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金相場、2015年の展望


2015年になって、金相場の他相場との相関がますます薄れてきています。
金独自の評価がされてきていると思います。
強欲で刺激を求める投機筋ショーターの注目が、金から原油やユーロに移っているのもあると思います。

金相場は、原油相場とは、昨年から、ほとんど短期で連動していないのですが、相関が高かったユーロドル(ドルインデックス)相場との連動も最近では弱まりつつあります。
ユーロドルが大きく下げても、金相場は耐性がでてきて、それほど引きずられることがなくなりました。
一方、ダウ先物などの株式相場(≒ドル円)との相関は、まだまだ高いものがありますが、これも、以前よりは弱まってきた感じがします。
リスクオンでドル円が上げても、金相場は、それほど下がらなくなっています。逆に、リスクオフでドル円が下げたときは、今までどおりに金相場は強く上昇しています。
そのため、全体の差し引きから、円建ての金(ドル建て金買いと円売りの両建て)は、ジリジリ上昇しています。
ポジショントークですが、金の果実などの国内ETFの人気がますます高まるのではないでしょうか?

その一方で、金相場と債券市場(T-NOTEなど)との相関はまだまだ高いものがあります。
米国の潜在成長率の低下、世界不況と原油安によるデフレ圧力、中国の外貨運用などが要因になって、米国長期債の金利低下がとまりません。
FRBが短期の政策金利を引き上げるから、長期の市場金利も上昇すると、単純な思考停止で予想する向きも多いですが、たとえ前倒しで政策金利を引き上げたとしてもそのペースは非常にゆるやかにせざるを得ないため、長期金利の下落が続きフラットニングすると予想します。
米国長期債相場と金相場の相関が続く限り、金利低下が金相場を支えると思います。

FRBの利上げを無防備に信じるのと同じような人は、たいがい、ECBのQEに過大な期待しています。QEがたとえ実行されても、その内容は失望を誘うことになるでしょう。FRBが利上げをしても、そのペースが遅くなるのと同じです。
米国、ドラギ、GSらの投機銀行、南欧諸国の理想とするQEは、その額が無制限で、ECBが、将来発生するデフォルトなどの損失のリスクを全部負担するというものです。
もっとも、ECBがリスクを負担するといっても、結局は、出資割合の大きいドイツが実質的に大半を負担することになります。
一方、ドイツが是とするQEは、各国中銀が自国の国債を買い入れることで、信用リスクが当該国にとどまるようにするものです。
ドイツは財政黒字ですから、新規の国債の発効が当面ないので、ドイツが買い入れる国債額は小規模になります。そのため、QEプログラムの規模は小さくなり、ECBのバランスシートは市場が期待するほど拡大しないことになります。これはユーロ買い戻しドル売りの要因になります。

この両者の折衷案として、ECBがQEプログラムの一定の割合について国債を買い入れ、デフォルトが発生した場合はユーロ圏各国がECBへの出資割合に応じてリスクを共有し、プログラムの残りの額は各国の中銀がそれぞれの責任で買い入れを実施するという二段階方式が提案されています。
もっともこの折衷案も、その一定の割合の落とし所が難しいようです。
ECBによる買い入れの割合は全体の20─40%程度にとどまるとか、大部分が各国中銀による買い入れとなるとか、ドイツ側に譲歩した内容になるという関係筋の声が聞こえ始めています。
この場合も、QEは小規模にとどまり、市場の失望を誘うことで、ユーロの買い戻しがあると思われます。
GSはユーロをパリティまで誘導したいようですが、ユーロ圏でのQEは、一国民国家である英米日のようには簡単にはいきません。政治的にもテクニカル的にも、また法的にも障害が多いです。
過去三国での失敗によりその経済効果も疑問視されています。
もちろん、ECBは、市場原理による資本的多数決ではなく、頭数の多数決です。出資比率が高いドイツが持っているのは、ギリシャと同じ一票にすぎません。ドイツを無視して強行採決はもちろん可能です。もっとも、その場合、ドイツ国内で強硬論がでてくる可能性がありますのでそう簡単にはいかないと思います。
金相場はどちらにしても結果的にはプラス材料になると思います。
ECBのQEが市場の失望を誘ってユーロが大反発してドル安になった場合は短期的に、QEが市場の期待どおりの内容になって、不換紙幣が増発されることになる場合は長期的に、両方で対処できると思います。

シーズナルパターンからすると、年始の金相場は、中国の旧正月のお祭り需要があるので、強くなることが多いようです。
年末で税対策の損切りも一巡したと思います。
ここ最近、ETFが流出傾向にあるのが、気がかりですが、先物の投機筋の新規の買いも増えてきているようです。目先はどちらかといえば強くなる可能性のほうが高いと思います。
また、1年という中長期的スパンでみても、2015年のインドの経済成長は、世界不況のなか相対的に強いものが予想されています。
インドの格付け会社のICRAによると、2015年のインドの金の宝飾需要は、10%成長する可能性が高いそうです。
ジム・オニールも、BRICsのなかでは中国とインドの経済には太鼓判を押しています。大きく崩れることはないでしょう。現物金需要は今年も堅調でしょう。
以上から、目先と、年末までの中長期目線では、金相場は堅調の可能性が高そうです。
しかし、中期的なスパンだとまだまだ予断は許さないと思います。また、短期の金相場を予想することはここで何度も指摘しましたが、実証的に不可能に近いようなので実際どうなるかは、わかりません。
株式市場が乱高下しながら更なる上昇を見せて市場がリスクオン一色になれば、2月以降、再び、GSらに大きく売り仕掛けられる危険性は高いと思います。
金相場が上昇していることは、米国の金融政策が上手くいっていないことの証拠となるので、彼らには目障りです。
米国景気の回復を演出するためには、長期金利が上昇して、金相場に下落してもらう必要があります。
金相場が、1200ドルを中心としたレンジ相場から上にブレイクして抜け出すには、株式市場の更なる低下が必要だと思います。もっとも、株価は過去1年、大きく崩れても短期で戻すパターンが続いています。そのパターンが続く限り、安心感で買い戻しが入り、株バブルは持続するでしょう。
その戻しのパターンに翳りがでてきたときに、金相場は始めてレンジを上にぶち破れると思います。来週以降、どこまで株式市場に戻す力があるかが注目されます。どちらにしろ株バブルはいつまでも続きませんから、今年も金投資家は我慢の持久戦を覚悟したほうがいいようです。
米年末商戦は、ネット販売が拡大したことで、当ブログの予想に反して好調でしたが、店舗売上高は8%減だったようです。
年末商戦向けに一時的に雇った労働者が1月以降、大量に解雇されることが予想されます。ネット販売の拡大は小売り業の職を奪います。
また、原油安によって、シェールバブルで生み出された多くの雇用が失われています。
12月の雇用統計のNFPはよかったですが、2015年になって最初の雇用統計での落ち込みが、株式バブル終焉のトリガーになる可能性があります。

Mary Hopkin - Those were the days


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[ 2015/01/11 14:11 ] | TB(0) | CM(1)
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[ 2015/01/27 17:37 ] [ 編集 ]
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