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BullionVault

割れる大手金融機関の金価格予想


少し前までは、大手投資銀行の金価格予想はほとんどが弱気なものでした。
もっとも、底値で売り煽っていたものの、7月~8月にかけて金価格は大きく反発しました。その後もシリア情勢、QE縮小先送り等で乱高下しながらもジリジリ上げています。
そのため、このところ、金価格の予想を上げてきたところが増えてきました。JPモルガン、バンク・オブ・アメリカ、バークレーズ、UBSなどがそうです。HSBCやドイツ銀行は中立的立場でしょうか、もとから価格予想は強めです。
バークレーズは10月まですぐに1,482ドル、2013年第4四半期平均1,463ドルと予想を上方修正しています。
UBSは、一ヶ月の目標1405ドル、3ヶ月の目標1375ドル(上限1425ドル)と上方修正しています。
大手投資銀行以外で強気の予想をだしてきたところとして、Compass Global Marketsが月末までに1450ドル、年末までに1580ドルと予想しています。
また、Ultimate Wealth Reportは数ヶ月後に1500ドル~1570ドルに達すると予測しています。シティは売り予想ですが、同じシティのテクニカル部門のアナリストであるトム・フィッツパトリックは3500ドルを予想しているようです。
長いものには巻かれろ的な弱小の先物業者のアナリストなどはもろに大手投資銀行の予想の影響を受けますので、今後、強気予想のところが少しずつ増えていくと思われます。

一方、金に対する弱気派もまだまだ健在です。かれらの金に対する弱気の理由はアメリカ経済に対するお花畑的な楽観論に集約されます。アメリカの景気は回復しているので、結局、QE縮小は不可避であり、そのため、長期的にはドル高傾向になり金価格は売られるとする筋書きです。この筋書きがありがちで無難な予想でいままでの市場のコンセンサスでした。GS、シティ、モルガン・スタンレーなどがそうです。クレディ・スイスやソシエテ・ジェネラルなども売りを維持していると思われます。強気転換の金融機関に比べると、シティ以外は総じて規模は小さいですがユダヤ系でハイリスク志向の投資銀行スタイルのところが多いようです。GSの弱気予想維持は市場へのインパクトが大きかったのですが、シティとモルガン・スタンレーの予想は市場はスルー状態であまり反応しなかったようです。
その他の予想としては、マスコミの露出が多いエコノミストのルービニなどもリーマン・ショック前に金の弱気の予想を大外しして馬鹿にされたのを未だに根にもっているのか金に執着して弱気発言を繰り返しています(彼がツイッターを利用するのは金価格が下がったときのメシウマコメントぐらい)ルービニはアメリカと日本の株に対してはいまだに強気のようです。その点は同じリフレ派のクルーグマンも似たようなものです。

確かに、2008年のリーマン・ショックが大底ですから、その大底を起算点として比較すれば、各種経済指標は緩やかに回復しているとも思えなくもありません。もっとも、株価以外の雇用や住宅価格などのマクロデータのほとんどはリーマン以前の水準に戻っていません。成長というにはそこまで戻り更に少しずつでも上昇していかなければなりません。
争点はアメリカの景気が自律反発の域を出て、本当に回復するかにあります。それによって、投機筋の動向がきまり、短期的な金価格なトレンドが決まります。
アメリカでは、格差拡大により、賃金所得と限界消費性向が低下し、GDPの7割を占める個人消費が減少しています。これは、景気循環的なものでなく構造的なものであり、そのためGDP成長率の減少トレンドは趨勢的に継続しており、更に加速しつつあります。
成長の鈍化で歳入が減る一方、軍事活動などの公共投資による財政出動や高齢化により歳出が増え累積政府債務が増加しています。
GDP成長率が下がり、デフレ圧力が強いのにもかかわらず名目金利が上昇しています。これは、累積政府債務残高の増加によるリスクプレミアムの上昇です、金利上昇は、住宅市場や自動車市場にマイナスですし、設備投資を減らすため実体経済の成長を妨げます。また、金利上昇スピードは、政府当局の想定するスピードをはるかに超えており、利払い負担の増加が懸念されています。利払い負担が予算を食いつぶせば財政投資も減り更に成長が妨げられます。成長が止まり、税収が減れば、債務の返還が困難になって、累積政府債務と利払い負担が雪だるま式に増えていきます。これらのスパイラルの悪循環が続いて、成長がとまってリセッションに陥れば、自転車操業状態の赤字財政の維持が不可能になります。

就業労働者人口が減少傾向にある上に、労働参加率が低下しています。そして個々の労働者の労働生産性が確実に低下しています。これでアメリカのマクロ経済が復活する可能性を信じるのは希望的観測にすぎないと思われます。
個々の企業をみても、米国の企業収益(S&P500指標構成企業の収益)の成長率は、コストカットと技術革新の限界から、横ばいから低下に転じようとしています。今の楽観的すぎる収益予想をもとにしたPERはあきらかに割高です。VIXは今は落ち着いていますが、大幅な上昇をみせる日もでてきました。今が底値ですからこれから上昇していくと思われます。
4月以降株のバブルはいつはじけてもおかしくない状態でしたが、何ヶ月も耐え抜いてきました。しかし、過去の統計データからすると株価バブルの崩壊はもうまもなくでしょう。バフェット、ジム・ロジャーズ、ジョージ・ソロスあたりは日本でも有名な投資家です。個人的には信用していない投資家ですが、一般的な知名度は抜群で市場に与える影響力は大きいです。この三人も今の米国の株価は割高だと認識しているようです。
企業収益からみた米株価の暗雲

焦点:米FRBの緩和縮小見送り、景気回復の弱さ示し企業収益に暗雲

客観的なマクロデータの数字に目をつぶり、気合でアベノミクスやFRBを信じて、イデオロギー的な感情論で強いアメリカの復活にかけるなら、米国株や日本株やドルを買い、金を売るのがいいでしょう。
一方、アメリカの復活は現実的に厳しいが、中国、インド、CIS諸国、東欧、ASEANなどの新興国の成長が期待できるとみるならば、素直に金を買うのが正解でしょう。


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[ 2013/09/24 21:51 ] ニュース | TB(0) | CM(0)
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