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シェールバブル崩壊カウントダウン


以前、英国の学術雑誌ネイチャー(Nature)が、英国政府の元科学問題顧問のデヴィッド・キングや、世界的なシェールの権威である地質コンサルタントのアーサー・バーマンらの、シェールの生産性は最初の1年の採掘で60~90%低下するという説を掲載したことを紹介しました。
シェール革命、期待と現実の落差
先ほど、また、ネイチャーはまだ同旨の記事を掲載しました。
Natural gas: The fracking fallacy
原油価格揺るがすシェール革命、「2020年には衰える」(1)
原油価格揺るがすシェール革命、「2020年には衰える」(2)

OPECに対抗して作られた国際エネルギー機関(IEA)や米エネルギー情報局(EIA)は米国のプロパガンダ機関ですから、原油価格を抑えるために、新興国の需要見通しを低く見積もり、シェールの供給力を過大に評価する傾向があります。
これに対して、3年間ビッグ4のシェールガス層を研究してきた米テキサス大学研究チームは、EIAなどの見通しを「とても楽観的」と批判しています。
まず、EIAの分析の枠組みが雑であることを批判しています。テキサス大学チームの分析はEIAより平均20倍は精密だそうです。
また、いくらシェールガスが多く埋蔵されていても、生産コストが多くかかるフラッキング技術を使うためだ経済性がある採掘候補地は多くないことを指摘しています。EIAなどの楽観的な予測では、ボーリングが困難な湖の下や大都市周辺は未来開発候補地から除外していません。
米テキサス大学研究チームは、「米国のシェールガス上位4地域の生産量は2020年をピークに減少に転じるだろう」と予想しています。

実際に米国のシェールガス採掘許可件数は10月の7227件から先月は4520件と37.45%急減しています。
11月の米国の油井・ガス井掘削認可、40%急減 原油安が影響

来年の新しいリグ(掘削装置)を追加する設備投資計画を見直す企業が相次いでいます。
採算を合わせるために、生産性の低い鉱床での生産を減らす一方で主要鉱床では増産をするようです。そのためさらに油井の寿命を縮めることになりそうです。事業の継続はもとより考えておらず、稼げるうちに稼いで、あとは債務を踏み倒す狙いなのかもしれません。
米シェール、減産せず投資見直しか OPEC減産見送りで

米テキサス大学研究チームの予想はまだ楽観的といえるかもしれません。
カナダの地質調査で30年の経験を持つカナダスト石油地質学者デービッド・ヒューズが、アメリカ・シェール油の既存の生産データを用いて発表した最新の包括的分析によると、アメリカのシェール油盆地7つの三年間の油井平均減退速度は、60%~91%になるそうです。アーサー・バーマンの見積もりと同じです。

シェールオイルはとれる地域が限定されています。アメリカでは、ノースダコタ州のバッケン、テキサス州のパーミアン盆地、イーグルフォードの三箇所だけです。
シェールオイルは水平堀りのために、油井間の間隔はある程度距離が必要です。減退した油井の代わりに追加の穴を掘るにはさらに深く掘らないといけません。そうなるとコストがさらに上がります。
どんどん穴を掘らないといけないラットレース状態です。
設備投資のために金がいります。融資して、その債権をすぐ譲渡した金融屋だけがそのバブルで丸儲けしたようです。
シェールに参入した中小起業は利益がだせずどんどん倒産していきます。日本の商社や大阪ガスなどもババを掴まされました。

アメリカの在来型の油田は急速に減退しています。また、アメリカが輸入で頼っているカナダ、メキシコの油田も減退が著しいです。結局、アメリカはこれからも埋蔵量の多いリビアやイラク北部の油田に頼らざるをえません。そのためにカダフィを倒して、イスラーム国へ空爆を開始しました。
結局、シェールバブルは、一時的に原油価格を下げる働きこそありましたが、それで、米国がエネルギー自給できるようになって(たまに純輸出国になるという妄想の意見まである)経常収支が改善したり、アメリカの製造業が復活したりするような奇跡の革命にはならないようです。


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[ 2014/12/04 15:55 ] おすすめ | TB(0) | CM(0)
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