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AIIBは中国版マーシャルプラン戦略


1929年、ウォール街の株バブルは崩壊し、アメリカは恐慌に突入します。
その後、金本位制度を停止して、今と同じような金融緩和政策をしたものの、効果は一時的で、かえって景気は悪化します。
結局、本格的な景気回復は戦争という名の財政政策(公共投資)頼りになりました。
アメリカ経済は国外の戦争を誘発することで復活します。
アジアや欧州の国は、ドイツや日本といったファシズム国家からの侵略を恐れて金をアメリカに預けました。
世界中から金を集めたアメリカは、ドルと金を兌換するという金ドル本位制度をコミットして、ドルを基軸通貨にすることに成功します。ブレトンウッズ体制のスタートです。金ドル本位制度はニクソンショック(アメリカの対外デフォルト)まで続きます。
戦後、焼け野原になったアジアや欧州のインフラ復興投資のために、アメリカはIMFや国際復興開発銀行(現世界銀行)を設立して、ドル資金を援助します。
これにより、ドルの流通は加速することになります。

アメリカは基軸通貨特権(シニョレッジ)により、労せずに、マネーを発行して、世界中の資源や労働力を安価に入手することが可能になりました。財政赤字や経常赤字を垂れ流しても、この特権のプレミアムにより、ドルの価値を一定程度維持することができました。
しかし、この体制には問題がありました。
ブレトンウッズ体制下のIMFや世界銀行、アジア開発銀行(ADB)の融資基準は、アメリカにとって都合のいいダブルスタンダードでした。アメリカの大企業やウォール街、ユダヤ資本家の搾取にとって都合のいいように、他国に構造改革(民営化、規制緩和、緊縮財政)を押し付け、それを拒否したものには融資しませんでした。
最近でも、ウクライナは、まともな資金援助を受けられなかったのでロシアからの援助にたよっていたのですが、アメリカがクーデーターで親米、傀儡政権をたてたあとは、IMFは、すぐにウクライナへの融資を決定しています。
右翼がAIIBを否定するときによくいう、ADBは融資基準が厳格だから、格付けが高いというのも、格付け会社は西側陣営の会社で、アメリカに有利な格付けをするダブルスタンダードをとるから当たり前です。
そもそもADBの融資先は中国やインドといった成長が確約されている国が大半(人口からして当然)だから格付けが高いのであって、融資基準云々はたいした問題ではありません。
もしろ、こういった国際機関は、リスクが高く、短期の利益が求められる民間企業が貸せないような案件にも、長期目線で、融資するからこそ、意味があるといえます。
新興国はGDP債務比率も先進国よりもずっと低く、人口動態も若いので、長い目でみれば、デフォルトはありえません。
ADBの融資基準が厳しすぎて恣意的であるとか、融資まで時間がかかるとか、インフラ需要に全然足りていないとかの問題があるからこそ、AIIBの登場が歓迎されているのです。競争を促せば、ADBの独占が崩れ、上から目線の融資態度も改まると期待されているのかもしれません。
そもそも、中国自体がADBの借り手ですから、利益相反になるので、ADBを強化しても意味がないので、ADBと別の機関を作る必要があったともいえます。
また、IMFやADBの融資がドル建てで行われることも問題です。
潜在成長がとまったため、金融経済に依存しているアメリカの恣意的な金融政策で、新興国や発展途上国は、自国の経済とは関係のない外部要因で、自国からの資本の流出や、自国通貨安が頻繁におこり、安定した債務の返済が困難になり、それが経済成長を妨げることになっていました。
アジアインフラ投資銀行(AIIB)が歓迎されたのは、こういったアメリカの恣意的なブレトンウッズ体制に対する不満があります。
人民元ならドルと違って為替変動は安定しています。
AIIBの登記資本金は一応、米ドルとなっていますが、専門家らは実際のオペレーションでは人民元が決済通貨として利用されると見ているようです。中国はアジアインフラ投資銀行(AIIB)による融資と決裁に使う通貨に人民元を加えるよう加盟国に働き掛けています。
HSBCはこのほど発表した報告によると、2014年22%だったアジア市場での人民元建て貿易決済は、2020年までに中国の貿易総額の50%を超えるとの見通しだそうです。
中国は、AIIBを通じて、新シルクロード(一帯一路)構想の経路沿いのインフラ開発を支援して、アジア域内での人民元の普及を促進することを狙っています。中国版マーシャルプランです。
この融資先には、親米国家でないため、IMFや世界銀行、ADBから満足な融資を受けられないイランやパキスタン、その他親ロのCIS諸国などが含まれています。
人民元がアジアの主要決済通貨になる日も近い!?

日本がAIIBに参加しないことを賛成する理由として、争点と直接関係のない中国批判をしている右翼は論外として、ADBなどのブレトンウッズ体制を棚に上げたガバナンスや融資基準の不透明さへの批判、日本企業の落札率、格付け、わずかな出資額(最大15億ドル。ちなみに、欠陥機オスプレイ17機30億ドル)云々といった瑣末な問題をあげるのは、視野狭窄だと思います。もっと大局的な判断が求められます。
ドルが終われば、それを担保としている円も終わりです。


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[ 2015/05/08 17:02 ] おすすめ | TB(0) | CM(0)
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