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デフレは悪ではない


デフレの原因は、成熟経済、グローバリゼーション、技術革新、人口動態などの構造的なものです。
リフレ派が信じるセイの法則はそもそも理論的に破綻しています。少なくとも新興国などの成長経済でしかあてはまらないものでしょう。
デフレは先進国の成熟経済においては当然の帰結です。老いは悪ではありません。
もちろん、デフレは中央銀行の責任でもありません。
無理に成長を目指すのは定年退職後に、退職金を使ってリスクのあるベンチャーにチャレンジするようなものです。

ロイターのコラムは河野龍太郎氏や、佐々木融氏などの面白いものもありますが、総じて所属団体のプロパガンダにすぎない記事ばかりで読むに値しません。
ちょっと気になる記事があったのでつっこんでみます。

コラム:ECBと日銀が示唆した追加緩和の分水嶺=嶋津洋樹氏

嶋津洋樹氏は、実質所得の減少が実質消費を抑制するとの懸念は非常にもっともなことではあるとしつつ、この懸念に2つの疑問を投げかけっています。
1つ目の疑問は、給料が減った場合、それ以上にモノの価格が下がっていれば、財布のひもを緩めるかということです。
嶋津洋樹氏はNOといっていますが、実際はイエスだと思います。
消費者の購買決定要因でもっとも重要なのは価格です。
アンカリングのプライミング効果により、同じ商品が以前より安くなれば、人は無意識にその商品が欲しくなるものです。この効果は心理学上さまざまな検証がおこなわれており、非常に強力なものであることが明らかになっています。

一方、所得が下がっても人は生活水準をなかなか下げることができません。
一度覚えた贅沢は忘れられないからです。
いわゆるラチェット効果で所得が減少しても消費が減るまでにはタイムラグがあります。
米個人消費、ラチェット効果の崖

ラチェット効果により賃金減の影響は緩和されますが、価格下落の誘引に人は逆らうことは難しいために、人は財布のひもを緩めることになります。


2つ目の疑問は、持続的に価格が上がるとわかっている場合と、下がるとわかっている場合とで、モノを買うタイミングは変わるかということです。
嶋津洋樹氏はYESといっていますが、答えはNOだと思います。
消費増税といった、ある段階で価格がはっきりと上昇するような場合は確かに駆けこみ需要があります(もっともその後反動減があるので相殺されて経済的にはプラマイ0ですが)。
しかし、インフレで少しずつモノの価格があがっていくときに、国民が選択するのは消費ではなく貯蓄です。
消費者目線でいえば、物価が上がって行く時は将来に備えた節約しようとするからです。
インフレ率が高く実質的金利がマイナスのため、消費しないで貯金していると、貯金目減りするからといって、すぐ使うということはありません。貯めて置けばそれが全部なくなるわけではありません。使えばすぐに全部なくなります。
リフレ脳の人の脳内理論とは相反して、現実では実質金利が低下しても消費性向は高まりません。
そもそも日本の消費性向は非常に高いものがあります。物価上昇による可処分所得低下の予測によって消費性向はむしろ下がることになります。
インフレ率の高い中国などの国での貯蓄率は総じて高いものです。

日本経済は失われた20年といいますが、実際、この20年で国民の生活レベルは格段に上昇していると思います。格差がアメリカやイギリス同様、先進国中ワーストレベルになった今でも、貧困層の暮らしは絶望的なアメリカに比べるとマシでしょう。セーフティネットが充実していますし、治安も相対的にいいです。
このGDPや企業収益といった数字に現れないような生活水準レベル向上とその維持を可能にしてきたのが、強い円とマイルドなデフレでした。
いま、安倍や黒田がやっていることは、金融機関や日本を捨てて海外移転したメーカーや海外の資本家や日本の一部世襲資本家を潤すだけで、国民の生活を破壊しているだけです

カモメ 野狐禅


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[ 2014/09/09 18:23 ] おすすめ | TB(0) | CM(0)
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