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雇用改善がQE3縮小の前提条件


FRBのバーナンキは、経済および雇用市場の改善が続くこと条件として、QEを縮小すると一貫して主張しています。
ところが、市場関係者は、前提である経済指標の改善の継続を軽視して、QE縮小の可能性ばかりに注目してきました。バーナンキは年内に縮小を初めて、来年の夏頃にQEを終了する予定だとしていますが、その前提として経済指標が予想通りすすめばという留保をつけています。
これも留保を無視して、そのスケジュールを前提条件より重視してきました。
エコノミストや、FRBウォッチャーや、ロイターなどの記者、投資銀行のアナリストなどが勝手に9月のQE縮小開始のコンセンサスを作り上げました。雰囲気だけで大した根拠もなくQE縮小は当然の流れと多くのメディアリテラシーのない市場関係者が洗脳で頭に刷り込まれました。
しかし、QE縮小は見送られました。そして、今後は、そのコンセンサスを裏切ったとして市場関係者は、FRBの市場との対話不足を責めています。しかし、FRBは経済指標の条件にしたがって金融政策をすると一貫して主張しているのであって、市場のコンセンサスに基づく予想や期待や圧力に応えるような責任はそもそもありません。
そろそろ、市場関係者は、この現実を受け止めて、QE縮小は経済指標(特に雇用統計)しだいということを認めないといけません。

それでは肝心のアメリカの雇用は改善されているのでしょうか?
失業率に関しては、よくいわれるように労働参加率が下がっていることもあって、あまりあてになりません。
市場では失業率よりも、非農業部門雇用者数が重視されます。
そして、この非農業部門雇用者数の先行指標としてもっとも重視されているのが失業保険申請数です。
昨日発表された、失業保険申請件数や米失業保険継続申請件数をみると、数字的には着実に改善しているようにみえます。
しかし、アメリカの労働関係については、質的問題がよくいわれています、
今のアメリカの雇用者数の増加のほとんどは、低所得の単純労働者です。そのため、アメリカの平均的賃金所得は減少しています。より技術が必要とされる製造業や建築関係の雇用者数の増加はノイズにすぎません。圧倒的にこの単純労働者数の増減が非農業部門雇用者数の増減を左右します。その単純労働は娯楽などのサービス業のシェアも大きいですが圧倒的に小売業が多数を占めています。
この単純労働者は、フルタイムではなくパートタイムの不正規労働者がほとんどです。不安定な仕事で増減が激しい仕事です。
そして、アメリカの失業保険の申請資格は原則としてフルタイム労働者に限定されているようです。
したがって、単純労働者は簡単に解雇されますが、解雇されても失業保険を申請できません。最近、失業保険申請件数ぎみにあるのはこういった雇用の質の低下も大きいと思います。
また、アメリカでは長期失業率が高まっています。失業保険の給付期間は延長しても限りがあります。そのため、米失業保険継続申請件数が減っているともいえます。
FRBももちろんこのあたりの事情はわかっているはずです。
そのため、最近では、雇用統計の数字だけでなく、インフレ率やGDP成長率も量的緩和減少の指標にすべきとの意見もちらほらでてきています。

アメリカは9月が新年度の新学期にあたるので、7月の終わりから8月までの新学期商戦はアメリカの小売業にとってクリスマス商戦の次に重要な商戦だとされています。このため8月は求人が増える傾向にあると思います。また夏休みのレジャーで娯楽業の求人も多かったと思われます。次の9月の雇用統計はこの反動があるおそれがあります。

QEは賞味期限切れぎみでした。金利も上昇しはじめていました。
ところが、バーナンキがQE縮小の可能性に言及したことで、QEの息を吹替させることに成功しました。それから、市場はQEに再注目することになります。それは市場のボラを大きくするという問題を生みましたが、FRBのアナウンスメント効果を高めることに成功しました。
今後、FOMCのたびに、縮小をしないで維持するだけで、QEを増強するのと同じような効果が期待できます。
FRBの使える新しい手段が一つ増えたことになります。これが、バーナンキの最後の置き土産になるのかもしれません。
QEを維持するのも、QEを縮小するのも、その選択肢を残して次の議長にバトンタッチしそうです。
もっとも、まだまだバーナンキ再任の可能性はアリだと思いますが。


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[ 2013/09/27 17:54 ] 経済全般 | TB(0) | CM(0)
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