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集団的自衛権が促す第二次日中戦争


革新派、リベラル側は、抑止力で回避された戦争は無いといいます。
広瀬隆氏は、その著書である「クラウゼヴィッツの暗号文」で、過去の多くの戦争や紛争を引用して、核などの抑止力は戦争を防いでいないとしています。
一方、右翼は、軍事同盟による抑止によって、戦争のリスクが低減すると主張します。
右翼の人で、大学の権威を全面にだして、あやしげな統計分析を持ち出す人もいます。
その分析によると、1886年から1992年までの戦争データについて数量分析したところ、同盟関係をむすぶことで40%ほど戦争のリスクが減少したそうです。
戦争という複雑系である人間の行動を数量化することは、経済以上に非常に困難であり、その数量化した数値自体の信用性が低いものです。その統計分析がたとえ有意だったとしても、その前提がそもそもおかしいのでこの分析は信用度が低いといえます。
「集団的自衛権」には合理性がある 戦争リスク減らし、防衛費が安上がり

どちらが正しいかは、過去の歴史から実証することはできません。しかし、常識的、論理的に考えれば、左翼のいっていることに説得力があるように思います。

戦争ばかりしていると、どの国も財政が続かないので平時のほうが長いのが普通です。
その平時の間に軍事同盟を結んでいたとしても、その軍事同盟のおかげで戦争がないとはいいきれません。戦争が始める要因が複雑系であるって単純化できないのと同様に、戦争が開始しない理由も多岐にわたりますが、そもそも、戦争がないのがデフォルトです。かつては傭兵の国で、好戦的な国であったスイスですが、軍事同盟をむすばない中立国になってからのほうが平和の時期のほうが長くなりました。
一方、戦争を開始するときは、たいていは軍事同盟を結んでいるものです。後顧の憂いを絶たないと前線に戦力を集中できないからです。
通常は、ミリタリーバランスが拮抗して国境が定まっていますが、軍事同盟を結べばこのバランスがこわれます。このミリタリーバランスが崩れたときに戦争が始まる確率が高まります。
日本の戦国時代などがそうでした。縁組で同盟をむすぶことがいくさを始める条件でした。
第一次大戦のボードゲームであるディプロマシーや、その派生であるマキャベリなども、軍事同盟に特化したゲームです。戦争とは軍事同盟なのです。

戦争は、軍事同盟によって戦力的に有利になったほうから、仕掛ける場合もありますが、恐怖にかられた不利な側が、暴発して仕掛けることもあります。第二次大戦の日本がそうでしょう。

ホッブズのリヴァイアサンによると
「人間の本性の中に、3つの主要な不和の原因を見ることできる。第一は競争、第二は不信、第三は栄誉である。第一は人間に利得を求める侵攻をおこなわせ、第二は安全を、第三は評判を求めた侵略をおこなわせる。第一は自分を他の人びとの人格や、妻や、子供や、家畜の主人とするために暴力を行使し、第二は自分を防衛するために暴力を行使する。第三は、一つの言葉や笑いや意見のちがいなど、過少評価の徴候になるあらゆる些細なことがらに対して、それは直接自分の人格に向けられたものか、間接的に親族、友人、国家、職業、あるいは名前に向けられたものかにかかわらず、暴力を行使する」そうです。

第一の競争ですが、
尊王攘夷を唱えた明治維新後、日本は、欧米列強に追いつくために富国強兵に励みました。そのため、大陸に侵略しました。競争社会を是とするリバタリアンが好戦的な右翼なのはアプリオリなものでしょう。

第三の名誉ですが、
右翼の本性は、基本は、利己的な防衛本能です。それを自分だけでなく、間接的に自己と同視できる人格に拡大させていきます。自分の家族などの血縁、地域、国といった地縁、さらに同じ宗教といったものに自己のアイデンティ-を拡大させて、その既得権益を保守しようとするのが右翼です。その防衛には身体の安全や財産の保全だけでなく、防衛本能を、名誉の防衛も含まれます。
王族や貴族といった特権階級から、新たに経済的自由権を得て、特権を得た資本家もこれにあたります。
リバタリアンは旧来の保守層から既得権益を奪った立場にありますが(フランス革命など)、奪ったあとは、保守層の仲間入りをします。
革新やリベラルという左派はその後に、人類のミームの進化で生まれてきた層です。利他的であり、社会的動物である人間全体の進化を促すニュータイプです。
イデオロギーというのは、ノーラン・チャートや、中道というものがあって、同価値で右翼と左翼が天秤のようにあるのではなく、進化の→で示したほうがわかり安いと思います。
右翼(保守→リバタリアン)→革新(リベラル)です。価値観の違いではなく、右翼は左翼に劣るものです。
リバタリアンということばも、誤解を生みやすいですが、一般的な憲法学においては、経済的自由権は、比較的劣後する自由権ですので、平等権(機会だけでなく結果の平等も重要)を重視する民主的な自由的思想のイメージからすると誤解を生みやすいと思います。

このように、右翼は、自分のそして自分たちの名誉という既得権益を大切にします。名誉が失われることは、社会的動物である人間の承認欲求を害します。
日本の終戦が遅れて、原爆などで多くの国民の被害がでたのも、「国体」とかどうでもいいものにこだわっていたためです。国民の命よりも、天皇制度の維持を重視したことの総括はいまでもおこなわれていないようです。
日中関係を悪化させたのは右翼のカリスマである石原慎太郎です。
グレーゾーンにしておくほうが双方の国益になる尖閣諸島の問題を掘り起こして、両国内の右翼の右翼感情を刺激したのです。これで何兆、何京の経済的国益が失われたと思います。
石原はアメリカのアーミテージらジャパン・ハンドラーズにそそのかかれだけともいえますが、そのとき、石原はこういう発言をしてます。
「経済利益を失ったっていい。あの国の属国になることの方が、私はよっぽど嫌だね」
これは、名誉によって戦争が始まる、典型的な感情反応だと思います。
極端なことをいうと、戦前、日本は、維新を起こして、大陸に侵略してロシアに対する防衛線を高い位置ではるよりも、国内にとどまってロシアの侵略を許したほうが、国民の犠牲ははるかに少なかったと思います。
そもそも、当時のロシア海軍の力では海をわたって日本に大規模な上陸戦をしかけることは不可能だったでしょう。
下手に抵抗せずに、簡単に占領されたほうが被害は少ないものです。第一次対戦のフランスは徹底抗戦にして北東部が壊滅状態になりましが、マジノ線をあっさりやぶられパリを電撃戦で占領された第二次対戦では、すぐ降伏したので民間人の犠牲は限定されました。
このように、名誉のために戦うことは被害を大きくします。

第二の不信ですが、これがもっとも戦争が始まるきっかけになるものだと思います。
右翼は自分の既得権益を脅かす存在に対して、過剰反応しますが、これが戦争の端緒になります。
ドイツやフランスはおたがい、相手国の人口が増加して自分たちの国の人口を将来的に超えるだろうと予想したときに、そのうち侵略させるという恐怖から戦争を仕掛けていました。
日本も石油が枯渇する恐怖から、アメリカに戦争を仕掛けました。海軍は戦争に反対だったといわれますが、原油が枯渇することをもっとも恐れたのは海軍です。陸軍に予算を譲歩してもらったこともあって、戦争開始に同意をしたのですから、海軍は慎重だったというのは眉唾ものです。山本五十六などは過大評価されすぎでしょう。奇策を試して見たかっただけの愚将でしょう。
軍事同盟による威嚇も、戦争の抑止になるよりも、むしろ、相手の不信を生み、戦争の危険性を高めると考えるほうが素直だと思います。

中国の巡航ミサイルによる飽和攻撃のシミュレーション動画が一部で話題になっているそうです。
この動画では、わざわざ「某国」ではなく「某軍事同盟」としているのは、明らかに日米同盟を暗示しているそうです。
このように、日米の軍事同盟の強化は、中国国内の右翼を刺激します。
その不信が戦争の可能性を高めるといえます。
中国軍が在日米軍を撃破する衝撃の動画 沖縄の米軍に大量のミサイルが降り注ぐ
3D模拟夺岛战役:中国军力全景展示 3D CG PLA Island Retaking Battle

宮崎駿氏は、軍事力では中国を止められないと発言しています。
宮崎駿監督が安保法制を一刀両断!「安倍首相は愚劣」「軍事力では中国を止められない」
宮崎監督は、生粋のミリオタですから、自衛隊や在日米軍が中国に勝てないことがよくわかっています。

日米+欧州と露中国の戦争を想定した場合、全面核戦争はさすがに現実的ではないでしょう。
もし、核戦争がおこった場合、一番、被害が多く出るのは人口の多い中国ですが、その次はアメリカです。ロシアはアメリカを上回る核兵力をもっていますし、広大な領土や人口数の少なさから中国やアメリカよりも被害は限定されますが、それでも、壊滅的なダメージを受けるでしょう。

また、核を除いた通常兵器による全面戦争も想定できません。
中国やロシアには他国に侵略する装備はありません。アメリカも小国に対する侵略は得意にしていますが、中国やロシアに地上部隊を侵攻させるだけの陸軍はもっていません。
広大な領土と膨大な人口をもつロシアや中国は占領不可能です
となると、考えられるのは、局地戦です。
具体的には、米海軍による、海上封鎖戦です。
日本にとって、経済的にも戦略的にもたいして価値のない無人島である尖閣諸島が、かつてのガダルカナルやミッドウェーのように注目されるのはこのためです。
もっとも、この局地戦では、圧倒的に中国が有利でしょう。
まず、使える飛行場の数が違います。日本や在日米軍の場合、たとえ機数を揃えても使える基地が沖縄とグアムぐらいしかないので、尖閣上空では、数で劣り制空権を握れません。
また、空母も、A2/AD(接近禁止/領域拒否)戦略によって接近が困難でしょう。
抗日戦争勝利70周年記念パレードで初登場し、中国が「切り札」と称した「東風21D」は空母キラーといわれています。
金がかかるだけでたいして役に立たない空母は、現代では大艦巨砲主義の産物いえるでしょう。
アメリカの軍産複合体は、金儲けのために、金のかかるステルスやイージス、沿岸域戦闘艦などを開発してきましたが、量産が困難です。また、複雑なだけに機械的信用性が劣り、整備も難しく、汎用性に欠けるようです。まるで、旧日本軍の兵器のようです。
第二次大戦時の米軍のようなプラグマティズムは失われています。
最近話題になったゴースト・フリートという小説のなかには、ハイテクを駆使した最新兵器は欠陥だらけだという描写がなされているそうです。
米中戦争は、ますます現実味を帯びてきた 「ゴースト・フリート」に描かれていること

現代の戦争の勝敗は、レールガンとか、ドローンとかそういうハイテク兵器ではなく、純粋にミサイルで決まると思います。
その巡航ミサイルの質と数の点で、日本やアメリカはロシアや中国に劣っています。
日米軍が、中露軍のミサイルの飽和攻撃を防ぐことは、技術的にも予算的にも不可能でしょう。
得に巡航ミサイルの技術に関しては大きな水をあけられています。
米国も、中国の飽和攻撃に対処するためにイージス艦などの頭数を揃えることは予算的に不可能だということがわかっています。
そのため、レールガンなど、まだ実践配備もされていない武器に対して過大な期待をするしかないようです。
米国防副長官が「同時大量ミサイル攻撃対処」や「第2のAirLand Battle」を語る要注目の講演
アメリカが、日本に集団的自衛権を求めた理由の一つであるNIFC-CA (同盟軍の航空機や艦船をネットワークで接続し、情報をリアルタイムで共有することで早期に巡航ミサイルを迎撃して空母打撃群を守る構想)にしても、莫大な資金を投じて構築しても、結局、対処療法ですぐ中国側に攻略されると思います。ニフカは、地球が丸いため水平線スレスレを飛ぶ巡航ミサイルがレーダーで発見しづらいことに対処するためのものですが、ハイテクに依存したエアシーバトルは逆にサイバー攻撃によって無力化される脆さをもっています。
「名誉」感情を害するかもしれませんが、日本は、中国に対して、経済力だけでなく軍事面でも勝ち目がなくなったという現実を受け止める必要があると思います。
その上で、日本の国益を考えた場合、相手の軍事力に対する恐怖、不信から、日米同盟を強化(集団自衛権)するのは、逆に中国の右翼層を刺激して、さらに中国の軍事力を強化させる口実を与えるだけです。
集団自衛権は中国との戦争の確率を高めるだけといえます。政治判断としては明らかに誤りです。ユダヤ資本家らジャパン・ハンドラーズに日本の右翼政治家らは、完全にまるめこまれています。
そもそも、集団自衛権は政治的に妥当なものでないだけでなく、明らかに、憲法に反しています。日本は立憲国家であり、法治国家であるのでこれは許されません。憲法の変遷を認める説からも合憲であると解釈するのは不可能です。
いくら権力者が、これは国民のためだと信じていても、ダメなものはダメです。
権力は腐敗しやすく、一個人の判断は間違うものです。その担保が法治主義です。
基本、最高裁は、選挙訴訟を除いては、国家権力に有利は判断をします。左翼的な裁判官は出世できず地裁どまりです。
しかし、今回の戦争法案は、さすがに最高裁は合憲にはできないと思います。統治行為論などで逃げることも考えられますが、ここで意地をみせないと日本の司法は終わります。

安倍は、この法案が通れば、あとはどうでもいいでしょう。アベノミクスなんて、そもそも安倍はこの法案を通すための前提条件にすぎませんでした。
国会前のデモや委員会前のバリケードも今となっては遅すぎました。選挙のときで勝負ありです。国民の過半数がこの法案で世論調査に反対であっても、現状の選挙制度の不備からすれば、どうしょうもありません。民主主義の限界、欠陥といえます。
ただ、まったく無駄ではなく、それで世論に叩きかけることで次の選挙で有利な展開に持ち込めます。今の国会の議決は阻止できませんが、世論への働きかける効果は、世論調査などをみるかぎりはっきりでています。


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[ 2015/09/17 03:00 ] おすすめ | TB(0) | CM(2)
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[ 2015/09/17 12:20 ] [ 編集 ]
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[ 2015/09/17 22:54 ] [ 編集 ]
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