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ハイパー・イエレン


イエレンの議会証言後、マーケットは再びリスクオンになっています。
円キャリートレード再開で円は売られて、株価が上昇しています。金も多少反発を見せています。
議会証言でイエレンがサプライズのタカ派発言をするのではと一部警戒されていたところ、結局、現状維持を表明し、更には若干ハト派色を強めた発言をしたためです。
イエレンは、バーナンキより一歩踏み込んで失業の長期化を懸念しました。さらに、付利の引き下げを選択肢にする発言までしています。
バーナンキは、7月の議会証言後の質疑応答で、ネバダ州選出の共和党議員ディーン・へラーに金について質問されてこう答えました。金は、投資家が災害保険として保有しているものである。誰も金価格についてあまりよく理解していないし、私も理解しているように振る舞うつもりはないと。
今回の議会証言で、イエレンもディーン・へラーから金について質問を受けています。そこで、こう答えています。
「私は、誰も、金の価格が上がるか下がるかの優れたモデルをもっているとは思わない」
これは、金価格について理解していないとしたバーナンキと同じです。ロゴフなども実証的に短期の金価格を予想することは不可能に近いとしています。マンデルブロも市場の短期の予想を過去のパターンから統計的にするのは数学的にきわめて困難だとしています。しかし、落ち着いていたボラが一気に大きくなるのは予想できるとしています。そのボラは金融危機になれば生じます。
事物の結果の原因は一つではなく、多くの要因が寄与していることがほとんどです。しかし、人間の脳は因果関係を単純化してその原因を単一なものにしたがる傾向があります。そのほうが思考経済に資するからです。そのヒューリティックは普段は便利ですが、ただの相関を原因と誤解させたり、寄与度の低いものを過大評価させたりする危険があります。
物価や金利や原油価格など、一元的な要因だけで金価格の変動を事後的に説明し、それに基いて将来の価格を予想しようとするアナリストなどの市場関係者も多いようですが、そういう単純かつ怪しい人の意見は参考にならないと思います。もっとも、ドル(ユーロドル、ドルインデックス、ドル実行レート、人民元)の為替価格のみで中長期的なある程度の金価格の方向性を予想することは個人的に可能だと思います。

もっとも、イエレンは金価格の予想の優れたモデルはないとしながら、「しかし、確かに、金は金融市場の破綻、経済トラブル、テールリスクなどを人々が恐れているときに保持したい資産です。金融市場に混乱がみらえるとき、人々は金にしばしば避難し金価格は上昇する」との発言もしています。
金価格の予想は難しいとしながら、その保険の価値は認めているのはバーナンキと同じですが、より金の保険の価値を強く認めた発言をしていると思います。
上がるか下がるかの予想の難しいものは、キャピタルゲイン狙いの投資には向きません。
しかし、なにかあったときに備えて買う保険としての意味はあります。
今、アメリカの株のバブルやアベノミクスで儲かっている人もいつ吹き飛ぶかわかりません。
ブラックスワンで有名なタレブは、そうやってブルの人がトレンドに乗って儲かっている間、後ろ指をされながらも、逆張りで保険としてのオプションをこつこつ買いつづける投資手法を貫いきていました。結局、ブラックスワンの金融危機が発生し、マッチョで羽振りのよかった人が全員吹き飛んだ後で、彼は生き残りました。彼が最終的に正しく勝者となったのです。
タレブは、イエレンの議会証言後、今のバブルを警告する以下のような発言をしています。
グリーンスパンとバーナンキは金融緩和によって政府債務を増加させたが、それはカタストロフィの確率を高めている。景気回復は見せかけだけで、中間層や納税者が犠牲になっている。今までも、金融緩和による政府債務増加は戦争の資金調達のためのものであり、成長のためのものではなかった。たとえ、ケインズでも成長のための量的緩和政策は推奨しないだろう。
ネガティブな終末論や破綻論ばかり述べて不安を煽り、それをビジネス(恐慌ビジネス)にしている人は、アメリカでも日本でも多く、そういう人を陰謀論者とかトンデモとかレッテル貼りして、胡散臭く思っている人は多いと思います。
しかし、タレブは豊富な知識と論理性を持っているので信用に値する人です。名門大学出身、主席卒、現役司法試験合格、MBA、有名投資銀行・コンサルタント出身、成功したファンドマネージャー、大金持ち、名門大学の教授・名誉教授、ノーベル賞など肩書と権威はすごくても、言っている内容は適当で“まぐれ”っぽい人はいっぱいいますが、信用に値する人は少ないと思います。
タレブと同じように、ネガティブな予想しかしない人ですが、同じように信頼できる人としてはマーク・ファーバーもあげられると思います。
マーク・ファーバーは一貫して悲観論です。しかし、悲観論をいい続ければいつかは当たるという狼少年レベルの人ではありません。その発言に説得力があるため、多くのメディアに取り上げられているのだと思います。
そのマーク・ファーバーも、イエレンの議会証言後のブル相場をみて、以下のように発言して、いままで以上に踏み込んでバブルを警戒しています。
1980年には米国の株式市場の時価総額はGDPの40%未満だったのが、今では100%以上になっている。政府債務も三倍近くなって、GDPの300%に達している(この数字はマッキンゼーの試算と一致)。過去の経済危機に対処するための金融緩和政策で市場の資源再配分機能はマヒしている。あまりにも拡大した投機とレバレッジで、資本主義経済システムは終了する。
成熟して成長がとまった経済のドーピングとして、また、バブル崩壊後の経済危機を乗り越える副作用の強い抗癌剤として、金融緩和政策は続いてきました。
民間の銀行の小さいバブルはいくつも生じては破裂してきましたが、その外側にある大きなFRBとアメリカ国家のバブルは一貫して今も拡大をつづけています。
このラスト・バブルのチキンレースのブレーキはもう間に合いそうにありません。サマーズになんとかブレーキを踏ませようとしましたが諦めたようです。どうせはじけるなら最後に一花咲かそうとアクセルを踏み込む役を任されたのがイエレンでしょう。


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[ 2013/11/18 12:42 ] 要人発言 | TB(0) | CM(2)
最後の一花
財政赤字がどのくらい膨らもうと、これが最後とたっぷり緩和して、たっぷり兵器メーカーへの支払い資金を創出し(→財政赤字の増加)、それでロスチャイルドが予告していたWWⅢをしようという魂胆ではないでしょうね。心配です。
[ 2013/11/18 23:27 ] [ 編集 ]
katsukoさん、こんばんわ。
財政赤字が膨らんで、それを棒引きするために量的緩和でインフレを起こそうとしたけど、ディスインフレになってきたので、最後にどばっと緩和するってところでしょうね。
QE縮小は一応、FRBの信頼のために一応開始するけど、結局、最初だけで、停止まではいたらないって感じでしょうか?
QE縮小と合わせて付利を下げて、銀行に国債を買わせるつもりでしょう。
[ 2013/11/19 00:26 ] [ 編集 ]
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