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12月の利上げはあるのか?(UPDATE1)


相場は再びリスクオンになっています。
ヘッジファンドの45日ルールにより、10月15日までは売りが出やすいといわれています。
今年、ドル買い、株買いのブル派のヘッジファンドの多くが負けていましたから、解約も多かったのでしょう。
15日までは、ファンドの解約により、いままで上がると予想されて買われていた株などが売られ、逆に下がると予想されて売られていたもの(新興国、資源、金など)が買い戻されていました。
また、月前半は、決算前のブラックアウト期間で、米国株式市場の自社株買いの弾幕が薄かったこともあります。
しかし、GSの決算発表後に、潮目が変わりました。
GSの決算自体は悪く、その日の米国のマクロ指標もさえないものでしたが、ゴールドマンの自社株買い再開に、45日のルールの15日を通過したことも合わさってリスクオンです。
GSはダウ構成銘柄のなかでは大きなシェアを占めているので、単独の自社株買いで相場全体を押し上げることもできます。まさに公認のインサイダーです。
本日も、元GSのドラギが、追加緩和をにおわせせるアナウンスをして、ドル(=株)に援護射撃をしています。ECB総裁のドラギは本来ならユーロの価値を維持しなければいけないのですが、彼が話すだけで、ユーロが売られます。しかし、ユーロだけが下がっているわけではありません。対ドルですべての通貨が売られます。つまり、ドラギはドルを押し上げる発言をしているのです。まさに忠実なドルの番犬です。
このゴールデンリレーによって、株とドルが再び、息を吹き替えしています。
ECBが追加緩和することで、日銀の追加緩和観測も後退しました。
もっとも、問題は、FRBが12月に利上げをするかいなかです。
FRBとしては、強い米国を誇示して、FRBとドルの信任を得るために、利上げを強行してきたいところです。今後、経済失速するのは目にみえているので、そのための緩衝材として利下げのカードを作っておく必要もあります。
FRB、財務省、GSは三位一体といえますが、そのゴールドマンは12月の利上げを予想しています。
この利上げを根拠に、再び、弱い予想価格を提示して、金市場に攻撃をしかけています。
米利上げ12月実施で金相場に打撃-ゴールドマンが予想

ゴールドマンによると、「米当局の見方からすると、労働市場のスラック(たるみ)は大きく減少し、スラックとインフレの関連が広く考えられているよりも強いことに加えて、フェデラルファンド(FF)金利は長期の均衡水準をかなり下回っている。このため経済が本調子に戻るずっと前に始める必要がある」そうです。

過去の例からすれば、利上げで必ずしも金は売られるわけではないことが実証されていますが、ゴールドマンはこの点は無視して、利上げがあるから金は売られるとしています。
そして、その利上げの根拠として、雇用の改善とそれに伴うインフレ率の上昇をあげています。これは、伝統的なフィリップス曲線のドグマに基づくものです。
失業率が低下し、雇える労働者が不足すると、労働市場の需給が引き締まり、たるみ(スラック)は減少します。そうなると、賃金が上昇します。モノでもサービスでも人件費が価格を決める決定要因になるので、賃金が上昇すればインフレ率が上昇します。このように失業率が低下すれば、そのトレードオフで、インフレ率が上昇するというのがフィリップス曲線です。
もっとも、理屈の上では、単純明快で筋の通ったフィリプス曲線理論ですが、実証的な裏付けは弱く、統計的に有意とはいいきれないようです。
元FRBエコノミストのジョン・ファウスト&エリック・リーパーによると、失業率など経済のスラック(余剰資源)の指標とインフレ率との間に極めて緊密な関係が成立したことはなく、標準的なスラック指標から実際にインフレの先行きを予測できたことはないそうです。
FRBのブレイナード理事とタルーロ理事も、失業率が着実に低下しているにもかかわらずインフレ率はFRBの目標の2%をはるかに下回っているとして、フィリップス曲線のモデルでインフレを予測できるかは疑問との考えを示したそうです。
ブレイナード理事は「誤解のないように言うと、インフレ見通しを判断する上で雇用市場の改善が十分な統計だとは思わない」と述べたそうです。
タルーロ理事も「こうした状況では、もう10年も有効に機能していないフィリップス曲線のような、過去の相関関係をあまり当てにしないことがおそらく賢明だと思う」と発言しています。
フィリップス曲線をめぐる議論、米利上げ予想が一層困難に

フィリップス曲線自体の相関が、まだ完全にくずれていないとしても、米国の失業率低下が、労働参加率の低下や、労働生産性のの低下によって資本家が労働者を安い賃金で利用できることを主因しているのならば、いくら、失業率が低下しても、賃金や物価はそれほど上昇しないと思われます。
オバマケア導入によって、大企業は週30時間以上勤務する従業員に対しては健康保険を供与しなければならなくなりましたが、これを回避するために、週30時間以下の労働者を複数雇うというワークシェアリングがおこなわれているようです。
これによって、形式的に失業率が低下しても、これも賃金上昇につながりません。
金融バブルに依存して製造業が衰えたアメリカは、労働生産性が低下しています。新興国のキャッチアップもあり、賃金格差は今後、収斂してきます。技術革新によって、ブルーカラーの仕事のみならず、ホワイトカラーの仕事も多くが機械やロボット、人口知能に代替されていきます。フィリップス曲線の有効性はどんどん薄れていくと思われます。
フィリップス曲線理論は、成長が持続する新興国には妥当しても、経済が成熟してこれから成長が鈍化する米国のような先進国にはあてはまらないといえます。

FRBの中の人であるGSが12月利上げを予想していますが、FRBメンバーの二人の理事が、12月の利上げには乗る気ではないようです。
ただ、12月の利上げはタイミング的には、ラストチャンスかもしれません。
来年になれば、米国のマクロ指標はさらに悪化して利上げの大義を失う可能性大です。
ECBの追加緩和で市場がリスクオンになっている間にドサクサに利上げをしておきたいところかもしれません。前回はリスクオフで地合いがわるすぎました。
FRBが最も重視しているのは、世界経済でもなければ米国経済でもなく、市場です。資本家が彼らのオーナーだから当然でしょう。経済指標よりも株価が重要なのが本音です。最近でこそ雇用統計とかを重視する姿勢を示していますが、それは以前、労働市場を無視していると批判が多かったためでしょう。イエレンなどは、FRBへの批判をかわすために頭にすえられたようなものです。
なお、ECBの追加緩和の効果がなく、FRBの利上げで株式市場が崩れるケースも想定できます。
その第二の備えとして日銀の追加緩和を控えさしているのでしょう。
順番としては、ECB追加緩和→米利上げ→日銀追加緩和というのが予定されている可能性があります。もちろん、指標もとい市場次第ですが。


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[ 2015/10/23 05:52 ] 市況 | TB(0) | CM(0)
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