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自民党の成長戦略は亡国へのフォースダウンギャンブル


安倍政権は、財政健全化のために、2020年度までの基礎的財政収支(プライマリーバランス)黒字化の目標を掲げています。
財政を改善するには、4つ方法があります。
歳出削減、増税、成長戦略、そして、インフレタックス(通貨切り下げ、金融抑圧)です。
安倍政権は、典型的なポピュリズム政権ですから、歳出削減も増税も選択肢にないようです。
そのどちらも大衆受けが悪いもので、もし実施すれば、支持率を失い、選挙に勝てなくなります。
人間は社会的動物ですから他人の目があるときは利他的になる傾向があります、そうでないときは利己的になりがちです。選挙においては秘密投票が憲法で保障されていますので、人は利己的になりがちです。
過半数の支持を失うと、安倍総理のライフワークである日本右翼国家化計画が頓挫することになります。そもそも、アベノミクスなどはその手段にすぎません。
安倍政権は、アベノミクス第二の矢ということで、自民党のお家芸であるバラマキを派手におこなっています。社会補償費は削りましたが、その分でオスプレイを購入したりもしています。アメリカへの献上金も増加しています。国内だけでなく、文字通りの外遊で海外にもバラマキをしています。
このように歳出が削減できていないのに、増税もできていません。
消費増税は延期して、ただでさえ多くの会社が、諸々の抜け道から、支払いを免れている法人税をさらに減額しようとしています。アメリカのユダヤ資本家は、日本企業の大株主であり、安倍政権は、日本国民の利益よりも、まずは、彼らの利益を優先するからです。
自民党は、その失われた30年で、増税と歳出削減を先送りにして、成長戦略による税収増に期待し、それによって財政健全化するというポーズをとってきましたが、それに失敗し続けてきました。
今現在も、安倍政権は、2020年度までの基礎的財政収支(プライマリーバランス)黒字化の目標の達成の前提として、実質GDP成長率2%以上、名目GDP成長率3%という大法螺を吹いています。
安倍政権の、御用機関である経済財政諮問会議(議長、安倍晋三首相)、自民党の財政再建特命委員会が掲げる目標も同じです。
建前上は政府から独立している日銀の黒田総裁も、内心では無理だとわかっていても、技術革新や構造改革(規制緩和)の努力次第で、実質2%以上の成長率の実現が可能であるとしています。
もっとも、この皮算用がうまくいきプライマリーバランスの黒字化に成功したとしても、日本の場合、その公的債務の多さからして、消費税率を16%程度まで消費税率を引き上げなければ、公的債務の対GDP比を安定的に低下させることはできないようです。
コラム:金融抑圧が招く「バブル」への道=河野龍太郎氏
また、池尾和人教授によると、プライマリーバランスが黒字化していても巨額の公債残高を抱える日本では、少しでも金利が成長率を上回れば、債務残高GDP比率は悪化していくそうです。

安倍政権が想定する、実質GDPで年平均2%の成長というのは、潜在成長率が0.3%まで低下している日本においては、非常に厳しい数字といえます。日本だけでなく、ほとんどの先進国にとって非現実的な数字です。
日本は、少子高齢化により、年率1%の生産年齢人口が減少しています。
それを相殺して、さらに成長するには、国民1人当たりのGDP成長率で、毎年2.6%~3%以上の増加が必要になります(生産年齢人口が減少しているので、生産年齢人口1人当たりのGDP成長率ではダメです)。
この1人当たりの実質GDP成長率で、2.6%~3%以上という数字は、過去のデータからみて非現実的です。
過去30年間でそうした高成長が観測されたのは、1980年代終盤から1990年代初頭のバブル期だけです。この時期は、ロシアや東欧、中国、インドといった東側の新興国はライバルにいませんでした。
わが国の1人当たり実質GDPの増加率の実績は、ジャパン・アズ・ナンバーワン時代の1980年代が年率3.5%(、バブルがピークアウトした1990年代が年率0.6%、長期停滞の2000年代が年率0.2%だそうです。
ビジネス知識源:ピケティの『21世紀の資本』が示すこと(2)

一人当たりGDPを増やすには、第二次産業(製造業)の就業者を増やす必要があります。
各国の過去のデータによると、一人当たりGDPは、第二次産業就業者のシェアが低下すると、ピークアウトしているようです。
第1節 中所得国の罠の回避に向けて
IT産業や金融業、、知的所有権を独占した情報業などのサービス業(第三次産業)は、必要とする労働者が少ないので、アメリカや日本といった人口の多い国ではそのような産業に依存しても格差が拡大するだけで、1人当たりのGDPはたいして増えません。
これらの職種は、生産性自体は高いものですが、情報はコピーも容易ですし、輸入も可能ですから、これからも、持続的かつ安定的に、その高い生産性を維持できるものではありません。
逆に、第3次産業でも、上記の虚業と異なり、無くてはならない仕事で、輸入もできないヘルスケアや接客業などの仕事は、多くの労働者を必要とするものの生産性自体は低いものです。
アメリカの労働生産性が低下し(同時に消費市場を支える中間層が没落)して、潜在成長率が低下したのは、過剰な金融経済によって引き起こされた産業の空洞化に伴う格差拡大が主因です。
日本の場合はアメリカよりはマシですが、アベノミクスによって通貨を切り下げて、円安にしたものの、輸出量そのものはたいして増加せず、製造業の国内回帰の動きはほとんど観測されていません。
為替益で大幅増益企業もその利益を、自社株買いによる株高誘導などに使い、外国の株主に還元するだけで、設備投資には消極的です。そのため、製造業などの正規雇用は増加せず、非正規のサービス業のアルバイトばかりが増えています。
日本でもアメリカ同様に、中間層の没落により、個人消費が弱体化し、成長率は低下しています。
これから、新興国のさらなるキャッチアップによって、製造業の仕事はさらに奪われて、1人当たりのGDP成長率や生産性は増えるどころか少しずつ減少していくとみるのが現実的です。
少しでも1人当たりのGDP成長率の低下を食い止めるために、成長するための努力を諦めろとはいいませんが、それに過剰に期待するのは、画餅であり合理的ではありません。
成長戦略が厳しいとなると、残りの選択肢は、インフレタックスか、増税&歳出削減です。
インフレタックス戦略(リフレ戦略)は、インフレ率上昇によって名目成長率を上げて借金を実質的に目減りさせる一方、量的緩和によって金利上昇を人為的に抑えこむという方法です。これによってプライマリーバランスの黒字化なしに、公的債務の対GDP比を安定的に低下させることができます。
しかし、これには、円暴落、ギャロップ・インフレというリスクがあります。そうなれば、最終的にリスク・プレミアムの上昇によって金利が暴騰して財政再建どころか財政破綻です。これは政治的には最悪のシナリオでしょう。政治の失敗に備えて、国民は政府をあてにせず、個人で金を買うなどをして資産(生活)防衛をする必要があります。

結局は、一番、地味で痛みを伴う増税&歳出削減しかないと思います。
歳出削減は、アメリカと距離を置き、中露に接近すれば、安全保障が向上して防衛費を削れるでしょう。
また、弊害の多い少人数制クラスを廃止した教員の削減、金融資産を多く持つ高齢者に対する年金の廃止(年金と生活保護の一元化)なども考えられますが、これは、民主主義では実現は困難でしょう。既得権益(右翼保守)の抵抗を受けながらも、いろいろ削減の努力をしても、結局は、それを上回る高齢化により歳出は増えていきます。
結果として、消去法で増税しか選択肢はありません。
所得税の累進課税の強化は絶対に必要でしょう。これは民主主義でも、資本家の傘下にあるマスメディアの影響を回避すれば可能です。
労働所得に対してだけでなく、金融所得に対する、思い切った累進課税の強化が求められます。金融資産など流動性のある資産に対しては財産税、相続税もMAXまであげるべきでしょう。
経済が縮小していくなか、所得税も減少していきますから、これだけに頼るのも非現実です。
やはり、安定した税収をえられる消費増税は必要です。先進国平均の20%(日本のワースト級の累積債務からすればそれ以上)の税率は最低でも必要でしょう。
消費税はその逆進性から、リベラル層からも受けが悪いですが、いったん一律に回収してから再配分すれば、その問題は緩和できます。
日本の富裕層は高齢者とその相続者に集中していますが、彼らは働いていないので所得税を課すことができません。そのために、消費税を上げて、彼らに課税することは、むしろ公平とみることもできます。
消費増税によって一時的に消費が冷え込むことになりますが、参照点がすぐシフトするのでその影響は次第に薄れます。
消費増税によって財政が健全化し、高齢者が国の用意したセーフティ・ネットに安心するようになれば、かれらの財布の紐も緩んで、貯蓄をより消費に回すことになります。長い目でみれば、消費増税は、消費性向を高め、成長に寄与します。
また、アメリカのように、リバタリアン的価値観、新自由主義、競争原理主義が支配するセーフティ・ネットの弱い国よりも、社民主義をベースとして、大きな政府で社会福祉の厚い北欧の国のほうが、イメージと異なり、今では、ベンチャーが盛んです。人は帰れる場所があるからこそ冒険ができるのです。
財政再建によって、チャレンジする人が増えてくれば、緩やかに労働生産性も向上して、1人当たりのGDPも増えていくと思います。
プロスペクト理論の四分割パターンによれば、人は損失回避する性向が強いため、今の日本のように損失しか選べない状況ではリスク追求的になり、ギャンブル的選択によって損害を拡大させてしまう傾向があるそうです。
増税によって損失を確定せず、成長戦略や、量的緩和によるリフレ政策(インフレタックス政策)といった博打政策に一か八かをかけるのは、亡国への道です。

19のままさ 浜田省吾
遠くへ - 1973年・春・20才


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[ 2015/05/18 01:13 ] おすすめ | TB(0) | CM(0)
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