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ネット通販が破壊する雇用


ネット通販(Eコマース)が拡大しています。
米アマゾンは、注文発送センター向けにフルタイムの従業員を6000人、新規採用する計画を発表しています。
同じく、既存の店舗小売業でも勝ち組のホームデポなどは、オンライン売上が前年同期から30%近く増加しているように、ネット通販に力をいれています。
ホームデポは、春の商戦向けに、新規で8万人のパートタイム臨時従業員を採用する計画を発表しています。
アメリカの5月の雇用統計は市場予想を上回る好調なものでした。その雇用者数増を牽引した主力は小売りです。
このところのネット通販の急拡大が、目先の小売業の新規の雇用増に寄与しているのかもしれません。
もっとも、米国の個人消費自体は、それほど強い勢いがありません。
年初からずっと落ち込んでいた反動や、自動車販売購入が好調(株高による資産家のセカンドカー購入やサブプライムオートローンによる自動車販売なこともあって、5月の小売売上は多少リバウンドしそうですが、年初からの大きな落ち込みをカバーするほどではないと思います。
日本でも、2015年の第1四半期のGDP成長率が大幅に上方修正されました。
ただし、個人消費はあいかわらず低調なまま上方修正されていません。
今回、GDP上方修正は、民間の設備投資増加によるものでした。
もっとも、リフレ派が主張したような、実質金利低下によって設備投資のための銀行融資が増加しわわけではありませんし、円安効果で輸出量が増加したことによる生産拡大のための新規の設備投資増加でもありません。
設備投資の増加は、もっぱら、非製造業の寄与によるものでした。
法人企業統計では、物流センター建設や、好調なネット通信販売に対応した投資が目立っていたようです。
もっとも、この通信販売の拡大は、店舗販売の小売店員の職を奪います。トラック運転手の不足が深刻化している、運送業などでの仕事の需要は増えるでしょうが、中長期なスパンでみれば、トータルで必要とされる労働者の数は減少するでしょう。ネット通販は効率的で、店舗販売は労働集約型産業の代表だからです。
特に産業のない、地方の中核都市などでは、仕事が今後、減ることになります。
アメリカでは、労働生産性が高く、その分、給料のよい製造業や建設業に従事していた中産階級のブルーカラーが職を失い、失業手当の受給期間の厳格化もあって、低賃金の小売業につかざるをえなくなっています。
その小売業の仕事も、これから先はネット通販の拡大によってなくなっていきます。
消費者は便利になりますし、大企業のネット通販企業の利益は増加するでしょうが、経済全体のパイは縮小していくと思われます。
北欧や、スイス、シンガポールなどの人口の少ない小国なら、労働生産性の高い知識集約型のIT産業や金融業メインの産業モデルも可能性ですが、中国やアメリカ、日本、ドイツといった人口の多い大国では、製造業をメインとした産業モデルでなければ、労働生産性は低下し、成長が鈍化して、経済のパイは縮小していきます。
アマゾンの躍進は止まらない:破壊される中小小売業


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[ 2015/06/08 21:12 ] 経済全般 | TB(0) | CM(0)
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