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地下経済と金


国内総生産(GDP)は、一定期間内に国内で産み出された付加価値の総額のことです。
本来なら、その定義からしてすべての経済活動を計算に入れる必要がありますが、地下経済に関しては実態がつかめないため通常GDPの計算には含まれていません。
金融危機後、GDP成長率はどの国も軒並み鈍化しています。そのため、GDPの算出方法の変更がおこなわれて、成長をよくみせる嵩上げがおこなわれています。
アメリカなどが、知的財産などで下駄を履かせることをやっていますが、最近ではインドが基準変更を行い、GDPを大幅上方修正して中国の成長率を抜いています。中国も指標変更に前向きのようです。
イギリス、アイルランド、イタリアは、地下経済をGDPの計算に算入することを決定しています。
マフィアの国のイタリアと海賊の国のイギリスはGDPに対する地下経済の規模が大きいようです。なお、イタリアは伝統と歴史のある国ですので資産のストックの価値が高く、その経済力は過少評価されていると思います。
最大多数の最小幸福はGDP(金)で測れるが、最大多数の最大幸福はGDPで測れないというのが通説です。
GDP至上主義にはスティグッツなどが批判して、環境などより広範な指標を盛り込んだ別の基準を導入することを提唱しています。
もっとも、GDPが正確性に欠くものの、一定の経済力や効用の総量を図るシンプルで客観的な基準であるという有用性は無視できません。幸せや環境などは定数化が困難で恣意的な評価になるおそれがあります。
このようにGDPがもともと倫理的なものを度外視し、客観的な経済力を図る指標であるなら、地下経済の規模をGDPに参入するのもアリだと思います。
ちなみに、古いデータですが、GDPに対する地下経済の規模は以下のような感じになります。
ドイツ 4~27%
オランダ 6 ~18%
イタリア 30%
ベルギー 15~21%
フランス 7%
ユーロ圏15%
英国 3~15%
米国 2%
最大はグルジアで最小は米国、ギリシャは比較的健全のようです。
世界の囚人の半分を占め、麻薬が普及して、銃社会で凶悪犯罪の多い米国ですが、歴史自体が浅い国なので意外と地下経済は成熟していないようです。

金取引の多くは地下経済でおこなわれていると思います。
ワールド ゴールド カウンシルが、2014年度版の『ゴールド・デマンド・トレンド』を発表しました。
2014年の金需要は急増した2013年の反動があり4%減少しましたが、平均トレンドでは上昇傾向を維持しています。
通年の金需要は3924トンでした。
総供給は、前年と変わらず4278トンでした。スクラップ供給は減少が続いていますが、鉱山は価格下落の影響による減産までタイムラグがあるようで増加しています。このあたりは今のシェールと同じです。
この数字だけみれば、差額354トン、供給の余剰があります。
もっとも、この数字は地下経済の需要を捉えていません。
金は銀行を介さないので足がつきにくく、地下経済での取引に最適です。もちろん脱税にも使われるでしょう。中国などでは賄賂で使われていることが多いと思います。今年は中国で、熾烈な反腐敗運動がおこなわれたため、ゴールドバーの需要が大きく落ち込んでいますが、実際は更に裏に潜っただけで、WGCの数字ほども減っていないのかもしれません。
インドの密輸での需要もWGCの数字には含まれていないと思います。
もちろん、地下経済とは違いますが、中国人民銀行の買いの分も加算されていないはずです。
一方、供給面は、最近、南アフリカの鉱山で、三ヶ月間にわたり、違法に鉱石違法採掘がおこなわれていたという報道もありましたが、WGCが把握できない地下経済で供給される金は、需要に比べるとはるかに少ないでしょう。
もちろん、米国が、裏で、中銀の保有する(自国だけでなく他国から預かっているものを含む)外貨準備の金を市場に放出している可能性はあります。
なお、産金コストの高い南アフリカでは、今年になって金の生産は急減しているようです。
どちらにしろWGCの数字は参考程度にして、あまりあてにしないほうがいいと思います。


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[ 2015/02/14 21:22 ] | TB(0) | CM(0)
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