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BullionVault

金融カジノを盛り上げる中銀ウォッチャーという名の予想屋


マクロなファンダメンタルズの情報はなかなか隠すことはできません。
市場やチャートが、マクロの経済の情報を不完全ながらも織り込んでいるのなら、今の市場はこのように乱高下はしません。
しかし、乱高下しないと、投資銀行や先物業者やヘッジファンドなどの投機筋は儲かりません。世の中に効用や付加価値はなんら生まないものですが、それが彼らの仕事です。
そういった金融カジノを盛り上げるのが中央銀行です。
中央銀行の金融政策が神の手のように、景気を完全にコントロールできるので、その政策の微妙なさじ加減が金融市場の動向を大きく左右するというロジックです。
もちろん、それは前提からして間違いですが、そういう暗黙のルールを設定すれば、市場がボラタイルになってゲームが刺激的になります。
このルールが金融カジノのゲームにあるため、中銀ウォッチャーという競馬の予想屋と同じ職業が成り立ちます。
競馬で、いろいろ講釈をたれて予想しても、そのうんちくとレースの結果の因果関係はほとんどないといっていいと思います。結局は運です。
中銀ウォッチャーが中銀要人の発言をいろいろと解釈して深読みするのは、競馬で馬の毛並みやいななきなどを都合よく解釈するのと同レベルです。

くだらないというのはわかりつつもこのゲームのルールに沿った解釈を試みます。
今回のFOMCの結果は若干タカ派寄りだと解釈されているようです。
「最近見られる金融状況の逼迫が持続すると、経済や雇用市場を損ねることになる」という金融市場のひっ迫に関する文言を削除したことがその理由だと思います。
投機筋は発表と同時に、コンピューターで前回の声明との文言の違いを抽出します。その上でプログラムでの文言判断にしろ、人の裁量による瞬時の判断にしろ、即時に売りか買いをいれます。今回はこの一文の削除で市場は即時に売りと判断したようです。そうなると市場は一方的に一斉に動くため、大きく動くことになります。
また、財政問題やここ最近の雇用などの景気指標の悪化にもかかわらず、景気見通しを前回のまま維持して、特に景気見通しについて懸念した文章が追加されなかったことも同じように売りの判断材料にされたと思います。ここまでは0コンマの世界だと思われます。

中銀ウォッチャーの仕事はこれからです。
以上のようなタカ派的な要素をことさらに強調して、3月QE縮小開始説が市場コンセンサスになって一時は消えていた12月QE縮小開始説が息を吹き返してきました。たとえ12月に実際、QE縮小が開始されなくても、その可能性を警戒させることで市場に影響を与えることは可能です。その可能性に言及するのが彼らの狙いでしょう。もちろん、ポジショントークです。
しかし、私の予想では12月のQE縮小開始の可能性は、ドルが暴落してインフレ期待が急加速でもしない限りないと思われます。また、3月の縮小可能性も著しく低いと思われます。
その理由はFRBの住宅セクターへの弱気見通しです。
タカ派寄りとされたFRBですが、住宅セクターに関しては「入手可能なデータは、住宅セクターの回復が最近数カ月間で幾分減速(slowed somewhat)したことを示唆している。」と指摘して、「has been strengthening」から「slowed somewhat」と下方修正しています。QE縮小が開始されば米国債の金利上昇とMBSの買い取り減少のダブルパンチで住宅ローン金利が上昇します。住宅ローン金利が上昇すれば当然、住宅セクターは減速します。
FRBは、「量的緩和が長期金利への下方圧力を維持し、モーゲージ市場を支援するとともに、より広範な金融状況を一段と緩和的にする一助となるだろう」と指摘していることから、QEの目的として雇用の改善やインフレばかりでなく、住宅ローン金利を低く維持することも重要視しています。
もっとも、最近では、QE縮小先送りの観測から、長期金利も住宅ローンも低下してきているのが現状です。そのため、前述のようにFRBは「最近見られる金融状況の逼迫が持続すると」という文言を削除しています。また、住宅セクターでも「モーゲージ金利の更なる上昇」というローン金利上昇を懸念した文言が削除されています。
それにもかかわらず、住宅セクターの見通しを下方修正し懸念しています。
政府閉鎖により住宅ローンの承認プロセスが遅れたことも住宅市場の回復の支障のひとつの原因だと思います。
また、10月のQE縮小開始による金利上昇を想定した駆け込み需要がここ数ヶ月あったので、これからはその反動が懸念されます。QE縮小開始先送りにもかかわらず、住宅セクターは幾分減速ではなく、その減速のスピードが急に上がることが予想されます。
このようにQEの現在の規模を維持して住宅ローン金利を低く維持しても、住宅セクターの見通しに懸念があるのに、さらに12月といった早期にQEを縮小することは考えにくいです。

住宅市場は、投機筋が乱高下させる金融市場と違って、そのトレンドの時間軸はもっと長いものです。一度方向性がでて慣性がつくとなかなか軌道修正は難しいです。これから先数ヶ月でまた上向きにもっていかないと、再び住宅市場は下降トレンドに逆戻りです。12月までの短い期間にでてくるような指標では住宅セクターの動向は判断できないと思います。雇用統計での雇用者数の増減は小売業などの短期のアルバイトがメインですので、数日~数週間単位で雇用されたり首になったりしますので変動は激しいですが(それでも全雇用者数からみればノイズ程度の数字)、住宅を買うのは30年ローンで一生に一度です。その流れはもっと長いスパンでみなければいけません。
住宅市場は実需で決まりますので、マーケットの投機筋の反応と違い実体経済に沿った動きをみせます。米銀の住宅ローン部門の人員整理広がっています。住宅ローンを主に手がける地方銀行の収益見通しはかなり悲観的です。また、同じくローン性の資産である自動車市場も急ブレーキがかかっています。
これらの実体経済の動向からみると、住宅セクターの減速は一過性のものではないと思われます。住宅セクターが減速してMBSが不良債権化すれFedのバランスシートも痛みます。そうなればドルの信用性はますます低下します。


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[ 2013/10/31 09:58 ] 市況 | TB(0) | CM(0)
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