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雇用統計のからくり


メディアの論調では、アメリカ経済が絶好調の一人勝ちで欧州と中国と日本は負け組とされています。
とはいっても、アメリカは、金融危機後、平均回帰すれば2%程度の成長率の低空飛行です。(それも大幅減からの反動の域をでていません)。しかも、2014年前期は1%程度まで減速しています。これに対して、日本やアメリカの右翼系経済メディアにオワコン扱いされ続ける中国は安定の7%以上の成長率をキープしています。アジア開発銀行の新チーフエコノミスト、シャンジン・ウェイ氏も、中国の経済成長率について、今後5年間は毎年少なくとも7%となる公算が大きいとの見通しを示しています。
また、欧州も、ドイツなどは成長率も平均回帰すれば、アメリカと変わりません。経常収支、財政はアメリカより強固でさらに改善されています。
アメリカ景気回復のシンボルである失業率の低下ですが、景気が悪いとされる日本の失業率は3.5%とアメリカよりもはるかに低い数字です。単純労働のサービス業などでは人出不足です。需要不足のアメリカと違って供給不足がむしろ問題になっています。
このように失業率の低下は、必ずしも景気の改善を意味するとは限りません。
日本の失業率が先進国のなかで低めなのは、非正規のパートタイム労働者の割合が多いからです。一つの仕事を多くの人で分け合うことで(ワークシェア)、失業者を減らし、その代わり、1人あたりの労働時間や賃金が少なくなっているのです。
これと同じ現象が、アメリカでみられています。オバマケアの影響です。アメリカの景気回復という粉飾のマジックをおこすことが、オバマケアの導入のもうひとつの目的だったようです。
スティグリッツらリベラル派から労働市場を軽視していると批判されることが多かったFRBですが、これを機に雇用統計を重視する姿勢に転換し、フォワードガイダンスの指標として利用するようになります。市場にこの数値に注目させることで景況感を煽りました。もちろん、GSなどの投機銀行もグルで、雇用統計の日はボラを大きくしてその重要性を印象づける手助けをしていたと思われます。
それにくわえて、公開オペレーションで株価が崩れそうなタイミングでPKOの買いをいれて株価を釣り上げ、アメリカの景気が回復しているように演出しました。
オバマケアは、週の労働時間が30時間以上のフルタイム従業員を50以上雇っている企業に対し、企業が従業員の健康保険料の一部を負担することを義務づけています。逆に言うと、フルタイムの従業員を週30時間未満労働のパートタイムに分けて置き換かえさえすれば、企業は従業員の健康保険料を負担する必要がなくなります。
1人のフルタイムを数人のパートに置き換える動きが加速したので、総雇用数は大幅に増えているのです。
そのために、米国では形式的には非農業部門雇用者数が増加し、失業率が低下しているのです。
米雇用統計の粉飾
労働市場が重要なのは、それがGDPの7割を占める個人消費に直結し、さらに残りの設備投資や住宅投資に間接的に影響を与えるからです。
しかし、既存の雇用統計の形式的な数字が改善しても、結局は一つの仕事を分けあっただけなので、実質的に全体の雇用・所得環境が大きく改善しているわけではありません。1人1人の労働環境の質は低下しています。金融危機後の大きな落ち込みからの過去のリセッション後の反動をはるかに下回るスピードで自律反発している程度の回復です。
所得の伸びがインフレ率スレスレなので、多くの貧困層、中間層はローンを組んで消費をしています。
しかし、それはいつまでも続きません。
FRBは、雇用統計のマジックが賞味期限切れになりつつあるので、自分で尺度を都合よく調整できる新しい総合的な労働指標を導入するようですが、アメリカの経済指標の信頼性はますます低下していくだけだと思います。


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[ 2014/10/03 19:37 ] おすすめ | TB(0) | CM(1)
非正規増加は通貨安固定の中国の影響
非正規雇用増大は先進国共通の現象では?
 中国の通貨安固定的な政策を放置してることがこの原因でしょう。
 だから金融緩和(≒通貨安化)の不足した先進国ではそういう傾向が強くなる。
 この点で欧州は危なく、日本も問題が多い
[ 2014/10/05 15:01 ] [ 編集 ]
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