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BullionVault

先物で墓穴を掘る米シェール企業


予想外にしぶといシェール企業の落とし穴とは
米国のシェールオイル油田の多くは1バレル70ドル付近まで下落すると採算割れになるといわれています。
今現在、40ドル割れ付近まで原油価格が下落しています。それでも、米のシェール企業は一部小規模シェール企業が破綻した以外はしぶとく生き残っています。生産量も増加傾向にあります。
シェール企業の多くは、キャッシュフローを確実なものとするため、ヘッジの空売りをしているようです。
その空売りで得たキャッシュフローがあるため、当初の想定よりも長く掘削作業を続けられる状況にあるようです。
シェール企業は、本業よりも簡単に儲かる金融による目先の一時的な利益を求めたヘッジ取引に走っています。このヘッジ売りが原油安を更に下落させることになっています。各企業が目先の価格変動に対応するために良かれと思ってやっていることが、長期的にみれば本業の収益を悪化させます。合成の誤謬です。
金が90年代に大幅下落したときの原因として、中銀の金売りと並んで、産金業者の金キャリートレードがありました。中銀から金を借りて、それを空売りをして利益を出して、あとで掘った金で中銀に返却するというものです。
この金キャリー・トレードは結局、鉱山会社自らの首を締めることになりました。金キャリー・トレードを積極的に行ったのは、最大手のバリックです。バリックはGSなどのユダヤ資本家と深いつながりがあります。墓穴を掘ったというよりも、ドルの価値を維持するために、あえて金価格を下落させたのかもしれません。
金価格下落で、小規模の産金業者を破たんに追い込み、それを吸収合併することで更に会社の規模を拡大して、寡占を進めます。そうすれば、供給の調整により金価格をコントロールしやすくなります。この数年の金の急落の際も、バリックは大幅な減産はしませんでした。バリックは操業コスト面では企業規模の点で余力がありますし、採算ギリギリのところで、供給を維持して、ドルをアシストしようとしたのかもしれません。
もっとも操業コスト面では採算がとれても、新規投資を含めたトータルコストを割れれば、新規投資は減ることになります。
金も一昨年からの急落で、新規鉱山開発費が抑えられてきた影響が今年からそろそろ本格的に出てきそうです。鉱山供給だけでなくスクラップ供給も減少傾向にあります。中国、インドなどの宝飾人需要、ロシアなどの中銀需要、米国以外の国の通貨ヘッジ需要、先進国の信用リスクヘッジ需要など、需要増の側面はよくいわれますが、供給面も減少傾向にあります。ピークゴールドです。需要面、供給面、両面から、金の現物需給はタイト化しそうです。

今現在の原油安を利用して、中国やインドなどの新興国は、産油国企業と長期契約を締結しているようです。これは、将来の原油高騰へのヘッジになります。
一時的なキャッシュフローによって、当面の操業は可能でも、原油価格の低下は長期的にシェール企業を苦しくします。
操業コストギリギリでできたとしても、新規の油田の開発などの投資が減ります。
今現在、技術の改良によりリグ一つあたりの生産性は向上していますが、油井自体の生産性は低下しているようです。つまり、コストの安い優良な油井から掘り尽くしているといえます。シェールの油井は寿命が短くどんどん新しい油井を掘る必要があります。その設備投資が今現在衰えているので、数年先にがくんと生産量が落ちることが予想されます。
数年後、WTIがブレントよりも大幅に上昇することになるでしょう。
原油への依存度がもっとも高い国は自動車社会が極端に進んだアメリカです。
シェールバブルで、省エネなどの対策をしてこなかった米国は将来、原油生産の急な落ち込みで、大きなダメージを受けることが予想されます。
最近、サブプライム・オートローンバブルで、ピックアップトラックやSUVなどの大型で燃費の悪い車への買い替えが進みましたが、数年先にその反動が来ると思われます。
北米、南米の油田はベネズエラを除けば、埋蔵量が少なく、立地条件もアメリカは恵まれていません。タンカーで長距離の輸送はコストがかかります。

先物取引きは、価格変動によるリスクを抑制または排除することができるために、社会的に有益だという意見もあります。
しかし、実際は市場の価格発見機能を害し、その反動でボラを大きくして、価格の変動リスクをさらに悪化させているだけです。
先物取引きは金融市場を不安定にして実体経済に有害です。
エンロンやワールドムのような大企業、産金業者、シェール企業は自己責任で自業自得といえないこともないですが、日本の善良な中小の輸出企業などが先物取引で大損害を受けています。宗教法人や大学などの公益法人も被害にあっています。
先物取引きは社会に有害なギャンブルにすぎないので、一律に規制すべきだと思います。


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[ 2015/01/30 19:16 ] 経済全般 | TB(0) | CM(0)
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