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インフレへのティッピング・ポイント


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people.cedarville.edu

米日欧の緩和政策で、株、債券、コモディティすべてが足並み揃えて上昇しています。
デンマークもECBに追随して利下げしたようです。
このように中央銀行が際限なく紙幣を刷り続けても本当にインフレにはならないのでしょうか?

古典的な貨幣数量説にフィッシャーの交換方程式というのがあります。
マネタリーベース×貨幣の流通速度=一般物価水準×実質GNP成長率という公式です。
この公式からすると、先進国の中央銀行がマネタリーベースをどんどん増やしているのに、一般物価も実質GNP成長率もたいしてあがっていないのは何故でしょうか?
それは貨幣の流通速度が下がっているからだともいえます。よくリフレ政策へのありがちな批判として、マネタリーベースをいくら増やしても、結局、中央銀行の当座預金に積み上がるだけで流通速度はあがらずマネーストックが増えないので、インフレにならないというやつです。
たしかにリフレ派がいうような過程でのゆるやかなインフレはおきないのですが、かといってこの紋切型の批判が現状を正確にとらえているかも疑問です。
今は資本移動が自由化されていますので、ある国がいくら通貨を増やしても、その国が必ずしもインフレになるわけではないのです。量的緩和であまったお金は成長性がなく投資先のないその発行国を捨てて成長している新興国に投資先を求めてキャピタルフライトを起こします。他国にインフレを輸出するのです。インフラがすでに整備された先進国と違い新興国はまだまだ鉄の需要が大きいですし、人口も増えています。新興国にマネーが集まることでコモディティ価格が上昇します。そうなると新興国はインフレで成長が止まります。そこでガス抜きとして、ローテーションで先進国の株や債券や土地の資産が買われることになります。デフレの先進国でも資産インフレは生じます。実体経済に裏付けされていないバブルなのですが、メディアが適当に理由をつけて買い煽ります。
このように量的緩和をしても、海外にマネーが流出するか資産インフレになるだけで一般物価のインフレになりませんが、通貨安にはなります。そうすると、輸入インフレによるコストプッシュ型のインフレにはなりえます。そうなると交易条件が悪くなります。企業はグローバル市場での価格競争で生き残るために、従業員の給料を下げます。給料が下がると消費もおちます。需要が落ちることで結局コアの物価指数は下がることになります。

もっとも、ある閾値を超えるとこのシナリオも成り立ちません。海外にすべてのマネーが流出するわけにはいかないですし、資産バブルもいつかは崩壊するし、貨幣の流通速度の減速にも限界があるからです。その場合もしフィッシャーの公式が正しくて、かつ、GNPが成長しないのであれば、その国は急激なインフレになります。インフレはもちろん金価格にプラスです。


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[ 2013/05/03 01:32 ] おすすめ | TB(0) | CM(6)
確かにマネタリーベースを低成長の先進国で増やしても、資金需要は限られていますね。
今回のアベノミクスは、貧富の格差を拡大させる政策なのでしょうか?恐ろしいですね。

昔、ブラジルが新興国として過剰資本が入り込み急激なインフレになったのですが、外資に対する特別な課税を行いました。

いつも思うのですが、なぜ中国はブラジルに倣って同じことをしないのでしょうか不思議です。
[ 2013/05/03 08:44 ] [ 編集 ]
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[ 2013/05/03 09:05 ] [ 編集 ]
モモさんへ
貧富の格差が広がれば、世界全体の経済のパイは縮小し、持続的かつ安定的な成長ができなくまりますよね。
量的緩和に恩恵はあるのは刹那的な快楽を求めているごく一部の富裕層だけかもしれませんね。
中国やインドは資本規制が結構厳しいみたいです。
[ 2013/05/03 11:50 ] [ 編集 ]
Re: タイトルなし
jejeさんへ
ブログを始めてはみたものの、読み手の感想がまったくわからないので、こういうコメントをいただけると嬉しいです。
記事を書くモチベーションがあがりました。ありがとうございました。
[ 2013/05/03 12:00 ] [ 編集 ]
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[ 2013/05/03 16:36 ] [ 編集 ]
Re: Peter様、初めまして
闇からの一撃さま、こんにちは
ゴジラさんのブログのコメント欄でいつも貴重なご意見を拝見させていただいています。
閾値にいつ達するかは予想できないですが私も重要だと考えております。
[ 2013/05/03 18:38 ] [ 編集 ]
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