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米景気は夏にピークアウトか


米国の商務省が発表した第3四半期のGDP確報値は、前期比年率で5.0%増と、市場予想を上回りました。
市場予想コンセンサスは大きく上回りましたが、エド・ハイマンらは4.9%を予想していましたから、それほどサプライズでもなかったと思います。
イスラーム国と開戦したことで政府防衛支出が急増したほか、オバマケアによる医療サービス支出増加が、個人消費支出をおおきく底上げしました(1.9%→4.6%)。個人消費の上方修正分はほとんどこれによるものです。
数字だけみるとインパクトがありますが、防衛費と医療費に嵩上げされた数字で、景気拡大が加速しているとはいえず、内容的にはあまりいいものではないと思います。少なくとも米経済が、「絶好調」だとか「順風満帆」とか言うのはあまりに楽観的といえるでしょう。

とりあえず、米国の短期信用循環の景気上昇局面は夏場でピークを迎えたようです。このあとは、また長期信用循環のデレバレッジの下降トレンドに戻ると思われます。
長期金利が低下しつつあるのに、企業の設備投資はあいかわらず低調です。
企業の設備投資の先行指標とされる航空機除く非国防資本財(コア資本財)は前月比変わらずと、市場予想の1.5%増に届きませんでした。
前月も1.9%減に下方修正です。
耐久財受注全体では前月比0.7%減と、市場予想(2.9%増)に反しマイナスになっています。

企業の設備投資だけでなく家計の住宅投資も低調です。
11月中古住宅販売件数は493万件となり、市場予想の520万件に届かず、6ヵ月ぶり低水準でした。
新築1戸建て住宅販売は季節調整済みの年率換算で43万8000戸と、前月比、前年比ともに1.6%減。予想の46万戸を下回り、2カ月連続の減少です。

自動車ローン、学生ローンの負担増加もあり、低金利にもかかわらず人生で一番高い買い物である住宅購入のローンを組む余裕はないようです。特にホワイトカラーの職のない低賃金の若者のローン負担が重いようです。いくら楽観的な米国人でも景気の先行きに不安なため、自動車ローン程度ならともかく、家を買うための長期ローンを組むのには、さすがにおよび腰だということでしょうか?

株高の資産効果やガソリン安などもあって最近の個人消費は堅調ですが、この個人消費が来年以降も持続するかどうかはわかりません。
11月の個人所得は0.4%増と市場予想の0.5%に届きませんでした。10月までの個人所得の伸びも低調で過去にさかのぼって可処分所得は大幅に下方修正されています。支出の増加に、収入の増加が追いついていません。
これはローンを組んだり、貯蓄を切り崩したりして、買い物をしていることを意味しています。
貯蓄率は4.4%と11カ月ぶりの低水準に低下しています。
家計のローン負担は、リーマンショック以前の水準に戻りつつあります。家計の金融資産の株への投資割合も非常に高いレベルになっています。
これからさらにローンを組んだり、株に投資したりする余力は限定されています。
リーマン・ショック後、大きく落ち込んだ自動車売上げの自律反発も、新車への買い替えが一巡したことで来年はあまり期待できないでしょう。

企業の設備投資や家計の住宅投資が低調なため、個人の賃金の上昇幅も限定されています。
そのため、ローンと貯蓄の切り崩しに依存している個人消費もいつまでも続くものではないと思います。
ここにきて先行指標が悪化していることと、コアPCE物価指数が低下していることから、FRBの利上げは市場コンセンサスに反して更に後伸ばしになったと思われます。

Joe Cocker/Up Where We Belong/An officer & a gentleman(愛と青春の旅立ち) 


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[ 2014/12/24 13:56 ] 経済指標 | TB(0) | CM(0)
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