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一億総玉砕バンザイノミクス


日本のアベノミクスのリスクテークは海外からは無謀な政策だと認知されることが多いようです。
一部で、パールハーバーの再現、カミカゼノミクス、バンザイノミクスなどと呼ばれて揶揄されています。

太平洋戦争で反撃に転じた米軍は、日本が占領した太平洋の島を飛び石のように次々と攻略していきます。
補給線を絶たれ、物資も弾薬も尽きた劣勢の守備隊は、玉砕というバンザイ突撃を敢行して全滅しました。
玉砕の本来の意味は、玉のように美しくくだけ散ることです。
追い詰められて日本は狂気に陥り、この玉砕という言葉に酔いました。
基地外じみたバンザイ突撃の犬死の作戦はこうして美化されることになります。
アッツ島で始まった玉砕作戦は、他の守備隊にも伝播していきます。
もっとも、玉砕の流行は米軍の作戦遂行を容易にしました。
例外的に、玉砕作戦をとらずに、陣地に引きこもって長期戦をとった硫黄島では米軍には大きな被害がでています。
日本は追い詰められると起死回生の一発逆転を期して、無謀な作戦をとりましたが、これはプロスペクト理論の四分割パターンに該当しています。
そもそもハル・ノートを突きつけられて対米開戦に踏み切ったのが無謀でした。
ドイツは工業力がありましたので、少なからず勝算がありました。
ただ、ヒットラーは政治家として、世論操作、人材起用、外交、経済政策などは優秀でしたが、軍人としての才能はありませんでした。ヒットラーの度重なる戦略ミスでドイツは敗れ去ります。
しかし、日本はドイツと違って最初から勝算はありませんでした。
日本は、工業力で米国とは20倍以上の差がありました。個々の兵隊の身体能力や士気も米兵に大きく劣りました。装備や武器の性能も劣悪なものでした。
でももっとも問題があったのは、士官の能力でしょう。
日本の陸軍大学や海軍大学など士官養成組織は酷いもので、優秀な頭脳を抽出することができませんでした。
血気盛んでリスク志向の強いマッチョな人間ばかり出世していきました。
プロテスタントの国のアメリカの合理主義に対して、国家神道と武士道をその価値観とする日本の軍隊は合理主義からはほど遠いものだったと思います。
陸軍の大陸での既得権益を守るための対米開戦に反対だった海軍も、最後には一か八かの作戦をやってみたいと思うようになり、無謀な真珠湾攻撃作戦を計画しました。
ハワイなど本土に近いところを叩けば、アメリカの戦意を削いで、早期講和できるというあまりに読みが甘く楽観的な考えでした。
最終的に、陸軍からの予算の譲歩を得たことで、軍令部は対米開戦を決定します。
しかし、最大の問題は、対米開戦が圧倒的多数の国民の世論に支えられていたことです。メディアリテラシーにかけて、マスメディアや横並びの空気に簡単にコントロールされるのは当時も今も同じです。
明日は総選挙ですが、安倍政権が勝利するでしょう。
日本国民は座して死を待つよりも、対米開戦と同じように、無謀なアベノミクスにイチかバチかをかけるようです。
増税による財政再建といった痛みを先送りし、さらに借金をして経済成長させることにかけたのです。
しかし、アベノミクスの勝算は、太平洋戦争開戦と同じで、ほぼゼロでしょう。
安倍政権は必死で、平均への回帰を無視し、都合のいい時期や参照点との比較の統計結果や、母数を一部の大企業などに限定した調査結果などを提示して、実績をアピールしていますが、結果をみればGDPが2四半期連続でマイナスでリセッション状態です。
実質所得は消費増税前からすでに低下しています。通貨安でも輸出量は増えず、設備投資も低調です。

将来の物価高見通しや財政悪化による社会保障への不安から国民の消費マインドはますます低下していくでしょう。
物価高だからいまのうちに買い物をしておこうと考えるような判断は圧倒的多数派である中間所得層はしません。リフレ派のいうようにデフレマインドを脱却すれば消費が増えて景気がよくなることはありえません。それは社会心理を無視した机上の理論です。そういう考えをするのは所得に余裕がある一部の金持ちの合理的投機的な考えです。

安倍政権が存続する限り、円売りは続きます。
円売りは、交易条件を悪化させて、中小企業や内需企業の収益を悪化させます。価格競争があり簡単に価格転嫁できないので、労働者の賃金がさがります。日本国民の労働者の大半(7割程度)は中小の内需関連企業に努めています。
円安によるコストプッシュインフレと、企業の収益悪化によって、労働者の実質賃金は減少し続けて、GDPの6割を占める個人消費はますます落ち込むことになるでしょう。成長が鈍化して税収がますます減ります。
円安が加速すれば、為替差益狙いのヘッジファンドが日本に売りを仕掛けるでしょう。ホームバイアスの強い日本国民や日本の金融機関もオーバーシュートしてフリーフォール状態になった円に恐怖して、最後の最後は出口に殺到して、円を売り、日本国債を売るようになります。
そして金利が上昇します。
日本の政府債務は巨額ですから、数%程度の少しの金利上昇で、利払い困難になり、銀行危機、金融危機が発生します。

金融経済が崩壊するだけでなく、安倍政権が与党である間は、今更どれだけ安倍政権が中国に土下座外交してもその関係は改善しないでしょう。
世界中の国で賃金が減少しているなかで、中国だけは安定して労働者の賃金が上昇しています。
中間層が巨大な消費市場を作り上げているので、中国経済のエンジンはしばらく止まりません。
その巨大な市場のシェアを世界中の企業が取り合いをしていますが、日本はそこから閉めだされたままでしょう。
中国との関係改善なしの経済再生はありえません。

日本は太平洋戦争に敗れて、焼け野原のなかではじめて国民は反省しました。
国は左傾化しましたが、その間、日本が高度経済成長しました。社会民主主義政策が経済成長を後押ししました。
しかし、長い平和ボケもあって、右翼政治家が台頭して喧嘩に弱いリベラル政治家を駆逐していきました。
社会党は解党の危機に瀕します。自民党も民主党も党内左派の政治家は力を弱めていきます。
国全体が大きく右傾化してきています。景気の悪化の閉塞感がそれに拍車をかけています。右傾化は理性の敗北ともいえます。
国民はアベノミクスの延長を明日承認するでしょう。
ついに破滅への扉をあけて、ルビコンを渡ることになります。
硫黄島のような持久戦である増税を受け入れずに、一か八かの賭けを選んだことになります。
円安による為替益、株の資産インフレによる資産効果は1回ぽっきりのおにぎりです。円高とデフレは国益のストックの増加ですから柿の種です。地味ですが長期持続的に国益に資することになります。増税は柿の種に必要な農作業です。
そして、アベノミクスの失敗は、第二の敗戦になる可能性が濃厚です。
しかし、国民はショック療法で再度目を覚ますでしょう。新生日本の幕開けです。


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[ 2014/12/13 19:53 ] その他 | TB(0) | CM(0)
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