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米中新冷戦は勝負アリ


量的緩和により大量に供給されたドルは、ほとんどがFRBにある民間銀行の準備預金(当座預金)口座に預けられたままです。
銀行などの金融機関は準備預金制度によって、一定の準備額を中央銀行の準備預金に預け入れることを義務付けられています。準備預金のうち、所要準備額を超える額は超過準備額(ブタ積み)として積み上げられています
もっとも、それは完全に死蔵されて、まったく市中に出回っていないわけでもありません。
中央銀行が量的緩和によりドルを市中の銀行に供給すると市中銀行による信用創造によってマネーサプライが増加します。市中銀行は、一定の準備額を満たしてさえいれば、更にドルを供給して増やすことができるのです。その信用創造が連鎖すればネズミ講のようにドルは増え続けます。
さらに、超過準備金に対しては利息が付いています。この付利はアメリカ国民や世界中の人々からのインフレ税で徴収した利益を、投資銀行などのウォール街のユダヤ金融資本家に還元する補助金といえるものです。この補助金はタダで得たものですから、損をしても痛くもかゆくもありません。そのため、ノーリスクで投機というギャンブルに使われます。
中央銀行の当座預金にたくさんドルが積まれているので、バーゼル合意によるBIS自己資本比率規制もクリアできます。

この量的緩和は、株や不動産などの資産インフレによるバブルによって資本家の富を増やしていますが、中間層、貧困層には資産効果やトリクルダウンの恩恵はありません。量的緩和開始後、平均的な個人所得は増加していません。これはアベノミクスの日本でも同じです。
所得が増えない以上、個人消費は増えず、どん底からの循環的自律反発のノイズを除けば、一般的に言われている緩やかな景気回復はほとんど観測できません。国全体の経済のパイの縮小傾向は止まっていません。

個人消費が増加しないこともあり、物価関連の指標の数字は上がっていません。
そのため、アメリカのQEによるインフレは抑制されていると言われています。
もっとも、FRBは、ドル紙幣と金の兌換を停止したニクソン・ショックの後、ドルの購買力の減価をごまかすためにインフレ指標をなんども変更してきました。1978年以来、20回以上変更してきたそうです。
現在のインフレ率を1980年当時の方法で計算し直した場合、今のインフレ率は約8%(10%以上との試算もあり)になるようです。
アメリカのインフレは本当に抑制されているのか?

特に上昇しているのが家賃、医療保険費、学費、光熱費、食料費です。これらはハイパーインフレとまではいえないもののギャロッピング・インフレーション状態です。生活費で特に重要なものばかりが値上がりしているので国民の生活水準は低下しています。
家電やパソコンなどの耐久消費財の値段が下がるのは技術革新とグローバル競争で当たり前です。こういう特別必要のないものや買い替えのサイクルの長いものの値段が下がったことでインフレが抑制されているというのは、一般の国民の生活感に反しているといえます。

このように量的緩和によって大量に供給されたドルは国内の株や不動産などの資産バブルと実質的なインフレをおこしました。しかし、それはあまりに大量であるために国内にとどまらず世界に流れだしています。そのため、アメリカのインフレは世界中に輸出されることになっています。じゃぶじゃぶに余ったドルはホットマネー(短期資金)として世界中にあふれ出してワールドダラーを膨張させています。
アメリカは、金融緩和政策によってインフレを輸出したり、相手国にバブルを発生させたりすることによって、敵対国や潜在的なライバル国を潰してきた歴史があります。冷戦時のソ連、冷戦終了後用済みになった日本、ユーロ誕生後の欧州などです。
そして今、アメリカがインフレ輸出のターゲットにしているのが中国です。アメリカ国内は成熟して成長が止まっているので投資先がないのでドルが余ります。余ったドルは成長が継続して投資先のある中国に流入します。

中国は過去のアメリカの戦略と他国の過去の失敗を研究しているのでこれに対抗策をとっています。
中国当局は管理フロート制(管理変動相場制)を採用して、為替相場を管理しています。人民元の為替レートが大きく変動しないように国内に流入したドルを買い取っています。この買い取ったドルは、中国の中央銀行である人民銀行の外貨為替資金残高として毎月公表されています。
ドルを買いとるために、人民元を供給することになるので、中国内に出回る人民元が増加します。そのため中国では人民元が希薄化して物価が上昇しています。不動産などで一部バブルのようなものも観測されています。そのため、ドル外貨為替資金残高の増減は中国のインフレ率とシンクロしています。
そして、外貨為替資金残高の増減はドル建の金価格の変動とも高い相関があります。金価格は中国のインフレ率と高い相関があるからです。
中国では預金金利が低く規制されており、不動産投資はバブルを抑えるため規制が強化されています。また株式市場は低調でリーマン後の暴落で失った信用を取り戻せていません。そのため、消去法で、購買力価値の貯蔵手段として金が選好されています。
外貨為替資金残高は、4月のQE縮小観測によって大幅に減少しました。金の急落があったのと同時期です。この外貨為替資金残高は、4月、5月に大幅に増加額が減少し、6月、7月になるとほとんど増加しないで横ばいでした。しかし、QE縮小先送り観測によって8月からホットマネーが再び増加しはじめました。それとともに金も上昇を再開しました。
人民銀行が10月29日付けで発表したデータによると、外国為替資金残高は9月末に、前月比で2682億元(約4.3兆円)の増加となったそうです。これは5カ月ぶりの高水準となりここにきてホットマネーの流入が加速しています。このように、ホットマネーの流入は9月になって加速していますが、9月になってからの金はシリアやアメリカの財政問題などの解決、QE縮小先送り観測の後退などを口実にして、売り方の仕掛けによって売られています。ここで短期資金の流れのギャップが生じています。しかし、売りは思惑だけですが、中国へのドルの流入は事実です。
中国へのドルの流入をみる限りQE縮小先送り観測に後退は見られません。それを裏付ける現実のマネーの移動があります。遅かれ早かれ、今の短期筋の金売りは修正を迫られると思います。
欧州指標が低調なため利下げ観測を警戒して一時的にユーロが売られドルが買い戻されて金も売られています。しかし、ECB利下げ観測のニュースはドルが弱くなった時これまでなんども流れてきましたが結局利下げはされませんでした。今週の政策委員会を通過すれば、利下げ見送りでは当然、また、利下げ決定でも材料出尽くしで再びユーロは買い戻されドルは売られると思います。そうなればドルの代替資産である金や原油も買い戻されると思います。また、今週の雇用統計でも弱い数字が予想されています。どっちにしても今のドルの買い戻しは一時的な調整と思われます。

中国当局はホットマネーの急増による物価上昇を抑えるために10月の下旬に人民元の市場への供給を減少させましたが、それが短期金利を急上昇させ株を急落させました。不動産バブルや物価上昇を抑えようとして人民元の供給を絞れば株価や景気が低迷するというトレードオフの厳しい状況になっています。これはアメリカの利己的な金融緩和政策の迷惑を受けている世界中の国にみられることです。
そのために、中国当局はこのジレンマに対応すべく、人民元の変動幅を拡大してドル安、人民元高を容認するような判断をしたようです。安価な輸出用の商品の生産から、国内向けの高付加価値の商品の生産への経済モデルのシフト、生産からサービスなどの内需へのシフトが終了すれば人民元高、ドル安は望ましいでのですが、それまでにはまだ時間がかかります。そのため急なドル安は中国にとっても都合が悪いのですが、インフレやそれを抑えるための金利上昇よる中国株下落よりはマシという判断なのでしょう。
アメリカとしては、中国にインフレ圧力をかけて不動産バブル崩壊に追い込みたいところですが、中国は、既得権益者同士の対立があって、なかなか正しくかつ迅速な決断が下せない民主主義の日本や、国内だけにとどまらず国自体がバラバラなユーロとは違います。一党独裁のトップダウンによる規制でインフレは制御できます。中国の銀行は共産党の管理下にあります。また、バブルとは過去の資本主義の歴史をみればわかるように、成熟して成長がとまった国で発生するものです。中国では人口も増加し、都市化もインフラ整備も完成していませんので成長余力があります。成長が伴う債務の増加は資本主義の成長の上で健全なマネーサプライの増加の帰結です。一部で資本配分の非効率性があってゴーストタウンや空き部屋、過剰投資の企業が発生してもそれは個別の事象であり、日本などでもみられた成長期の付随的な現象です。国全体としてみた場合はバブルではありません。
たとえ、部分的なバブルが弾けたとしても、不動産投資した地方自治体などを救うだけの財政余力が中国にはあります。過去のバブルの救済で政府債務が積み上がって、後がないアメリカや日本などの先進国とはちがいます。アメリカは量的緩和による今のバブルがはじければ終わりです。株や不動産のバブルはリーマンショックのときと同レベルです。また、金利スワップバブルはリーマンショックのときのサブプライムバブルとは比較できないほどの破壊力をもっていると思われます。欧米のメディアが煽る中国のシャドーバンキングの理財商品や不動産バブルのショックはその数十分の一でしょう。救済不能のラスト・バブル崩壊でアメリカは完全に信用を失い、狼少年と言われ続けてきた米国債バブルが崩壊します。そして本丸であるドルバブルがついに破裂します。ドルの時代はほとんどの人の予想を超えた劇的なスピード終了することになります。ドルの楽観論者の主張はノーベル賞をとっていようが単に希望的観測による願望にすぎず説得力がありません。むしろ、終末論者、破滅願望者、陰謀論者と言われている人のドルの見通しのほうに説得力があります。
信用を失えば終わりです。信用がなくなればドルの需要は一瞬でなくなり、市場の流動性はあっというまに失われドル市場は崩壊します。それはリーマンショックの二番底レベルの破壊力ではすまないと思います。不換紙幣の信用を裏付けるのは、結局は税収ですが、アメリカは経済成長が頭打ちである以上税収の伸びは期待できません。
結局、中国がインフレやバブル崩壊でアメリカに潰されるより前に、ドル崩壊によってアメリカが自滅的に潰れると思われます。
アメリカは既に米国債を大量に保有されています。今後、中国からの米国債の購入に頼られなくなればQEを拡大してFRBが財政ファイナンス(マネタイゼーション)によって米国債を買うしかありません。
それはドルを希薄化するだけでなく、FRBのバランスシートを悪化させることになります。
金兌換を禁止したことで、FRBは、その発行するドルと金を交換する法的義務から開放されました。その代わりに努力目標であるインフレ抑圧でドルの価値を守るという口約束をしました。しかしその口約束は量的緩和という名の財政ファイナンスによって台無しにされることになります。それは信用を失わせます。その帰結がドルの崩壊です。不換紙幣になったといっても、結局は義務の完全免除はありえないのです。
ドルが崩壊はイコールアメリカという国の崩壊です。リセットというわけにはいきません。アメリカの自滅によって遅かれドルは崩壊しますが、その崩壊を早めるトリガーは中国が握っています。
中国とアメリカの戦いはすでにチェックメイトだと思われます。

ドルが崩壊すれば、ドルのシニョレッジに頼っていたアメリカ国民の生活水準は大幅に低下します。そもそも不労所得で世界中の労働や資源を大量に消費していたわけですから、それは正常化といえるかもしれません。生活水準の低い国に魅力はありませんから、移民の流入は減少してアメリカの人口は減っていきます。

投資銀行や保険会社、カード会社などの金融関係の企業はすべて吹き飛びます。ウォール街は終わりです。

製造業は既に空洞化しています。そもそも労働者を効率化によって減らし、自らも社員数を多く必要としていないハイテク企業やIT企業では国民全ては養えません。

ファイザーなどの製薬会社は、副作用の強い血圧やコレステロール、抗鬱剤などの毎日死ぬまで飲み続けさせられる高額な薬で安定してボロ儲けしてきました。しかし、それらのドル箱の薬の特許期間が切れ始めてきています。インドなどのジェネリック製品にシェアを奪われるでしょう。アメリカの製薬会社は、WTOをバックに特許権を他国に守らせるように圧力をかけています。そのため、開発途上国では多くの人がAIDSやマラリアなどの薬を安価に入手することができず、その人命が失われています。アメリカの製薬会社のレントシーキングは長続きしません。現代のイノベーションをもたらした技術の多くは、民間私企業の自由競争による研究・技術開発よりも、採算を度外視できる基礎研究や長期的な研究ができる国が支援した研究機関から生まれています。技術革新のためのインセンティブを口実に特許権を過度に保護する必要性はそれほど高くありません。

マクドナルド、ヤム・ブランズを代表とするファーストフードやコーラなどのアメリカの食文化、ロックやポップス、ヒップホップといった商業音楽やハリウッド、ディズニーなどのエンターティメント産業、リーバイスのジーンズを象徴とするアメカジ、ナイキ、ラルフローレン、アバクロ、ティファニー、コーチなどのアパレル産業、これらアメリカ文化の輸出も、それぞれの国の独自文化に合わせた模倣、個々の人々の価値観や趣味の多元化でこれから衰退していくでしょう。

IT産業も飽和状態です。グーグルを除けば、厳しいと思われます。
利益を度外視して売り上げだけを重視するAMAZONの囲い込み戦略も当初は成功すると思いますが、ウォルマートなどの海外進出が苦戦しているのと同じように、小売はドメスティックな企業がその国にあったきめ細やかな対応ができるので強いと思われます。広告に頼らざるを得ないフェイスブックもこれ以上は広告を増やせないと先日の決算で認めていました。ビジネスモデル的に限界だと思います。アメリカのティーン・エイジャーはフェイスブック離れが既に進んでいるそうです。そもそもアイデア自体は目新しいものではなく、また、独自の技術も必要ではないので、容易に模倣できるビジネスモデルです。独占や寡占の維持は厳しいと思います。独占できなれば、このビジネスは、それほどうまみはありません。
上場するツイッターはすでに利用者が減っているのでもっと厳しい状況だと思います。

スマートフォンの普及と技術革新とグローバル競争による価格破壊でPC産業は厳しくなっています。マイクロソフトとインテルも今すぐ潰れることはないと思いますが、今後はポラロイドのように斜陽産業として急激に衰えていくと思います。
ハードから脱したIBMもビジネスモデルに限界が来ており、成長が頭打ちになっています。シリコンバレーのゴールドラッシュは終了したようです。
PCからシェアを奪ったスマートフォンのアップルも、流行り廃りの激しい端末の世界です。キャッシュはまだまだ潤沢ですがアップルの復活後の大躍進もそろそろ頭打ちでしょう。

虚業ばかりのアメリカ産業のなかでは比較的、堅実なキャタピラーやボーイングなどの実業企業も苦戦しています。キャタピラーは決算が芳しくありませんでした。製鉄、造船、自動車、家電などと違い、新興国のメーカーなどの新規参入によるキャッチアップが難しい重機の世界ですが、キャタピラーも品質ではコマツや日立建機に負けます。価格ではもちろん韓国や中国の激安商品に勝てません。かつて太平洋戦争において飛行場建設で大活躍したキャタピラーですが、日本の高性能商品と新興国の激安商品との間でシェアを奪われて微妙な立ち位置になってきました。
ボーイングも次世代の旅客機の中心となる中型機開発に暗雲が立ち込めています。新型の中型機のトラブルが毎日のように報道を賑わせおり機械的信用性が失われつつあります。一方、タフな欧州のエアバスの新型機の受注が増えており(日本航空も初めてエアバスの導入を決定)、今後大きくシェアを奪われる可能性があります。

技術革新によって防御兵器の性能が格段に向上して、高額な攻撃用兵器の需要を減らしています。技術開発にも生産にも維持にも膨大な金がかかるアメリカの空母打撃群ですが、その何分の一の低予算の対艦ミサイルでそれを無力化することが可能になっています。空母が接近できなければ航空機の作戦時間が減ります。それは燃料を食う対空ミサイルの退避を困難にします。対艦ミサイルの全てを無人機や長距離爆撃機で破壊することは無理です。ICBMの核攻撃でも無理でしょう。結局、安価なミサイルですら使うことなくアメリカから国が守れる時代がやってきました。
CPの高い中国やロシアの防御用兵器や戦闘機の人気が高まり、高価なアメリカの武器の輸出は厳しくなると思います。開発が思うように進まず研究費に莫大なお金がかかったオスプレイは少しでも元を取り戻すために、必死に日本に売りつけるアピールをしています。しかしアイデア先行の試作品レベルの機体であり、実用的ではありません。実際の運用用途がほとんどないため他国からの受注は、お付き合い程度しか見込めないと思われます。

かつてトンデモ学者のフロイトは同じユダヤ人のアインシュタイン宛の手紙で戦争は人間の性なので人類から戦争はなくならないと断言しました。しかし、ミームの進化により戦争は確実に減ってきています。国対国の大規模な戦争は想定しにくくなっています。人類は、保守右翼や軍産複合体やユダヤ金融資本家を抑止するだけの知恵をつけてきました。マケインやヒラリークリントン、安倍、橋下、石原などの好戦的な政治家は既にオールドタイプで時代遅れです。資本家がメディアをコントロールしてメディアリテラシーの欠ける大衆の右傾化が進んだとしても、最終的に彼らのようなオールドタイプの政治家の暴走を許すような時代ではもはやありません。アメリカは、日本と中国の関係を煽るなど世界中の紛争を煽っていますが、今後武器の需要は減少していくと思われます。アメリカ国内でも無駄な財政支出の削減の要請でまっさきにやり玉にあげられているのが軍事費です。アメリカの財政は限界に来ています。これから中国からの融資も期待できないのにもかかわらず、医療費と国債の利払いだけが増えていきます。戦争ごっこをして高価な武器を集めるだけの余裕はもはやありません。

ドルが崩壊した後は、経常赤字を維持できませんので、何かを生産して輸出しないといけません。今の経常赤字のギャップを埋めるだけの新たなものを生産する必要があります。しかも、既存の企業の成長が頭打ちになっており、その成長の鈍化を補うだけの新たな産業を起こす必要もあります。シェールは短い間ではありますが、多少は国内の需要を補うことはできます。しかし、それでアメリカがエネルギー輸出国になれることはありません。

アメリカは世界中から優秀な人が集まっているし、世界の共通言語は英語だから、これからもアメリカでイノベーションが生まれるとかいう楽観論もありますがその根拠に説得力がありません。今までそうだったからといってこれからもそうだということにはなりません。

女性の社会進出によってアメリカなどの先進国の国民の平均的IQは低下している可能性が指摘されています。優秀な女性は家庭の仕事よりも、従来は男性の仕事とされた仕事を重視するようになります。優秀な女性は大学などの高等教育に進むことが多くなり晩婚化が進みます。また仕事が忙しく出産に時間をなかなかさこうとはしません。仕事から産休で離れればライバルの男性に差をつけられます。政治の世界や公的機関などではアファーマティブアクションでそのハンデを補い、むしろ女性であることが出世の武器になりますが、一般の私企業の場合は結果と生産性が重視されます。
優秀な女性の子供を生む数が減少すればそれだけ優秀な子供が生まれる数が減ります。スティーブン・ピンカーなどの進化心理学者によると人間の知能は育ち(生後の環境)よりも生まれ(遺伝子)の影響がはるかに強いそうです。
アメリカの価値観からみると女性差別的とされるイスラム圏での出生率は高いです。どっちが女性にとって幸福かはわかりませんが、人類は、分業によって、それぞれの個人の強みを生かした専門性に特化(及びその労働価値を交換する貨幣の発明)することで、経済を成長させてきたのは事実です。東大話法的にあえて誤解をおそれず批判を覚悟に言えば、個々人だけでなく一般論としての女性と男性に向き不向きの仕事があるのも事実です。家電の発明までの人類の長い歴史で女性が担当していた仕事を蔑視する傾向が西洋のジェンダー思想にはあると思います。ユダヤ金融資本は短期的な利益のために女性を労働市場に動員することを奨励しました。ゴールドマン・サックスなどの投資銀行も積極的に女性を採用しているようです。しかし、長いスパンでみた場合、行き過ぎたジェンダー思想は少子高齢化と国民の平均知能低下を招き、就業労働者数減と労働生産性低下で国力を落とす懸念があります。
労働生産性の低下といえば、学費の高騰で大学へのアクセスが困難になっています。アメリカの大学には世界中の優秀な人間が集まっていますが、近年多いのはインドや中国からの留学生です。かれらは10億人以上のなかから抽出されてきた頭脳です。
中国などからアメリカに留学した秀才たちの一部はアメリカに留まるでしょうが、文化や価値観の違い等で、多くは衰退したアメリカを離れ本国に戻ると思います。彼らはバガヴァッド・ギーターや老荘思想などの東洋思想に親しんでおり、また、非常に知能が高いこともあってそれほど享楽的でもありません。投資銀行やコンサルティング会社に入って金銭欲を追求する人はそのなかでも比較的レベルの低い人たちでしょう。結局は明治維新のときの日本人留学生のように彼らはアメリカの既存の技術や知識をコピーして本国に持ち帰ります。それはアメリカの知的財産やソフトパワーの海外流出につながります。

中国は我々と違って新しいものを生み出すことはできないという中国脅威論に対するアメリカのステレオタイプ的な反論は、高度経済成長下にあった日本に対してなされたものと同じものです。
脅威に対する認知的不協和を解消するための、差別的意識に基づく上から目線の強がりにすぎません。

ドルが崩壊してドルの基軸通貨としての特権を失ったアメリカに敗者復活するだけのイノベーションの力はもはやないと思われます。再び、IT革命のようなミラクルがおこって新産業がアメリカを復活させるというのはあまりに楽観的で夢物語でしょう。そしてドルの命運は中国の手中にある以上、アメリカはすでに中国に頭が上がらなくなっています。
もっとも、アメリカが覇権国から脱落した後に、中国が中華思想でアメリカの代わりに覇権国家になるつもりかといればその可能性は今のところは低いと思います。アメリカの失敗をみてきているので、今のBRICS諸国やASEANやEUとの関係を維持して多極化への道を選択すると思います。その上で国連やIMFなどの国際機関の権限を強化してそこでイニシアチブをとるつもりでしょう。将来的にはインドとの新冷戦が始まる可能性もありますが、それは何十年も先の話だと思われます。また、人民元そのものを基軸通貨とするよりも、バスケット通貨を選択すると思います。習得するのに時間がかかる英語が共通言語から脱落してエスペラントが共通言語となる可能性はそのネットワーク効果から極めて低いですが、基軸通貨がドルからバスケット通貨形態の世界共通通貨にシフトするのは信用と技術的な問題にすぎないので、一般に言われているより容易かつ迅速に行われると思います。
多極化は中国にとって国益にかないます。国益を満たせば10億人以上の国民の世論の支持を得ることができます。膨大な人口の中国では、ひとたび大衆がインフレや不況などで不満が爆発して政府転覆の内乱がおこせばこれを抑えることはできません。それが中国の歴史です。そのため、中国の既得権益者である共産党内での出世のためには国益を優先し大衆の不満を抑える必要があります。それが結局は政治家の個々人の承認欲求を満たすことになります。
アメリカの価値観であるフロンティア精神は、個人の幸福をひたすら追求し、他人との競争に勝利して相手の土地や労働力を奪って物欲を満たし、制圧して支配した相手に価値観を押しつけるというものでした。それが今もアメリカの政治家の政治判断のベースになっています。しかし、それは個よりも全体を重視する東洋の思想や価値観と相容れません。そのため、中国の政治家はアメリカのような覇権国になる選択はしないと思われます。
アメリカの敗北はドルの敗北だけでなく、アメリカの価値観などのソフトパワーの敗北でもあります。


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[ 2013/11/03 09:58 ] おすすめ | TB(0) | CM(5)
こんにちは。
今話題の新書「原発ホワイトアウト」昨日から読んでいます。
小泉元総理の原発ゼロ発言の裏に何があるのでしょうか?
[ 2013/11/04 13:50 ] [ 編集 ]
廃炉利権らしいよ。

日本にそのノウハウがないからまた外資の操り人形やってるんじゃない。

あと日本を核廃棄物の最終処分地にするとかいう世界的なアジェンダがあるとか無いとか?

小泉=最低な奴というのは、皆さんの知るところ。

ヨコレスすまそ。
[ 2013/11/04 20:51 ] [ 編集 ]
ジェンダー論
質量ともに大論文ですね!

ブランド大学(文系)にすべりこんだものの専業主婦できたわたしとしては微妙な気持で詠みました(笑)

西洋哲学でもイヴァン・イリイチのシャドー・ワークは、ジェンダー論とは違うようですね

ジェンダー論については、都市のーとくに職住が遠い夫婦(同性の“夫婦”でも同じことなのですが)については、共稼ぎは家事省力家電によって、従来要らなかった家電(ふとん乾燥機など)が作られることになり、製造・使用・廃棄全過程において環境破壊が起きることには疑問をもっていました。
[ 2013/11/05 09:56 ] [ 編集 ]
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[ 2013/11/05 09:59 ] [ 編集 ]
小泉氏の“脱原発”
 モモさんは廃炉利権だろうという推測していらっしゃるわけですね。わたしはメガソーラーにかかわるメーカーから政治資金をもらったのかなと
おもっていましたが。あるいは両方かもしれません。
 食料自給率が低い日本で、メガソーラーなどを増やしてどうするのかと思います。
 太陽光発電は原発と同様不安定な発電装置なので(原発が安定的電力提供設備とされてきたのは嘘です。危険なので何かあるとすぐ
止めなければならないし、3か月もの定期検査も1年(最近2年ごとにしたかも)に一度しなければなりません。その休んでいるあいだの
ために同出力の火力発電所を必ず横に建ててきたのです。メガソーラーも同じで石油頼みなのです。
 農地に使えるかもしれない土地をメガソーラーにしてしまったとき、除草剤も大量にまきます。背の高い草が生い茂っては太陽光を
さえぎるからです。また土はもちろん荒れてしまいます。
 
 日本が世界の核廃棄物処分場にされるのではということはとても心配です。リニアコライダーとかいうものを、北上山地の下を掘って造るという案、岩手の国会議員は一所懸命誘致していますが、こんな装置はそれ自体食う電力がすごく、出す放射能も心配、しかも寿命が何十年か程度なので、その後処分場にするのではないかと、東北の心ある人たちが懸念しています。ヒッグス粒子が何とかと大騒ぎしているのはリニアコライダー誘致世論を盛り上げるための虚構ではないかと
疑われます。

 さっき 読む を 詠む と間違えて入力していました(汗)
[ 2013/11/05 10:22 ] [ 編集 ]
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