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米国リセッション前夜


サンフランシスコ連銀のウイリアムズ総裁は、以前は、ハト派と評価されることが多かったようです。
しかし、プロッサー総裁が退任するなど、FRBメンバー内でタカ派の占める割合が減少してきているためバランスをとるためか、最近ではタカ派に変節しているようです。
ウイリアムズ総裁は、米経済に強気で、再三、6月利上げをちらつかせる口先介入をおこなって、ドルを支えています。
そのウイリアムズ総裁のサンフランシスコ連銀から昨日、米経済は第1四半期のGDP成長率(GDP)は、統計が示唆するほど弱くはないという論文が発表されました。
先月発表された第1四半期のGDP成長率の速報値は年率換算で、市場予想の+1.0%を大きく下回る0.2%増にとどまりましたが、サンフランシスコ連銀の論文では、すでに行われた季節調整を更に季節調整するというアクロバットを使い、年率+1.8%という強い数字をたたき出しました。先週、FRBのエコノミストらが、季節調整の問題で統計にゆがみが生じた「確証」は見つかっていないと報告していたばかりですが、サンフランシスコ連銀の調査チームは逆に、季節調整がまだまだ緩いとばかりに二重の季節調整をしてきました。
どうみても、無理目の論文ですが、市場の脳筋ブル投機家はこれを好感しました。昨日は完全にリスクオン相場でした。
ゴキブリのように強い生命力がありながら、ほぼ絶滅したはずの6月利上げ派も息を吹き返し、金利は大幅上昇。ドルは買い戻され、ユーロや金、原油は売られました。ギリシャのニュースはスルーで欧州株も買われました。
ブル派のリーダーであるアイカーンもこれに便乗して、アップル株を買い煽りました。これでアメリカのバブルの象徴であるアップル株も更なるハイパー化を再開しています。
彼らは、第1四半期のGDPの悪い数字に悲観することなく、それは、もっぱら港湾ストや、悪天候が理由の一時的なものであると信じているようです。
しかし、ドル高、原油安(それに加えて失業率が改善)にもかかわらず、個人消費が低調であることからみても、この景気鈍化は一時的なものではなく、構造的要因の寄与が大きいと思われます。

第1半期のGDPの市場予想は+1.0%でしたが、実際は+0.2%でした。
6月利上げを喧伝してきた多くの欧米の金融業界のアナリストなどの市場関係者(そのデッドコピーである日本の市場関係者も同じ)の読みは大きくハズレました。その一方、アトランタ連銀がリアルタイムでGDPを試算して公表している「GDP Now」という独自指標によると、事前の数字は+0.3%でしたからほぼ的中しています。
この指標は、ISM製造業景況指数や国際貿易統計、小売売上高、企業在庫、住宅着工件数、耐久消費財、個人所得・支出などの指標が発表されると、これをもとに、新たにGDPを推計しなおしてその値を発表するものです。
GDPNOW

米国の第1四半期のGDP速報値は、その後の指標悪化で、改定値では、マイナス成長まで下方修正される見通しが高くなっています。JPモルガンは、マイナス1%まで下方修正していますが、マイナス1%よりもさらに落ち込みがきつくなるという見方が趨勢的になってきています。
それだけに、サンフランシスコ連銀の+1.8%はインパクトがあります。
また、5月になり第2四半期になってからも各種指標のリバウンドは弱く、アトラント連銀のGDPナウでは、現在第二四半期のGDP成長率を+0.7%と低い見通しをしています。
JPモルガンは今年前半の成長率は0.5%にとどまるとみているようです。
リーマンショック後の、景気回復局面の成長率は平均2.2%です。これは、過去3回の回復局面の3.6%を大きく下回っています。サマーズの主張する長期停滞論によると米国の潜在成長率は低下しているそうですが、そのためかもしれません。
今、現在の成長率は、この2.2%をもさらに大きく下回っています。
今の景気鈍化は緩やかなものですが、過去の経験則からして、こういうズルズル下がっていくときは、少しのショックであっという間にくずれてリセッション入りすることが多いようです。株バブル崩壊のチャートと同じです。


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[ 2015/05/19 13:15 ] 経済全般 | TB(0) | CM(3)
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[ 2015/05/20 13:11 ] [ 編集 ]
Re: タイトルなし
> こんにちは、いつも楽しみに記事読んでいます。
> ちょっと気になる
> この○○さんのラジオどう思われますか。

>
> 私はゴールドこそ、一番だと思っています。
> この話を聴いて、この人何も分かっていない
> と感じました。

○○さんこんにちは
こういうはなしかたをする人を好きな人は一定数いるのではないでしょうか?そのため需要はあると思います。
聞き流してみたところ、飲み屋のおっさんの講釈のように冗長ですが、要は、
キャピタルゲインではなく、価格変動リスクの少ない商品でインカムゲイン狙いでいけということだと思います。
しかし、今現在は世界中の中銀の金融緩和によって金があまっているので、資本利潤率が低下しています。
そのため、債券投資家であっても、インカムゲイン狙いではなくキャピタルゲイン狙いになっています。
結果、債券市場は逆に流動性が低下して価格変動リスクがたかくなっています。
この方は、不動産投資を進めているようですが、債券の変動リスクが高くなっているということは、金利に左右される不動産の価格変動リスクもあがっているということです。不動産投資が、あたかも確実性があるという言い分はおかしな話ですね。
将来が不安な今の現状では、流動性は重要です。
不動産投資は流動性に難があって、REITなどを除けば、換金が容易ではないのでその点の不確実性のリスクは高いと思います。
前半の税金云々の話はつっこみどころ満載ですが、金だけに限らず、株などすべての金融資産(不動産を含む)に該当することで、金投資に対する批判にはなりません。
金そのものはなにも生み出さないとか定番の間違いを得意げに語っている点からしても、経済学の素人でしょうね。
金には、多くの経済効用があります。
[ 2015/05/20 13:56 ] [ 編集 ]
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[ 2015/05/20 16:06 ] [ 編集 ]
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