が仕掛けてボラが大きくなりますが、情勢が変化すれば大きく動いた分は全部巻き戻されます。金先物は大きく売られていますが、以前のようにETFの提灯売りはついてきていませんので、すぐ買い戻される可能性が高い状態です。
マーケットの混乱を避けるためにQE3縮小決定も先送りされる可能性があります。


化学兵器禁止条約(CWC)を批准していない国は、イスラエル、シリア、エジプト、南スーダン、ミャンマー、アンゴラ、北朝鮮です。
貧しい国や内戦状態にある国が、欧米の傀儡勢力に対抗するために安価だが抑止力のある化学兵器を自衛手段として確保していることが多いようです。
特にイスラエルの周囲の国の化学兵器の保有が多いです。
シオニストが支配する国アメリカは、ダブルスタンダードで、イスラエルの核や化学兵器といった大量破壊兵器の保有は認めますが、それ以外の国が保有することは認めません。
しかし、周囲の国が経済制裁や軍事的脅迫などの圧力に負けて、化学兵器などを放棄することは、大阪の冬の陣の講和条件である外堀を埋められることと同じです。
化学兵器の報復がないとわかれば一方的な攻撃が可能になります。リビアは化学兵器禁止条約に加入して潰されました。
対イラク戦争の直前に、化学兵器禁止機関(OPCW)の事務局長が、イラクに対してOPCW加盟を働きかけ化学兵器査察を進めようとしていた矢先に米政府の妨害を受けた上、急遽解任される事件がありました。日本もこれに関与しています。イラクがこれに応えて査察に応じれば、フセイン打倒の大義名分がデッチ上げられなくなることを恐れたためとされています。
この事件では、日本でも人気の高いブライアン・イーノが「アメリカによる化学兵器禁止機関の乗っ取りを阻止しよう!」と署名をあつめて、坂本龍一などがこれに呼応しています。しかし、日本ではほとんど報道されませんでした。この当時からアメリアのターゲットはイラク、イラン、シリア、スーダンというイスラエルの隣国でイスラエルにとって脅威となる国でした。そういった国ほどイスラエルの核への抑止のために化学兵器を保有するインセンティブがありました。通常兵器や核はお金がかかりますが、アメリカに支援されているイスラルと違い周辺諸国にはその余裕がありませんでした。
イラクは湾岸戦争のときにアメリカが関与しないという口約束に騙されて(朝鮮戦争と同じ)クウェートに進行しました。そして、イスラエルがパレスチナの占領地帯から撤退すればクウェートから撤退すると提案しましたが、アメリカはそれに応じずイラクを叩き潰します。イラクが化学兵器を所有していないのを知っていたからでしょう。ハラブジャ事件の犯人はイラクではなくCIAの偽旗作戦の可能性が濃厚です。
湾岸戦争の後でおこったイラク戦争でも結局、イラクは化学兵器を保有していませんでした。
今シリアが化学兵器を破棄することは、イラクやリビアの二の舞いになる危険があります。しかし、シリアとしては化学兵器を破棄した判断のほうが長期的な利益になりえます。アメリカはシリア攻撃の大義を失います。そうなれば、優勢になりつつある反乱軍との戦いが早期に集結します。何万単位の犠牲を減らすことができます。
これに対して、アメリカやサウジやイスラエルが反乱軍への武器の供与を強化することも考えられますが、その武器がアルカイダなどの過激派に流出することになると、イスラエルやアメリカ自らの首を占めることになります。
シリアは化学兵器という防衛手段の切り札こそ失いましたが、アメリカの軍事介入を回避したことで、時間を稼ぐことができました。今後、ロシアから対空ミサイルを強化する時間ができます。西洋諸国からのシリアのイメージも改善されアサドの威信も上昇したと思います。アサドのカリスマ性でシリアが安定すれば、経済の再生もすすむとおもわれます。

一方、イスラエルとしては、シリアの正規軍の弱体化という目的は達成できませんでした。しかし、最大の脅威であった化学兵器の少なくとも大部分は破棄することができれば戦略的な勝利といえます。実際、軍事介入していれば、なんらかの報復も受けていたわけで、この目先の危険も回避できました。

アメリカも、国民世論が反対するなから軍事介入をしないで済むことになりました。政府債務の増加もおさえられて、マーケットも安定を取り戻しています。
オバマも今回の件で支持率を落しましたが、歴史が再評価するときがくると思います。
オバマの議会の承認を得るという時間稼ぎがロシアの提案を生みました。
軍事圧力をかけたからこそ、シリアが化学兵器破棄に応じたとアピールすることもできます。
オバマもいままではシリアへの軍事介入に反対することで、軍産複合体、ネオコン、タカ派、シオニストなどの批判やメディアでのバッシング、議会工作を受けて続けてきました。
今回、弱腰ではなく強気の姿勢をみせたことで、声の大きい連中への一定の配慮をみせ連中をなだめることができたと思います。

フランスのオランドも支持率が下がりまくっています。いつまでも宗主国きどりで介入するのに国民もうんざりしています。ロシアの提案はフランスにとっても振り上げた拳を下ろすための助け船になりました。

ドイツもEUの同盟国(特に関係の密なフランス)とロシアや中国との間で揺れてました。
ドイツはその中間の位置にいるからです。
シリア制裁にG20ではサインしませんでしたが、後にサインしたことなど苦しい立ち位置がみえます。今回のロシアの提案はドイツにとっても都合よかったと思います。

中国もドイツ同様、あまり深入りしたくない事件だったのでロシアが落とし所の道筋をつけたことには歓迎のはずです。

日本はアメリカが決定した後で追認しただけですが、シリア情勢が不穏になるとリスクオフで円キャリーの巻き戻しがおきて、円安になって株価が下がります。
外人はシビアに損得計算しているので、外人投資家が多い日本の株式市場はオリンピック決定にはたいして反応しなかったのですが、シリア情勢がおちつくといっきに円キャリーが加速して株価が上昇しています。

今回の一番の勝ち組はロシアでしょう。
シリアにおけるロシアの利権を保護する親ロシアのアサド政権を守りました。
外交手腕をみせつけ、プーチンの株がまた上がりました。
原油も落ち着いてきたとはいえ高止まりしています。
中東でのアメリカの支配力が低下して、ロシアのプレゼンスが増しました。
ロシアはアメリカから原油価格のコントールのイニシャティブを奪いつつあります。

Brian Eno - By This River


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[ 2013/09/11 10:49 ] ニュース | TB(0) | CM(0)
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